記憶に残りやすく2次試験にも使える世界史の勉強方法

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普段、みなさんは世界史を勉強する時に、単語・年代を一つ一つ穴埋め問題や赤シートで隠して勉強することが多いのではないかと思います。それも一つの勉強方法ですが、それだけだと忘れてしまったときに思い出す手がかりがなかったり、また論述への対策が具体的にできなかったりとお手上げ状態になるのではないでしょうか?

世界史は我々日本人にとってはなじみが薄い科目です。そのため、記憶をしっかり定着させるのにものすごい時間と労力がかかってしまうなんてことはないでしょうか?

勉強は世界史だけをしていればいいわけではありません。英語や国語、数学などにも時間を割かないといけません。ましてや、大学受験の2次試験で世界史の論述をしなければならないとなるとかなり効率のよい勉強をしていく必要があります。

そこで、記憶に残りやすく、2次試験にも通用する勉強方法である、出来事を箇条書きにして、その関連性を見いだす勉強方法をお話したいと思います。

1.出来事を時代が新しい方から箇条書きにする

ある時期からある時期までの出来事を、教科書を見ながらでいいので、出来事を時代が新しい方から順番に、列挙していきます。

なぜ箇条書きを時代が新しい方から書くのかというと、理由は二つあります。

一つは、歴史の流れを整理したり理解しやすくしたりするため。

もう一方は、時代が新しい方の出来事はその前の時代からの影響を受けて、その結果になっていることが多いので、出来事の関連・つながりが把握でき、覚えやすいという点。また合わせて、論述試験で出来事の関連性を聞いてくることがありますので、その対策になり得るという点があるためです。

例えば、カールの戴冠からゲルマン人の大移動までのヨーロッパ中世期前半を箇条書きにしてみましょう。また、分かる範囲でいいので年号も書いておきましょう。

1.教皇レオ3世よりカールが戴冠を受ける(800年)
2.カール、イスラームやアヴァール人から西ヨーロッパを防衛
3.ピピンが返礼にランゴバルト王国を攻撃。ラヴェンナ地方を教皇に寄進
4.ピピンがカロリング朝を建国。教皇がそれを認める(751年)
5.トゥール=ポワティエ間の戦い。カール=マルテルの活躍(732年)
6.ビザンツ皇帝レオン3世「聖像禁止令」を発布(726年)
7.フランク王国(メロヴィング朝)、ブングルド王国を滅ぼし、ガリア統一
8.クローヴィスがメロヴィング朝を建国(481年)
9.オドアケルにより、西ローマ帝国滅亡(476年)
10.カタラウヌムの戦い(451年)
11.フン人の王、アッティラによるヨーロッパ進撃(5世紀前半)
12.ゲルマン人の大移動(375年)
13.フン人のゲルマン人圧迫(4世紀後半)

ざっくりと書きましたが、このような形になります。

2.出来事の間にある関連性を見いだす

箇条書きが終わったところで、今度は、前の時代と後の時代の出来事の間に関連性を見いだしてみましょう。出来事を一つ一つ何の関連もなく覚えるのは苦ですが、そこが見えてくると覚えるのも楽になっていくはずです。

一つ例を挙げてみましょう。
「ピピンと教皇のとのつながり」

箇条書きを見ていて、気づいた人がいるかと思いますが、ピピンのころにいきなり教皇が登場しています。

つまり、「ピピンが返礼にランゴバルト王国を攻撃。ラヴェンナ地方を教皇に寄進」と「ピピンがカロリング朝を建国。教皇がそれを認める(751年)」との間には、何かしらのローマ=カトリックとの関連があるのではないか?と考えられるわけです。

そこを考えることはとても重要です!

では、その関連を見てみましょう。

726年にビザンツ帝国で「聖像禁止令」が出ていますね。ところが、ローマ=カトリックは聖像を用いてキリスト教の布教をしていました。当然、ビザンツとローマ=カトリックは同じ宗教を扱っていたとしても、聖像がきっかけで対立するわけです。

しかし、ローマ=カトリックは西ローマ帝国滅亡後、確立された国家に守られることがあまりないまま、ビザンツ帝国と対立してしまったのです。

そこで、ローマ=カトリックは保護者が必要だったのです。そんな時に、フランク王国が勢力を拡大していたので、この王国に保護をお願いしたという訳です。だから、教皇がピピンのカロリング朝建国を認め、その返礼にピピンがラヴェンナ地方を寄進したのです。

「ピピンが返礼にランゴバルト王国を攻撃。ラヴェンナ地方を教皇に寄進」と「ピピンがカロリング朝を建国。教皇がそれを認める(751年)」との間には、

出来事と出来事との間にある関連性を考えながら世界史の勉強していくのはとても重要なことです。そして、ある程度考えた後に教科書を見てみるといいと思います。教科書にも関連性が書かれている場合もあります。ちなみに、そういうことを自分で考えて答えを出すというのは、論述問題で要求されるので、そのまま論述問題への対策にもなります。

3.重要なこと

世界史は高校に入ってはじめて勉強する科目なので、小学校や中学校からの予備知識がありません。一から、記憶を定着させないといけないのです。また、2次試験での論述にも対応しなければならないとなれば、効率のよい勉強の仕方が必要になってきます。

そのため、記憶に残りやすく、2次試験にも通用する勉強方法が求められます。それが、出来事を箇条書きにして、その関連性を見いだすという勉強方法なのです。

人間は関連のないものは覚えられません。しかし、あると覚えられます。なので、仮に忘れてしまっても、出来事どうしのつながりを意識した勉強をしていれば、とある出来事を忘れてしまっても、その前後の時代の出来事とのつながりから思い出せる可能性があるのです。だから、「教皇によるピピンの建国の容認(751年)」を忘れたとしても、「ピピンのラヴェンナ地方の寄進」を覚えていれば、思い出すことは可能なのです。

また、世界史の論述となると、時代の流れや出来事の背景を問う問題が出題されます。そういった問題にも早いうちから対策を立てられるようしておくためにも、出来事のつながりを意識して勉強することは得点を取るための重要な試験対策になるのです。

4.まとめ

世界史だけに勉強の時間を割いている訳にはいきません。効率的にやる必要があります。また、2次試験で論述をしなければならないという人ならなおさらです。論述は出来事の流れやつながりを問う問題が出題されます。

一問一答だけでなく、こういった問題にも対応できるように、出来事を箇条書きにして、歴史の流れだけでなく関連性も理解しておきましょう。これが世界史を勉強する上で大事な勉強方法なのです。

著者情報

究進塾 編集局

究進塾 編集局
東京・池袋にある究進塾の編集局です。受験指導のプロが大学受験に役立つ情報をお届けしています。 大学受験対策コースはこちらからご覧いただけます。
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