トタンとブリキ、さびに強いのは?
さて、今日は前回のつづきです。
トタンとブリキ、水に触れたとき、さびにくいのはどっち?
前回の復習をしておくと、
トタン=鉄板に亜鉛をめっき
ブリキ=鉄板にスズをめっき
という違いがありました。
金属のイオン化傾向というのがありましたね。
「貸そうかな、まああてにすんな・・・」のゴロで覚えるやつです。
それを思い出すと、
亜鉛(Zn)>鉄(Fe)>スズ(Sn)
という順番になります。
イオン化傾向=溶けやすさ(反応のしやすさ)
と考えていいわけですから、
さびやすいのは、トタン
さびにくいのは、ブリキ
傷がつくまでは確かにこれは正しいんです。
ところが、傷がつくとこれが逆転してしまいます。
トタンの方が強くなるんですね。
なぜか?
図を描いて考えてみましょう。
まずはトタンから行きますよー。
傷つく=メッキがはがれる、ということです。
そこで、鉄が現れるわけです。
そうすると
鉄と亜鉛の両方が水にさらされることになります。
どちらが先に溶けますか?
亜鉛(Zn)ですね。
鉄が溶けるのは、亜鉛が溶けた後になる。
一方、ブリキの場合はどうでしょう?
こちらも図を見ながら説明して行きましょう。
鉄とスズの両方が水にさらされます。
どちらが先に溶けるか?というと
鉄(Fe)ですよね。
ということで、傷ついてから強いのはトタンでした。
トタンはどういうところに使われるか、というと屋根やバケツなど傷つきやすいもの
一方のブリキの用途は、というと、缶詰めの内側。
これは
①缶詰めは開けるまでが勝負、という点
②スズは人体に害が少ないという点
が理由です。
というところまで覚えておきましょう。