高校物理のコンデンサの勉強法について【基礎〜二次対策まで】

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高校で学習する電磁気学の中で、最初に学習する難関がこのコンデンサです。普段の生活でコンデンサを目にする機会はあまりありませんし、なかなか想像がつきづらいというのが正直なところでしょう。

しかし電磁気学という分野の中でコンデンサは大きな役割を担っているため、大学入試の問題にも登場しやすい分野です。

高校で学習する範囲のコンデンサは、ほとんどの問題が一度理解してしまったら簡単に解ける問題なので、ぜひこの機会にコンデンサをマスターしてしまいましょう。

1.大学入試のコンデンサの問題は平易なものが多い

大学入試でよく出題されるコンデンサの問題ですが、正直そこまで難しいものはほとんどありません。

大学入試では両端の影響を無視できる平行平板コンデンサの出題しかされないため、公式さえ頭に入れておけば解ける問題が大半です。

コイルの問題や電磁誘導の問題などの方が、コンデンサの問題に比べて難しくなる傾向があるので、コンデンサの問題が出題されたら「ラッキー」と感じられるように、得点源の分野にしておきましょう。

2.コンデンサで必ず抑えておくべき公式

先ほども伝えた通り、大学入試のコンデンサの問題は比較的簡単なものが多いです。正直、公式を覚えているかどうかで大きな差がつく分野です。

もちろんコンデンサの公式を覚える必要がありますが、物理の公式を覚える時には必ず意識すべきポイントがあります。

・文字の意味や単位も合わせて覚える・公式を導出できるようにする。

・公式の意味を日本語で解釈する

こちらの3つでした。コンデンサの公式は導出はできなくてもいいので、文字の意味や単位も覚えること意味を日本語で解釈することの2つを実践しましょう。

では早速、公式を見ていきましょう。

Q=CV                         Q:電荷[C]、C:静電容量[F]、V:電位[V]

C=ε s/d                      ε:誘電率[F/m]、S:面積[m2]、d:距離[m]

V=Ed                          E:電界または電場[Vm]

U=1/2CV2=1/2QV     U:静電エネルギー[J]

コンデンサの学習をする上で必ず知っておかないといけない公式はこれだけです。

その気になれば導出できるので覚えなくてもいいですが、並列接続の合成容量と直列接続の合成容量は覚えておいてもいいかもしれません。

並列:C=C1+C2
直列:1/C=1/C1+1/C2

3.コンデンサの勉強法

ここまでで、コンデンサの基本となる公式を紹介してきました。絶対に必要な公式は先ほど紹介したものだけなので、他にインプットすべき内容はほとんどありませんが、公式だけ渡されてもどう使ったらいいのかがわからないでしょう。

まずは教科書や参考書の例題を使って、どのように公式を使っているのかを知りましょう。物理公式のポイントの一つに、公式を自然に使いこなせるようになることも含まれています。

基本的な使い方が理解できたら、早速ですが学校で配布されている問題集などを使って、練習を重ねていきます。問題によっては電場が問われたり電位が問われたり、静電エネルギーの導出も、 1/2CV21/2QVのどちらを使うべきかが問題ごとに違うので、より実践的な力をつけていきましょう。

では、レベルごとにさらに詳しい勉強法を見ていきましょう。

3-1. コンデンサをはじめて勉強する方

はじめて勉強する分野に関しては、どうしても必要な知識が欠落した状態なので、まずは知識を頭に入れるところからスタートします。具体的には、コンデンサの基本公式と問題の解法です。

ただしコンデンサの公式は先ほど挙げたものだけなので、インプットには極力時間をかけるべきではありません。教科書や参考書の例題で公式の使い方を確認したら、問題集を使ってどんどん問題を解いていきましょう。

もちろん間違えた問題には印をつけるなどして複数回取り組み、できるようになるまで完璧にしておきましょう。

3-2. 定期テスト対策レベル

基本的な知識は一度学習済みのはずなので、教科書や参考書からやり直すことはせず、実際に問題を解きながら苦手な範囲を見つけ、一つずつ克服する方法がいいでしょう。

学校によってプリントから出題されたり、付属の問題集から出題されたりと様々だと思いますが、受験のことを考えると学校で配布される問題集の問題をほとんどすべて解ける状態にしておくことが理想的です。

3-3.センター試験対策レベル

数学は「難しい問題を短い時間で正確に解ききる力」が問われるのですが、物理は時間もそこまで厳しくありません。十分ゆっくり時間を使っても間に合うでしょう。

そのため、二次試験で物理を使う受験生はセンター試験用の対策は必要ありません。二次試験の勉強がそのままセンター試験の勉強にも生きてきます

二次試験で物理を使わない受験生は、センター試験対策をするのが無難でしょう。おすすめの問題集を紹介しておきます。

3-3-1. チェック&演習 物理


センター物理の対策は、この問題集で間違いありません。問題数も十分に収録されていながら薄いため気楽に取り組むことができ、10日間ほどで完成させることができるでしょう。

また、問題も過去のセンター試験から引用されているので、実際のセンター試験ではどんなレベルの問題が出題されるのかを掴みながら、実力をつけていくことができる良書です。

3-4.二次試験対策

このレベルの対策をする際に、「公式を覚えている」「学校で配布される問題集は9割近く解ける」という状態が前提です。やはり二次試験で出題される問題は、定期テストやセンター試験の問題よりも1段も2段もレベルが高いです。

また二次試験では、これまでに見たことがない設定の問題が出題されることもあり、自分で考える力も問われます。

そういった力は学校で配布されている問題集ではつきづらいので、受験用のやや難易度の高い問題集を繰り返し解き直すことをおすすめします。

3-4-1.名問の森


受験のやや難易度の高い問題集として鉄板の、名問の森をおすすめします。

他にも難易度が高めの物理問題集はありますが、その中で微分積分を使っているものが多いです。もちろん物理の本質は微分積分なしでは語られないので仕方ないのかもしれませんが、高校の授業で教わらない分馴染みも薄く、何より微分積分を使わなくても問題が解けるように作られているので、無理して微分積分に手を出す必要がありません。

その点、名問の森は高校物理の延長線上で解説をしてくれており、力がつきやすいです。どうしても微分積分での物理を学びたければ、これを完璧にした上でやるようにしましょう。どちらにしても微分積分を使った物理はおすすめしません。

4.まとめ

今回は、コンデンサの勉強法を紹介してきました。コンデンサの問題は、他の電磁気学の問題と比べて簡単な傾向があるので、出題されたら確実に点を稼げるようにしておきたいところです。

ぜひ今回紹介した内容を参考にして、コンデンサを得意分野にしてしまいましょう。

著者情報

究進塾 編集局

究進塾 編集局
東京・池袋にある究進塾の編集局です。受験指導のプロが大学受験に役立つ情報をお届けしています。 大学受験対策コースはこちらからご覧いただけます。
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