「数Ⅲは難しい」と感じている人が知っておきたい勉強法

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あなたは、数Ⅲという科目に対してどういったイメージを持っていますか?

「計算が複雑で、途中で間違ってしまう」

「何をやってるのかわからなくて難しい」

「センスやアイディアが必要」

多くの理系受験生が、数Ⅲに対してネガティブなイメージを持っており、数Ⅲがあまりにも苦手だという理由だけで理系数学での受験を諦め、「消極的な文転」をしている受験生さえいます。

「理系に進んだけどやっぱり経営が学びたい!」のように積極的な理由で文転するのはいいですが、「数Ⅲが難しいから法学部にいきます」のような消極的な理由での文転はおすすめできません。

きっと法学にも本当は興味がないと思いますし、そんな状態で大学に入学しても長続きしないからです。

理系に進んだからには数Ⅲは是非とも攻略してほしいですし、正しく勉強をすればそこまで難しくありません。

この記事を通して、ぜひ一緒に数Ⅲの苦手を克服していきましょう。

1.そもそも数Ⅲとはどんな教科?

「数Ⅲ」という言葉を聞くだけでアレルギーが出てしまうかもしれません。

でも大丈夫です。数Ⅲは難しくありません。

まずは数Ⅲとはどんな教科なのかをみていきましょう。

1-1. 数Ⅲを攻略するためには土台が必要

数Ⅲは高校数学で一番最後に習います。

これは数Ⅰと数Ⅱができた状態じゃないとできるようにならないからです。

基礎ができていない状態では、いくら応用問題に取り組んだところで成果は出ません。

数ⅠAや数ⅡBで苦手な分野がある人は、数Ⅲに取りかかる前にそちらをできるようにしましょう。

1-2. 理系数学で受験する上では「必須」

理系数学で二次試験を受験する場合、必ずといっていいほど数Ⅲ分野からの出題があります。

これは数Ⅲで学習する内容が、大学に入って1年次や2年次に学習する線型代数学や物理学を学習する上での基礎になる分野だからです。

大学生になる前に数Ⅲ分野ができるようになるのは、受験対策としてはもちろん、今後大学で学習する専門分野についての理解を深めることにもなるのです。

1-3. 数Ⅲは5つの単元から構成されている

数Ⅲは、

・複素数平面・二次曲線

・極限

・微分

・積分

の4つの分野から構成されています。

複素数平面と二次曲線のふたつが独立して一つの分野になっているイメージで、極限と微分積分は扱う内容が連続していて融合問題も出題されやすいため、この3つでひとつの分野だと思ってもらったら大丈夫です。

実質この二つの分野を攻略すれば、数Ⅲは完璧です。

1-4. 実はそんなに難しくない

「数Ⅲ」と聞くとアレルギー反応を起こしてしまう受験生からしたら意味がわからないかもしれませんが、実は数Ⅲはそこまで難しくありません。

なぜなら、数Ⅲで出る問題のパターンはほとんど決まっているからです。

典型的な出題パターンを身につけてしまえば高得点を取ることも難しくありませんし、他の受験生が解けない分大きなアドバンテージを得ることができます。

2.数Ⅲが難しいと思われる3つの理由

先ほど「数Ⅲは実はそこまで難しくない」とお伝えしましたが、多くの受験生が難しいと思って苦手としている理由をまとめてみました。

2-1. 高校数学で最後にならう「集大成」だから

数Ⅲが難しいと思われる一つ目の理由は、高校数学で最後に学習する教科だからということです。

例えば数Ⅰでわからない問題があったとしますが、その問題の解説を読めば大抵理解できますし、それでも理解できなかったとしても、数Ⅰの教科書を出してきて該当分野に目を通せば、その問題の解説を理解することはできます。

しかし数Ⅲの場合は数ⅠAや数ⅡBの知識が必要なので、数Ⅲの問題ができなくて解説を読んでも、その内容の解説が数Ⅱ分野からスタートしていると、前提がわからない状態になってしまいます。

基礎ができていないとこういった状況に陥ってしまうので、数Ⅲの勉強の前には必ず数ⅠAと数ⅡBをできる状態にしておきましょう。

2-2. 計算が複雑だから

続いて挙げられるのが、「計算が複雑だから」という理由です。

確かに数Ⅲの計算はとても複雑で、ついつい途中で間違ってしまいますよね。

正直、問題文から式を立てて、「この式の計算が終わったらこの問題は解ける!」というところまで到達することはそこまで難しくありません。

そこからの計算をどれだけ正確に、かつスピーディーにできるかどうかが数Ⅲの出来に大きく関わってきます。

また計算量も多いので、途中で疲れて集中力が切れてしまったり、あまりにも時間がかかってしまったりして、他の問題に取り組む時間がなくなってしまうこともあります。

2-3. 学習すべき内容が多い

一口に「微分」といいますが、数Ⅱで扱う微分は文字xについての多項式を微分して接線や増減表をかいておけば正答を導き出すことができます。

対して数Ⅲで扱う微分は、三角関数や指数関数、対数関数の微分ができる必要がありますし、合成関数の微分なども身につける必要があります。

学校の授業進度が遅い受験生は独学で学習を進め、受験対策をする時間を確保したいところですが、これだけの内容を独学でできるのかという疑問も残ります。

そして後回しにした結果、その分野に苦手意識が残ったまま受験当日を迎えてしまうことになっているようです。

3.苦手意識があっても大丈夫!苦手から得点源にするための勉強法

もし仮にあなたが数Ⅲに対して苦手意識を持っていたとしても大丈夫です。

多くの受験生の指導をしていて感じることですが、数Ⅲが得意だという生徒はほとんどおらず、むしろ7割近くが苦手意識を持っています。

しかし、苦手意識を克服し、二次試験の理系数学を得点源としている受験生を何人も見てきました。

早速その勉強法を見ていきましょう。

3-1. まずは基礎をしっかり固める。

先ほどから口を酸っぱくして伝えているように、基礎がないところで数Ⅲを勉強しても一向にできるようになりませんし、時間を無駄にしてしまうだけです。

数Ⅲに限った話ではありませんが、基礎をまずは固めましょう。数Ⅲの場合は数ⅠAや数ⅡBの分野ですね。

数Ⅲの二次試験を受ける受験生は共通テストはほぼ100%受験すると思うので、共通テスト対策を兼ねて、共通テスト数ⅠAや数ⅡBで、時間内に最低でも8割を取れる実力をまずつけましょう。

3-2. 計算力をつける

数Ⅲでは、数ⅠAや数ⅡBとは比べものにならないくらいの計算力が必要です。

人によっては数ⅠAや数ⅡBは教科書や参考書の式を眺めているだけでもできたかもしれませんが、数Ⅲではそれは通用しません。

計算力をつけるためには、実際に手を動かして計算をするしか方法がないので、面倒臭がらずに計算しましょう。

数Ⅲの難しい問題は、計算が難しいのではなく発想が難しいだけなので、教科書や入門書の例題や練習問題を使って日頃から計算練習をする癖をつけていきましょう。

毎日の少しずつの積み重ねが計算力アップにつながるので、手間を惜しまずに計算練習をしていきましょう。

3-3. 無理なく学習を進め、力をつけていく

基礎の学習が終わったら、

・教科書レベル

・網羅系参考書

・標準問題集

・ハイレベル問題集(必要に応じて)

の順番に参考書や問題集に取り組んでいきましょう。

詳しい手順やおすすめ参考書・問題集はこちらの記事でまとめてあるので、合わせてご覧ください。

→「数Ⅲ 参考書

3-4. 分野別ワンポイント勉強法

3-4-1. 複素数平面

複素数平面の問題は、座標平面で考えるのがコツです。

また、平面で考える時に数Bで学習したベクトルの考え方を使うと速く問題が解けたりもします。

慣れるまでは独特の式変形や、その式変形がどういった意味を持つのかを理解しづらいかもしれませんが、問題演習を重ねて解けるようにしていきましょう。

3-4-2. 二次曲線

この分野は、定義を確実に抑えることが重要です。

媒介変数表示を使った問題が多いのが特徴的ですが、二次曲線からはそこまで難しい問題は出題されないので、基本を押さえておけば大丈夫です。

3-4-3. 極限

極限単体で出題されることはあまりありませんが、微分や積分の問題と絡めてよく出題される傾向にあります。

極限も基本の公式を覚えてしまったらそこまで難しくないでしょう。

eの定義は要確認です。

3-4-4. 微分

数Ⅱの単純な微分とやることは大きく変わりませんが、積の微分法や合成関数の微分、商の微分法などの、数Ⅱと比べて計算が複雑な問題を扱います。

計算力をつけることが前提なので、教科書や参考書の練習問題などを使ってスラスラ解けるように練習していきましょう。

3-4-5. 積分

こちらも数Ⅱの単純な積分とやることは大きく変わりません。ただこちらも、部分積分や置換積分などの複雑な計算を扱います。

積分も微分と同じく計算力が必須なので、スラスラ解けるように練習していきましょう。

4.まとめ

今回は数Ⅲという教科に苦手意識を持ち、「難しい」と勘違いしている受験生の少しでも手助けができればと思い、数Ⅲの勉強法をまとめました。

典型問題を一通りマスターし、計算力をつければ確実に得点源となる分野なのが数Ⅲなので、ぜひこの記事を参考にして数Ⅲを得意にしてください。

著者情報

究進塾 編集局

究進塾 編集局
東京・池袋にある究進塾の編集局です。受験指導のプロが大学受験に役立つ情報をお届けしています。 大学受験対策コースはこちらからご覧いただけます。
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