あなたは大丈夫?医学部の面接対策で最低限知っておきたいこと

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医学部の入試には面接試験があります。不安に思う高校生も多いでしょう。さっそくですがこちら。

東大理3入試、面接復活 18年から 医師適性見極め
http://www.asahi.com/articles/ASJ3B4H8GJ3BUTIL014.html

これは朝日新聞のとある記事の見出しです。

ご存知の方も多いかもしれないですが、2018年から東大理科三類の試験科目に面接が復活します。現在面接を課していない医学部は九州大学と東京大学のみ。今回の理三面接復活によって九州大を除く全ての医学部で面接試験が必要になります。東京大学によれば“筆記試験による学力だけでなく、医師にふさわしい資質があるかを多面的に見極めるため”に面接試験を加えるようです。

皆さんの中に医学部受験を考えている方が多いでしょう。医学部を受けるなら面接を避けては通れません。

ますます注目が集まる面接試験をどう乗り切るか、これが医学部入試合格のキーポイントとなることは間違いないでしょう。まだまだ先のことだと思って侮ってはいけません。今回は医学部面接の攻略法をあなたにお伝えします。今から受験本番を見越してしっかり対策しておきましょう。

0.なぜ面接をするのか?

前提の話をしましょう。なぜ医学部入試では面接をするのでしょうか。上には“医師にふさわしい資質があるかを多面的に見極めるため”とありますが、たった数分の面接で医師の適性を見極めることができるでしょうか。普段は医師として、教授として働く一日面接官がはたして受験生を正しく多面的に評価できるのでしょうか。

答えはもちろんノーです。これは東京大学だけの話ではありません。面接試験はどの学校も似たり寄ったりで、ほとんど形だけ実施しているような大学も少なくありません。

それではなぜ面接をするのか。それは医師になる上で明らかに不適切な学生を排除するためです。簡単に言えば明らかに普通の精神状態でない学生を面接試験でふるい落とすためなのです。受け答えがおかしい、キョロキョロしている、思想に極めて偏りがあるなどといった状態です。

残念ですが、重い精神疾患がある人が現在医師になることはきわめて難しいです。
興味のある方は“医師 欠格条項”で検索されることをおすすめします。

裏を返せば、面接自体で受験生に順位をつけたり顔や態度を過大に評価したりといったことはありません。ただ「ふつう」にしていれば良いのです。ふつうにしていて落ちることはありません。最初に書いた内容と矛盾するようですが、なんといっても一番大事なのは筆記試験です。筆記試験でほぼ100%決まるといっても過言ではありません。

それでは面接でどうしたら落ちないか。ふつうでいられるか。これに絞ってまずは面接の基本から見ていきましょう。

1.面接の基本

1-1.服装

現役生は原則、制服を着用しましょう。浪人生や制服がない高校に通学している場合はスーツにネクタイが無難です。履歴書や自己アピールになるものを持参するように求められる学校もあります。志望校の受験に必要なものを事前に確認しておきましょう。

1-2.面接の流れ

「失礼します」といって部屋に入り、面接官の指示を待ちましょう。座るような指示があると思うので、それを待って座ること。

形式は学校によって異なりますが基本は何人かの面接官から順に質問され、それに答えていく形式です。本番は必ず緊張しますが、周りをキョロキョロしたりせずに自信をもって「ふつう」を心がけてください。なるべく大きな声で相手の鼻を見るイメージで面接官と話をするとよいでしょう。

「それでは以上で面接を終わります」と言われたら必ずお礼を言って席を立ちましょう。退室するときは面接官に背を向けず扉を閉めること。このとき再び「失礼します」を忘れずに。

2.よくある質問

2-1.医師を志望する理由

なんといっても最頻出はこの質問でしょう。お金のため、ただかっこいいから、偏差値が高いからなどの理由もあると思いますがこれらを素直に答えるのは避けた方がいいでしょう。

1. 自分がお世話になった先生に憧れた
2. 家族や親戚、友人を助けてもらった
3. マンガやドラマの影響を受けた

これらが当たり障りのない返答でしょう。
特に理由が思いつかないという人は上の中から選んでエピソードを考えておくとよいでしょう。

面接官の経験のある教授もこれで良いとのことでしたので心配ないでしょう。

2-2.この大学を志望する理由

なぜこの大学なのか?上よりも少し具体的な話になりました。
偏差値や学費の話は避けるのがベターです。

その学校がアピールしていることをベースに答えると心象がよいでしょう。
自分の志望校のHPは必ず確認しておきましょう。

このときHPに書いてあることをそのまま丸写ししてしまわないように気をつけましょう。
実情を知らない部外者であるということを自覚しながら参考にしましょう。

思いつかないというひとは、昔から憧れがあったその学校の学生の印象が非常に良かったなどと当たりさわりのないことを言って流してしまうのも1つの手です。

2-3.自分の短所・長所

就職活動の面接でも同じことが言われますが、
自分の短所として挙げるときにあからさまな短所は避けること。例えば、怒りっぽい整理整頓が出来ないという短所は避けましょう。

自分がふつうであることをアピールするための面接で正直に自分のウィークポイントを言うのはむしろマイナスです。
一見短所に見えて長所ともとれるようなことを述べるようにしましょう。

例:我慢しすぎてよく溜め込んでしまう、集中しすぎて周りが見えないことがよくある

長所は素直に答えてください。無理に謙遜して長所はありませんというのはNGです。
少ないアピールポイントですのでなるべく具体的に答えるのが良いでしょう。エピソードがあると話が膨らんでなお良いです。

2-4.最近の気になるニュース(一般/医療系)

こちらの質問も意外とよくあるようです。
社会に目を向けているか普通の話題を丁寧に話すことができるかを試しているようです。

なるべくテロや政治の話は避けるべきです。
気になるニュースもきわめて普通な平凡のもの(スポーツ、音楽、テクノロジー、経済)で構いません。
極端な思想の持ち主ではないということをアピールするために過激なニュースや意見は控えましょう。

出来れば一般的な話題医療テーマに沿った話題の二つを用意するとよいでしょう。
せっかく医学部を受験するのだからと難しいテーマを選ぶ必要はありません。
相手は専門家です。
分からないことははっきりと分からないと答えてください。
無理に知ったかぶりをするとマイナス評価につながるので要注意。

2-5.高校生活について(得意科目、苦手科目、部活動、趣味)

高校生活について聞かれることも多いです。
自分がいたって普通の健全な高校生活を送ってきたことを伝えるのがここでのポイントです。
趣味などもあまりにマイナスに取られないような読書、運動、楽器などが無難でよいでしょう。

頑張ってきたことは素直にアピールして構いません。

高校生活についてあまり話すことがなければ大学に入ってやりたいことにつなげて話すのもよいでしょう。

・先生が嫌いだったから苦手です
・学校があまり好きではなかったので部活動は特にしていません

このような回答は好ましくないでしょう。

あくまで普通な高校生で勉強が出来て、性格も温和で友だちも多くなにより真面目であることが面接官に伝えられれば完璧です。

3.医療テーマについて

大学によっては医療テーマについて受験生に意見を聞くこともあります。
時間を見つけて基本となるテーマは押さえておきたいところですね。
医療に関心があって異常な思想を持っていないかどうかがここでのチェックポイントになります。
思っていても過激な発言は避けるのがベターでしょう。

医学・医療概説(河合出版)

一冊購入して暇なときに読むとよいでしょう。
面接で問われるような全ての医療テーマを網羅しています。
意見を読むこと、そして自分でよく考えること。
これが面接には一番有効です。
まずは医学知識の導入として、医学部入学を考える受験生なら誰でも本書が必ず役に立つことでしょう。各大学の面接内容についての別冊付録も嬉しいです。

3-1.安楽死について

患者の自己決定権を尊重するために現代では患者の安楽死を受け入れる風潮が高まってきています。目の前で苦しむ患者さんを見て延命措置を取るのが果たして善なのか、悪なのか。この議論が尽きることは恐らくないでしょう。

賛否両論があるだけ、このテーマで受験生に意見を聞く大学は多いです。
医療テーマの中では最頻出といえるでしょう。

日本では積極的な薬の投与などによる積極的安楽死は認められていませんが、ベルギー、オランダ、スイスなど認可する国も増えてきています。

自分が医師になったら、自分の親族や友人、恋人が患者の立場となったら。
想像してみてください。
今思いつくことだけで構いません。
賛成か反対かの二元論で語ることは出来ないかもしれません。

それでも十分に考えた言葉であれば面接官も納得するでしょう。

上でも述べたように基本は「ふつう」です。
あまりに極端な意見はもちろんNGです。

3-2.臓器提供について

ここではまず脳死という言葉を知っておく必要があるでしょう。

脳死とは「全脳の機能が不可逆的に停止するに至った」と推定される状態です。

今までは単に死亡となっていたところが医療の進歩によって脳の機能だけがストップした新しい独特な状態が生まれたのです。脳死患者の脳は戻ることはないけれど、人工呼吸器によって呼吸をし、心臓も動き続けます。体温さえも維持されます。

けれどもやがて自然と心臓が止まって死んでゆく。

これが脳死の状態なのです。

この状態の患者から臓器移植をするのが脳死移植です。
これは臓器移植法でも認められています。

それではなぜ問題になるか。

それは脳死を「死」と見なすか否かに論点があります。
脳は動いていないけど心臓は動く、体温もある。

このような状態の患者から臓器を取り出すことは倫理的に正しいのだろうか。
これがこのテーマの最重要ポイント。

もちろん賛否両論のあるテーマです。
正解はありません。

想像力を働かせること、そして問題の背景をある程度知っておくこと。
これに勝る対策はないでしょう。

どの大学も医療倫理を最重視した教育へと転換しています。
人間味のある医者が求められる時代にどのような回答が適切なのか。

相手が求めることを答える、というのも面接では大事なテクニックのひとつです。

3-3.ガン告知について

ガンの告知だけではないですが、患者の知る権利を大切にする風潮が高まってきています。患者さんがどれだけ自分の病気を知るべきなのか、どれほどそれに耐えられるのか。
この問題もひとつ考えなければならない大事なテーマです。

上の2つと大きくちがうのが、全体として積極的に告知を行う流れになってきているということです。
絶対に知らせるべきではない、などと時代に逆行した極端な意見はここでは避けるべきでしょう。
ただし、無機質に告知をすべきではないしするときは必ず慎重に告知を行わなければなりません。

自分がガンの告知を受けたらどう思うか。
家族がガン告知を受けたらどう感じるか。

告知はすべきではない、という人の気持ちもしっかり理解してこの問題を深く考えて面接に臨んで欲しいところです。

4.まとめ

残念なことに面接だけで逆転することはほぼあり得ません。
筆記試験以上の重要性はありません。

何度も書いた通り、「普通」ではないひとを落とすための面接試験。

しかし、この面接をひとつのきっかけとして医療が抱える大きな問題、そしてもっと言えば社会に目を向けることの出来る人間を今の医学部は欲しがっています。

人を見る医師が不足していると世間ではよく言われます。

医療技術の著しい進歩に人間が追いつけず、今の医師はどこかデータや知識ばかりを追い求めているような気がします。

患者さんの立場になれる医師
相手の気持ちを想像できる医師

そんな医師がこれからの時代ではますます必要になってくることでしょう。

医療の世界の大きなターニングポイントでもある現代に受験を迎える皆さん。

この時代に受験を迎えることをひとつの縁として
勉強の合間に少しでも、

将来自分のしたいこと
してあげたいこと

今一度考えてみることが一番の面接対策なのではないでしょうか。

長くなりましたが、以上です。

なるべく笑顔で、自信をもって丁寧に。
そして堂々としていればまず落とされることはないでしょう。
今は筆記試験の勉強を一番に考えて思いきり勉強に取り組んでください。
たまにこの記事のこと、面接のこと、医療のことを思い出してもらえると嬉しいです。

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