現代文二次対策の勉強法(読解力・記述力の上げ方)

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大学受験で各教科の学習を進めるにあたって、現代文の勉強法に限っては「こうやれば良い」という典型的な勉強法が存在しないように思います。

しかも毎日使っている身近な日本語ですから、ある程度は解けるだろうと言う事で、具体的にやる事も思い浮かばないため勉強を後回しにしてしまいがちです。

元々現代文が得意な人はそれでもある程度までは問題ありませんが、元々現代文が苦手、あるいは好きなのにどうしても高得点が取れない、という人にとっては、塾や予備校で授業を受けてみても一向に得点が上がる気配もなく、一体何をすれば良いのかと途方に暮れてしまう事と思います。

確かに現代文だけは他の教科と違い、演習時間に比例して得点アップするとか、わかりやすい解説を聞いたことで読解力が上がる、といった事は起こりません。

これは、現代文の特性を掴んでいない事によって起こることなので、今日はこの『現代文の特性』に観点を置いて、現代文の得点力を伸ばす勉強法についてお話ししてみたいと思います。

1.現代文は一体どうやったら伸びるのか(現代文の特性)

現代文はすなわち日本語で、私たち日本人にとって、生まれてからずっと付き合って来た自分の国の言葉で、最も馴染みがあり、全てその言葉を用いて情報を得ているといっても過言ではないでしょう。

そんななじみ深い言葉なのに、何故現代文が苦手で伸びない、という現象が起こるのでしょうか。

それは、

『現代文は言語なので、学問ではなく日常的に用いるツールなのである』

という事を理解していないからです。

つまり、他の教科のように学問として暗記・基礎の理解と練習・発展的な考え方の習得

といった作業を行う中で理解を深め演習を積んで得点を伸ばして行くものではない、という事です。

このように、現代文は学問ではないのですから、他の教科のように難解な出題をしようがありません。

また、公式や典型的な解き方、というものも存在しません。

それではツールとしての現代文という言語は、どうやったら伸びるのでしょうか。

その答えはただ、『使う』という事だけです。

ツール=道具ですから、毎日沢山使って、より上手く使えるようになるよう努力する事しか出来ないのです。

この『使う』事については、他の言語同様に場面が4つあります。

聞く・話す・読む・書く、の4つです。

基本的にはこの4つをバランスよく毎日せっせと『使う』事が必要になるのですが、中でも入試に際して求められる技能は読む・書く、の2つです。

ここでは大学受験の現代文という教科の得点力をどうやって伸ばすか、という話をしているので、特にこの2つの技能を伸ばす事に絞って話を続けて行きたいと思います。

2.一にも二にも、読解力をつける事に徹する

まず読む・書く、という2つの技能を伸ばす時に、同時にという訳には行きません。

赤ちゃんもそうですが、聞いて理解できるようになるのと、言葉を発して自己表現が出来るようになるのには時間差がありますね。

そう、言語と言うのは赤ちゃんだけでなく大人になってから覚えてもしかりなのですが、まずは耳から聞いて自分の中に言葉のバリエーションをインプットして行く必要がある訳です。

そうしてそのバリエーションがある程度揃った時に、今度はアウトプットの練習をし始めるのですが、焦らずインプットを丁寧にした方が、いったんアウトプットに移行した時に極めて完成度の高い表現力を持った言葉として発せられるのです。

そこでまず大切なのは、

『良い文章を沢山読んで自分の中にインプットする』

という作業を行うことです。

学問でなく言葉ですから、毎日この作業を行っていれば嫌でも作業時間は日に日に短縮されて行きます。

そしてそれは、他の教科の出題文の理解や参考書の理解⇒暗記、といった作業に割く時間も同時に縮めてくれるようになるのです。

よく、「塾や学校の宿題やその他教科の学習の時間を考えると、とても毎日悠長に読書に充てる時間なんて取れません。」と言う人がいます。

しかし、それに対して筆者が必ずお伝えしているのは、「そう言うという事は現時点でまだまだ現代文の読解力が足りていない、という事になる訳で、だったら尚更全体の作業時間を短縮して、教科にかかわらずより多くの課題を楽に処理出来るようにする為に、数か月の間辛抱をして多読に時間を充てて下さい。」という事です。

その間は下手したら、まだ十分な読解力がついていない訳ですから、当然解説を聞いても、読解力がついている人よりは理解度が低いという事になるので、あまりに時間が無い事が負担になるようであれば、極端な話現代文の授業は読解力がつくまでは受けなくても大丈夫です。

寧ろその時間を、代わりにひたすら多読に充てていただきたいと思います。

そうして、読解力がついた事はいつ頃どうやって判断するのかというと、以下を目安にしてください。

  • 現代文のみならず全ての学習において、作業時間が目に見えて短くなった。
  • 目安として、平均的な厚さの文庫本なら一日一冊読めるようになった。
  • 設問に対して、何を解答すれば良いのかすぐに頭に思い浮かぶようになった。

元々母国語なので、数か月も続ければ上記の兆候は必ず見えて来ますが、他の教科よりは成果が目に見えるまでの期間が少し長いので、根気よく、毎日欠かさず行って下さい。

少しでも読解力がついてくると「読む」作業が楽しくなり、課題という感覚が薄れて来て寧ろ他の教科の学習の合間の気分転換にもなるでしょう。

そうなってくれば、インプット作業はほぼ終了です。

3.文章を一部だけ抜き出した問題では読解力はつかない

まだ受験までに時間的な余裕がある人は上記の作業をする心の余裕もあると思いますが、土壇場(受験する年の秋以降)になってこの記事に出会った人の中には、非常に焦っているのでとてもじゃないけど時間がかかる読書をする時間も取れないし、そんな心境でもない、という人もいるでしょう。

しかし、そこでも再度考えて頂きたいのです。

この記事が目に留まった、という事は、残念ながら今まで現代文を伸ばす方法に出会えずに来てしまい、現時点で現代文がどうしても足を引っ張っていて点が伸びない、とう状況にある訳です。

それであれば、少しでも現状から脱しないと、結局気ばかりが焦っても今の状態は変わらないまま本番を迎える、という事になってしまいますね。

土壇場になるまで気付かなかったからこそ、気づいた今からでも、少しでも読解力を上げて現代文の点数を伸ばす必要がある訳です。

土壇場になるとどの教科も、これまでやってきたことの総復習と、出題傾向の把握も兼ねた過去問演習がメインの作業になってきます。

もちろん、他の教科はそれで良いのですが、現代文に限っては違います。

本の一部だけを持ってきて問題として加工している問題集や過去問は、あくまで現時点での読解力をはかるためのものですから、読解力が不足しているのにいくらそれをやっても読解力は向上せず、ただ毎回現時点での読解力を繰り返し確かめ、点が取れない事を思い知らされるだけになってしまうのです。

現時点での読解力は模試で把握しているはずですから、何度も時間を費やして確認する必要はありませんので、是非その時間を少しでも読解力を上げる作業に使って下さい。

読解力をあげる時に、一部を切って持ってきた文章をいくら読んでも意味がありません。

必ず通しで一冊の本を読み切って、著者の言わんとしている事を理解する事に努めて下さい。

過去に担当した生徒さんで、9月からあわてて現代文の指導を頼まれ、過去問をやらない事にかなり不安を感じておられましたが、とにかく指示通りひたすら数日で本を読んでは要約する(この作業については後述します)、という作業をギリギリまで繰り返してくれた人が何人かおられ、直前の12月の模試で皆現代文の偏差値が40台から一気に60台まで上がり、漢字・語句問題を除いてほとんど正解という状態で本番に臨む事が出来ました。

筆者自身も受験勉強を完全独学で行いましたが、現代文に関しては過去問と模試以外の問題演習をやらずにひたすら読書⇒要約、の作業を繰り返した結果、センターでは常に9割5分、難関大の二次試験の現代文も9割得点を割る事はありませんでした。

4.一番効果的なのは読書(≠楽しむ)

繰り返しになりますが、大学受験の現代文を伸ばすのに最も効果的なのは『読書』です。

ただし、ここで言う読書とは、その書物を楽しんで読み、今後の人生の糧とするような「楽しむ」読書ではありません。

もちろん、時間に余裕があれば読書を楽しむことから始めるのが本来の手順ですが、既に読書を楽しむ習慣がある人ならば、現時点でもう現代文が得点源になっている事と思いますので伸び悩んで今方法を模索していないはずです。

今この記事を読んで下さっている方は、現代文に伸び悩み、かつ入試までの時間に限りがあって、ゆっくり読書を楽しんでいる余裕はないが何とかして現代文の点数を上げたい、と言う状況だと思います。

そこで、現代文の得点アップまでの最短ルートとして、『楽しまない読書』をお勧めする次第です。

では具体的に『楽しまない読書』とはどういう作業かというと、とにかく入試で扱われそうな書物(名作文学作品や評論など。問題集や過去問の巻末に掲載されている、文献リストを参考にすると良いです。)を片っ端から読破し、一冊読み終える毎

『著者がその本を通して読者に最も訴えたかった事は何か。』

を見つける、という作業です。

一冊の物語、または評論文には必ずそれがあり、原稿用紙にすると半ページ~1ページ分でまとめられる程度の内容にまで凝縮出来るはずです。

一冊ごとに必ずそれを見つけ、書き留めるか口頭で人に説明出来るように練習して下さい。

なお、読解力がないうちからいきなり著者が最も訴えたかった事を読み取るのは難しいため、ある程度読解力がつくまでは的がずれていても訂正する必要はありません。

読解力がついてくれば自然に的を得て来ますので、兎に角この作業を欠かさず行う事だけに専念し、数をこなして力を養って下さい。

そして、言うまでもありませんが出来るだけ早く成果を出したいのであれば、一冊でも多く読んで一回でも多くこの作業を行う事です。

これが出来るようになると、現代文の選択問題で迷わず正解を選び出せるようになります。

選択問題の正解が、まさにこの『筆者が最も言いたいこと』であるからです。

自分で見つけ出せれば、他のまやかしに目を捕われて迷う事はなくなる訳です。

5.必ず要約する

ここまで来て、あと残されているのはアウトプット作業です。

理解出来た内容を、他人に伝わりやすい表現で上手く指定字数にまとめて書き上げる、というのは簡単ではありませんが、練習を積めば必ず誰でも出来るようになります。

面倒でも、一冊読み終える度に筆者が最も言いたいことを含めたその本の要約を必ず書いて下さい。

自分が理解できる事と、その理解した内容を他人に伝える事ではまた別の技能です。

そしてこれも、書けば書く程表現力がついて来ますから、必ず省かずに行うようにして下さい。

この作業は入試現代文の記述問題ないしは小論文の対策に最も効果的です。

記述の場合、

  • 出題者の意図を読み取り、答えさせたい事を察知する
  • 文中にあることから上手くその部分を指定字数内に加工して記述する

という事が出来なければ得点になりません。

もちろん読解力ありきではありますが、特に記述や小論文対策としては、この作業は絶対に欠かせません。

6.問題集や過去問をやらずとも本は読む事

ということで、大学受験の現代文の得点を伸ばすためには

『問題を沢山解くのでなく、日本語力を磨く必要がある』

という事がお分かり頂けたと思います。

逆に言えば、問題を全く解かなくても、読解力と記述力さえあれば漢字・語句問題を除けばほとんど正解が出来てしまう、というのが現代文です。

(過去問だけは、出題傾向やボリュームを知るためにも受験校のものに目を通しておく必要はありますが。)

したがって、現代文の授業を受ける事と問題演習を行う事にはあまり時間を割かない方向で入試までのスケジュールを立てて頂くのが良いでしょう。

上記で述べた作業を毎日続ければ、間違いなく現代文は得点源となるほどまで点数が伸びる事でしょう。

そして、この作業を続ければ続ける程他の教科の出題の意図や、何を解答すれば良いのかという事も瞬時に読み取る力がつき、自然に全体の得点力アップが実感出来る日も近い事と思います。

7.まとめ

以上、多くの方が悩む現代文の伸ばし方について書いて来ましたが、如何でしたでしょうか。

他の教科より手間はかかるものの、読解力と記述力は一度ついてしまえば下がる事はありませんので、現代文に割く時間は後半になればなるほど、どんどん短くなって行きます。

それに、読解力と記述力をつければ必ず他の教科も付随して伸びて行くのですから、こんなに得な教科はありません。

是非この記事を参考に、少しでも時間に余裕があるうちに現代文の得点力を上げ、後半で他の教科に割く時間を少しでも増やせるようにして頂けたらと思います。

著者情報

究進塾 編集局

究進塾 編集局
東京・池袋にある究進塾の編集局です。受験指導のプロが大学受験に役立つ情報をお届けしています。 大学受験対策コースはこちらからご覧いただけます。

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