世界史が苦手な人へ!無理せず知識を定着させていく世界史の勉強方法
世界史は、高校になってほぼ初めて目にするものであり、また、日本史のようになじみのある科目ではないので、苦手とする人は多いのではないでしょうか?
加えて、高校世界史は覚えることが多く、それができないと、その先のテストや入試での応用に取りかかれません。それゆえに、それらを一生懸命覚えようと躍起になって分厚い問題集の1ページ目から勉強しようとしてないでしょうか?
しかし、途中で覚えきれず挫折して、結局苦手は克服できずにいる…なんてことになっていませんか?
もしそのようになっているのであれば、世界史の知識をなんとか全部覚えきろうなんて考えて、無理をしている可能性があります。勉強は無理をしてもうまくいくことはありません。
では、いかに無理をせずに世界史の知識を獲得していくか?
それは、段階に分けて、ステップアップ方式にすること。
勉強を2段階に分けて、多量の知識を一度に取り込もうとせず、まずは教科書の太字になっており、その単元で重要になることだけを覚える。
そして、それが終わり次第、その他の知識を覚えていくという2ステップを踏むことです。
できれば最後に確認として世界史の教科書以外の本を読んでみて、知識の定着度を確認しましょう。
今回は、この2段階に分けて知識を覚えていくための勉強方法に関して、詳しくお話していきたいと思います。
1.知識定着の方法(第一段階)
この第一段階は、教科書に太字で書かれており、その単元で絶対にこれだけは覚えて置こう!という知識を頭に入れる段階です。
そのため、世界史の知識の全部を勉強するのではなく、「基礎の部分をまずは記憶しましょう」ということです。
ここで、紹介したいのは2つの問題集
『ツインズマスター』
『世界史重要用語&演習』
この2つを挙げた理由としては、1ページあたりの問題個数は15~20問程度と少なく勉強が非常にしやすいからです。無理なく勉強を続けるのにちょうどよいのです。
また、教科書の太字でこれだけは覚えよう!という知識がメインとして問題にされているので、最低限のことはここでしっかり覚えられるというのもあります。
◆特徴
『ツインズマスター』
見開き1ページで1テーマ(例えば、ウィーン体制の成立)となっており、右ページに20問程度の一問一答(これだけは覚えようというレベル)と解答スペースが用意されています。右ページの設問を解くだけで、1テーマの勉強が終了します。時間としても10分程度でしょう。
『世界史重要用語&演習』
同じく見開き1ページで1テーマです。
しかし、設問は左側に15問程度の一問一答(これだけは覚えようというレベル)があります。そして右側には演習問題(大学入試問題レベル)が用意されています。演習をやるかやらないかはどちらでもOKです。
◆使い方
使い方はいたってシンプル。設問に答えるだけ。
しかし、答えの丸つけをしておしまいにしてはいけません。分からなかった問題や間違っていた問題には色ペンで☆印でもつけておきましょう。
また、正解したけど漢字がしっかり書けるか不安であったり、記憶があやふやなものには△印をつけておきましょう。
そして必ず翌日以降に復習をしてください。1ページの問題数は少ないので、2~5分の隙間時間に出来ます。
2.知識定着の方法(第二段階)
この段階は、第一段階で勉強した知識以外の部分を身につける段階です。第一段階である程度は頭に入っているので、この段階で獲得すべき知識量は絞られています。
そのため、第二段階は第一段階で勉強したこと以外に着手することに特化して勉強すればOKです。
ここで紹介したいのはこの3つの問題集
『スピードマスター』
『山川 一問一答世界史』
『世界史B一問一答【完全版】2nd edition』
これらを挙げたのは、世界史の知識が網羅されているからです。第一段階で身につけた知識以外をここでしっかりと勉強できます。
◆特徴
すべて一問一答集です。そして第一段階で挙げた問題集よりも問題数が多いです。1テーマが数ページにわたります。
そのため、覚えるべき事柄は一気に増えます。高校世界史の知識が全部詰まったものと考えてもいいレベル(「これだけは覚えようというレベル」と「それより上のレベルの混合」)です。
◆使い方
ノートに手書きで問題の答えを書くというスタンスでいいと思います。第一段階でやった問題は×印をつけて「これはやらなくてもいい」としておいて(そのようにしないで一緒に勉強しても可)、新出用語の問題にだけ色ペンで○印をつけて、そこだけを勉強しましょう。
そして、間違えたり不安の残ったりした箇所には同じく、☆や△印をつけて必ず復習をしてください。
3.知識の確認と定着をはかる方法
ここで紹介したいのはこの2つの問題集
『ナビゲーター世界史』
『最速で身につく世界史』
この2書は世界史の教科書よりも詳しい読み物です。これらを取り上げたのは、世界史の知識が、第一段階と第二段階を経てきちんと身になっているかを確認するためです。世界史の知識が習得できていれば、読み物を読んだときに、内容が頭に入ってくるはずです。
逆に、読んだときに理解ができないという場合は、知識の習得があやふやである証拠です。
◆詳細
『ナビゲーター世界史』
この本は、世界史の教科書よりも詳しく歴史が書かれています。世界史の知識が頭に入っていれば、「そうなのか!」と驚きを受けながら読んでいくことができるなかなか読んでいて楽しい参考書です。
『最速で身につく世界史』
これは、世界史のトリビアがたくさん記載されている参考書です。しかし、これをすんなり読みこなしていくにはやはり用語がきちんと頭に入っていることがなにより大事です。
第二段階を終えると、高校世界史の覚えるべき事柄はほとんど頭に入ったことになります。そこで、読み物を読んで、分からない用語がないかを確認しましょう。加えて、「そうなのか!」と歴史を楽しむような観点で記憶の定着強化を図りましょう。
読んでいる最中に、「あれ?なんだっけこれ?」と疑問に思う用語が出てきたら、それが覚えられていない用語です。それが見つかった際には、すぐに確認をしましょう。
※ここで大事なのは「覚えよう!」と意識をしないこと。あくまで、読み物として読むというスタンスで。あくまで、定着を確認するためなので。
◆使い方
通学途中の電車やバスの中で読むという形でOKです。勉強するというよりも読書するに近いので、隙間時間を見つけて、近代のところから読み始めるなど好きなように読んでいて構いません。気持ちも「勉強しよう」と力まず、普段本を読んでいる時の様子で読んでください。
4.まとめ
世界史が苦手という人は、いきなりあれもこれも覚えようとムリをせず、段階を踏んで勉強を進めていきましょう。
まずは、基礎となるところからしっかり覚えるということに徹しましょう。それが出来上がってきたら、その上のレベルの用語を覚えることに重点を当ててください。
さらに、それも出来上がったら、世界史の知識は頭に入ったことになります。
そして、知識の定着を確かめるために、読み物を読んで抜けを確認したり、「そうなんだ!」と歴史を楽しむようにしたりして、世界史の知識をハイレベルの状態に固定しましょう。