「時間が足りない!」を解消!センター英語の勉強法と解答テクニック

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英語の成績はある程度あるものの、センター英語で躓いている人が口を揃えて言う言葉です。大問4あたりで時間が無いことに気付き、大問5は焦って頭が回らず、大問6はマークシートの色塗りゲーム。点数は半分もいかずに散々な結果に。

しかし、悲観する必要はありません。
勉強方法を少し変えるだけで、「時間が足りない問題」は解決します。

これからその勉強法についてお話をしていきます。

1.「時間が足りない」と感じるのは良いこと!

時間が足りずにセンター英語が半分しか取れない方は、まだ本番までには間に合います。そもそもある程度の知識を持っていないと、「時間が足りない問題」に直面しないからです。一度制限時間なしで問題を解いてみましょう。それで7割前後とれていれば、しっかりと英語を勉強してきたと言えるでしょう。

それでは、なぜ時間が足りなくなるのか。

それは知識が中途半端である故に「捨て問」が出てこないからです

英語が苦手な方は、分からない問題をどんどん飛ばしますので、「時間が足りない問題」に直面しません。高校時代に英語をしっかりと勉強してきた人は「全てが時間さえかければ解ける問題」ですので、「捨て問」ができず、時間がかかってしまうのです。

「時間が足りない」ことは英語をしっかりと勉強してきた証拠だと考えましょう。

2.広く浅い知識が一番危険!

「英語の苦手なはずの友人が自分よりも高い点をとった。」

これはセンター英語ではよくある現象です。知識の量よりも処理の速さを重視するセンター英語では、問題を解くのが遅い人は足元をすくわれます。センター英語で必要な知識を9割以上持ちながら、その9割を出し切る前に、半分くらいで時間切れになる人の点数は結局100点前後です。

6割程度しか知識がなく、残りの4割を捨て問とし、6割を確実に解く為の時間に回す人の方が良い点数がとれます。

センター英語の問題数は50~60問です。長文を読む時間を考えると、制限時間80分の中で全ての問題を解く為には1問あたり長くても1分が制限時間です。1分以上かかるような問題は捨てるのが定石です。

しかし、「時間をかければ解ける問題」はなかなか捨てきれません。また、ほとんどの問題が「時間をかければ解ける問題」でしたら、ほとんどの問題が捨て問になってしまう可能性があります。

つまりいくら知識が広くても、それを駆使するスピードがなければ、逆に広い知識が仇となり、本来の力が発揮できなくなるのです。

3.問題を速く解けるようにする英語の勉強法

さてここからが本題です。どのように勉強すれば問題を速く解けるようになるのでしょうか。

一言で言いますと「即答できるまで知識を定着させる!」です。

そもそもセンター英語の問題は、キチンと知識を定着させていれば即答できる問題ばかりです。問題を速く解けないのは気持ちや根性論の問題ではありません。知識をキチンと定着させていないところに問題があるのです。

3.1 定着させた知識とは

定着させた知識とは、つまり「掛け算九九のように反射的に答えが出る知識」ことを言います。

普段単語を覚えているときどうされていますか?大抵の場合、単語カードや赤シートなどを使い、覚えた単語をリストから除外しながら、覚えてない単語だけを重点的に繰り返し覚えていると思います。

このやり方は効率上間違ってはおりません。

しかし、「除外した単語」は本当に定着した単語なのかを今一度確認してみましょう。英単語を見た時に「えっと、これは・・・あぁあれか。よし覚えていた。これはクリア!」と、日本語訳を思い出すのに数秒かかった単語も、覚えるリストから除外していませんか。

これをセンター試験に置き換えてみましょう。センター英語の英文は、全部で4000~5000単語あります。仮に全単語数4200単語の試験ですと、単語を見て意味が浮かぶまでの時間がコンマ1違うだけで、420秒、つまり7分間の時間が節約できるのです。7分あれば大問4のパラグラフリーディングは充分解けます。

センター試験では覚えている知識を即答できる段階まで研ぎ澄まさなければなりません。英単語を見て掛け算九九のように意味が出てこなければ、定着した単語として見なしてはいけないのです。

3.2 単語を定着させる勉強法

単語を見てすぐに意味が浮かばなければ、定着しているとは言えないと述べましたが、そもそも定着させるには、どうすればよいのでしょうか。

それは、「即答できるまでひたすら繰り返す」ことが重要です。一見非効率的に見えますが、「覚えては忘れる」の繰り返しで、やっと人の脳に知識は定着していきます。しかし、これは勉強に限った話です。

もともと人の脳は良く出来ていて、必要だと思った情報は一度で覚えられるようになっています。自分の趣味については、わざわざ紙に繰り返し書かなくても1発で覚えられますよね。特に記憶術に工夫を凝らさなくても、すんなり頭に入るのです。

また、一度覚えた知識は一生忘れることはありません。勉強もそのように覚えられれば良いのですが、なかなかうまくいきません。いくら「必要な知識」と言い聞かせても、苦痛の伴う勉強では、時間が経つにつれて作業化していき、単語カードを全てめくるのが目標になってしまいます。覚える意志がなければ、紙に繰り返し書こうが、様々な工夫を凝らそうが頭に入って来ません。

ここで、頭を強制的に「覚える態勢」にしなければならないのです。

その時に効果的なのが「ただひたすら繰り返す」ことです。人間の脳は「4回忘れると覚える態勢に入る」と言われております。逆に言えば「1~2回覚えてもどうせ忘れる」とも言うことができます。

英単語をいくら紙に何十回も書いて覚えたとしても、一時的には頭に入るものの、またすぐに忘れてしまうでしょう。かろうじて頭の片隅に残っていたとしても、思い出すのに数秒かかっていては、試験では使い物になりません。

忘れてしまってもめげずに、即答できるまで何度も覚え直す。これを継続させていけば、いずれは掛け算九九のように単語が定着していくでしょう。単語を定着させる為には、裏紙に書くなどの方法論よりも覚え直した回数が重要になります。

3.3 過去問を何度も解き直す

様々な受験参考書に書かれていることですが、「過去問を何度も解き直す」ことの目的は、単に問題形式や時間配分に慣れることだけではありません。出題者が受験生に何を解かせたいのかを把握する目的もあります。

これはセンター英語以外でも言えることですが、センター試験で高得点を取る人は「なんだ。またこの問題か」という気持ちで問題を解いています。「どんな問題かな?」と思いながら解いている人とはここで時間的に大幅な差が出て来ます。 

例えば、大問2の文法問題で

1.to  do  2. doing  3. done  4. did

があり、選択の前にstopがあった場合、慣れた人は「stop to do とstop doingの違いを問う問題」と見た瞬間に判断します。その時点で3と4を除外し、stopが「立ち止まった」のか「動作を止めた」のかの判断だけついたら、1か2を選ぶ。このような解き方をします。時間で考えると10秒もかからないでしょう。

センター英語の試験時間も、このような解き方ができる人用に制限時間を設けています。左から全ての英文を読んで、問題を吟味する人用には作られていないのです。

過去問を繰り返し解く場合に、もっとも注目すべき点は、単語や文法の解説よりも、「どのようなことを聞いてきたのか?」です。センター試験には奇問はなく、聞く内容も決まっています。

どのような問題が出てくるのかを把握しているだけで、時間短縮と点数アップの大きな力になります。

そして、問題演習も単語と同様、即答できるまで何度も繰り返す必要があります。「頭をフル回転させて、なんとか解けた」で終わらせてはいけません。「分かる問題は即答。分からない問題は即捨てる」が定石のセンター試験では、中途半端に分かっている状態が1番危険です。時間をかければ分かる問題はなかなか捨てきれず、時間切れの原因となります。

即答できなかった問題は分かってなかったとみなし、即答できるまで繰り返しましょう。

4.問題解答のテクニック

持っている力を最大限に発揮するためには、解答テクニックも必要です。

始めに断っておきますが、解答テクニックは実力以上の力を出すわけではありません。テクニックに頼り過ぎていても点数は当然上がりません。解答テクニックは持っている知識を確実に点数につなげる為の技術です。

まずは基礎知識がしっかりしてこそ活きるものです。それでは、これからセンター英語を時間内に解く上でおすすめのテクニックを紹介します。

4.1. 解く順番を工夫する。

もっともメジャーなテクニックです。

大問1から6を順番に解く人もいますが、時間が足りない人、ぎりぎりに終わる人にはおすすめできません。センター英語で最も重要な大問は第6問です。

できれば大問1で緊張がほぐれた後は、すぐに大問6に移った方が良いです。これは過去問などで、点数配分を見ると分かると思います。大問6は一問間違えるだけで6点も失います。センター英語のデキは大問6のデキで決まると言っても過言ではありません。

しかし、時間がないという理由で、大問6をほとんど解かず、マークシートの色塗りゲームになっている人もいます。これはかなり勿体ないです。また、時間が迫っているときと余裕があるときでは、頭の回転もまるで変ってきます。

落ち着いて解くべき大問(4, 6など)を先に解き、時間が迫って焦っていても解ける大問(1,2,5など)を後回しにするなど、解く順番を工夫するだけで点数が変わります

4.2. 選択肢を先に読む

これもセンター英語長文読解には必須のテクニックです。

選択肢を読んで、どのような内容の長文かをある程度予測します。さらに、選択肢の5W1Hに注目し、長文のどの部分を拾うのかをチェックします。問題に関係のないところは斜め読みで軽く読み飛ばします。

この方法は、慣れるまではかえって時間がかかる解法になりますが、(資格試験・公務員試験など)今後どの試験を受ける上でも必須のスキルになりますので、受験勉強を機に身に付けていた方が良いでしょう。文章を全部読んで、問題に移る方法はおすすめできません。センター英語では読み返しはタブーです。できれば、日本語訳をする為の返し読みさえもするべきではありません。

「一発で読んで一発で解く」が定石です。その為にも、「選択肢を先に読む」解法は今から訓練しておいた方がよいでしょう。

4.3. 一般教養を深める

ある意味、英文読解には最も重要な能力となります。単語力・文法力よりも、教養の広さ、深さの方が英文を読む上での大きな助けになります。翻訳業界でも、英語の資格を持つ人より、専門知識を持つ人の方が優遇されるほどです。

センター英語で高得点を取る人は、大問4のディベート文・論説文はほとんど斜め読みでこなしています。読まなくても大方何が書いてあるかが予測できるからです。

環境問題に関するディベートで例に挙げますと、センター英語熟練者は「人類の発展と環境の保全を秤にかけた議論が行われ、最終的に『持続可能な開発が必要だ』で帰結するだろう」と、最初から話の内容が予測できています。

さらに言うなら、「第一問目は『環境を守る為に人間は開発を自重すべきだ』の選択肢が正解で、第二問目は『私たちの生活の為にも開発は必要』が正解で、三問目は『持続可能な開発が必要』が正解になるだろう」と、ここまで予測できています。あとは予想とずれた点を修正するだけで良いのです。速い人はこの膨大な量の長文問題をたったの5分で解くことができます。

一般教養は、受験勉強や普段の生活の中で自然に身に付くものですので、特に一般教養を深める為の参考書などは必要ありません。ただ、日ごろから新聞を読むなどして、時事問題に対して興味を持った方がよいでしょう。

国語にしても英語にしても、本文を読む前に、大方どのような話がされるのかを予め予測しておくことは非常に重要です。長文読解はあくまでも一般常識から外れていないかの確認作業です。「長文を読むことによって初めて知識を得た」ということが本番ではないようにしましょう。

5.まとめ

「問題を解くのが遅い」と嘆く人は多いと思いますが、「急いで解く」を心掛けてもスピードは上がりません。根性論ではなく、具体的にスピードを上げるための工夫をしなければなりません。

センター英語を勉強する上で最も大事なことは「即答できるまで繰り返す!」です。分かっている単語、解ける文法問題なども、反射的に答え・解法が浮かばなければ、分かっていないものとし、何度も繰り返すことが重要です。

著者情報

究進塾 編集局

究進塾 編集局
東京・池袋にある究進塾の編集局です。受験指導のプロが大学受験に役立つ情報をお届けしています。 大学受験対策コースはこちらからご覧いただけます。
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