トタンとブリキ、さびに強いのは?

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

トタンとブリキ、さびに強いのは?

さて、今日は前回のつづきです。

トタンとブリキ、水に触れたとき、さびにくいのはどっち?

前回の復習をしておくと、
トタン鉄板亜鉛をめっき
ブリキ鉄板スズをめっき

という違いがありました。

金属のイオン化傾向というのがありましたね。

「貸そうかな、まああてにすんな・・・」のゴロで覚えるやつです。

それを思い出すと、

亜鉛(Zn)>鉄(Fe)>スズ(Sn)

という順番になります。

イオン化傾向=溶けやすさ(反応のしやすさ)

と考えていいわけですから、

さびやすいのは、トタン
さびにくいのは、ブリキ

傷がつくまでは確かにこれは正しいんです。

ところが、傷がつくとこれが逆転してしまいます。
トタンの方が強くなるんですね。

なぜか?
図を描いて考えてみましょう。

まずはトタンから行きますよー。

化学ゴロ

傷つく=メッキがはがれる、ということです。
そこで、鉄が現れるわけです。

そうすると
鉄と亜鉛の両方が水にさらされることになります。
どちらが先に溶けますか?

亜鉛(Zn)ですね。
鉄が溶けるのは、亜鉛が溶けた後になる。

一方、ブリキの場合はどうでしょう?
こちらも図を見ながら説明して行きましょう。

化学ゴロ

鉄とスズの両方が水にさらされます。
どちらが先に溶けるか?というと

鉄(Fe)ですよね。

ということで、傷ついてから強いのはトタンでした。

トタンはどういうところに使われるか、というと屋根バケツなど傷つきやすいもの

一方のブリキの用途は、というと、缶詰めの内側
これは
①缶詰めは開けるまでが勝負、という点
②スズは人体に害が少ないという点
が理由です。

というところまで覚えておきましょう。

著者情報

並木 陽児

並木 陽児
大学受験の化学を教えています。趣味は読書と野球観戦(ベイスターズファン)、カレー食べ歩き、子供の遊び場開拓。
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

コメントをどうぞ

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください