数Ⅱの積分が苦手でも得点するための勉強法
高校数学の1番の難関といっても過言ではない積分。計算方法を覚えても、実際に計算してみると複雑でミスしやすく、また問題の分量も多くて大変な分野だと感じているかもしれません。
ただ今回メインで見ていく数Ⅱの積分は理解してしまえば頻出ながらそこまで難しくなく、できるようになれば点数の稼ぎどころにできる分野なのです。
そんな積分の勉強法を紹介していきます。
1.積分でつまずきやすいポイント
ただなんとなく「積分は難しい」と思っているかもしれませんが、そう思ってしまうのには理由があるはずです。
早速、積分でつまずきやすいポイントを見ていきましょう。
- 積分とは何かがよくわからない
高校の授業などで積分を習う時、多くの場合で「積分は微分の逆の操作」と習うでしょう。
確かに微分と逆の操作でもあるのですが、その認識だけだと計算はできても、積分の計算がどのような意味を持つのかが理解できません。
このようなことを防ぐために、積分とは「面積を求める操作」だということを理解しましょう。
例えば、
という式が与えられたとします。
この計算は簡単にできると思いますが、この式がどのような意味を持つのかを理解できるかどうかが重要なのです。
という式は、下の図の青く塗りつぶした部分の面積を示しています。
高校で学習する積分は、「積分は面積計算をしている」という認識を持つだけで解きやすくなる問題が多いので、ぜひこの機会に頭に入れておきましょう。
- 計算が複雑で計算量が多い
積分という分野の特徴としてあげられるのは、計算が複雑かつ計算量が多いことです。特に時間に厳しめに作られているセンター試験では、計算量が多い積分の問題をいかに早く正確に解くかが問われます。
もちろん積分のやり方の公式を覚えることも重要ですが、普段から自分の手でしっかりと問題を解き、計算のスピードを上げることが大切です。
2.積分の勉強法
積分の勉強をする上で気をつけるべきポイントがわかったところで、早速積分の勉強法を確認していきましょう。
基本は教科書や参考書を使って公式や計算方法・問題の解き方などをインプットしてから、学校で配布されている問題集などを使ってアウトプットしていく流れになります。
ただし積分という分野は覚えなければいけない公式や考え方がそこまで多くありません。そのためインプットにはなるべく時間をかけず、実際に例題や練習問題を自分の手を動かして解くことが重要です。当然ながら間違えたら解き直し、できるようになるまでやりましょう。
どうしても手を動かすことを面倒くさがってしまいがちですが、目でなぞるだけだと気付かなかった疑問に気付けたり、計算練習にもなったりして一石二鳥です。
公式や解き方を一通りインプットしたら、学校で配布されている問題集などを使って練習をしていきます。
当然できない問題も出てくると思いますが、印をつけるなりしてわかるようにしておき、解けるようになるまでなんども繰り返し解くことが重要です。
先ほども伝えた通り、積分という分野はインプットすべき内容があまり多くないので、インプットとアウトプットの割合は2:8〜3:7くらいで大丈夫です。アウトプットの方が重要なことは頭に置いておきましょう。
2-1. これから積分の勉強をする人や、積分が苦手な受験生におすすめの参考書
これから積分の勉強をする人や、積分が苦手意識を持ってしまっている受験生におすすめの参考書を紹介していきます。
2-1-1. 坂田アキラの数Ⅱの微分積分が面白いほどわかる本
まず最初に紹介するのは、坂田アキラさんの微分積分が面白いほどわかる本です。
坂田さんの参考書は常にわかりやすいことで評判で、今回紹介している微分積分もとてもわかりやすく仕上がっています。
参考書は400ページとやや分厚めとなっていますが、図やイラストを交えた解説が加えられているため、スラスラと読み進めることができますし、初学者や苦手な受験生がつまずきやすいポイントにはきちんと解説があるのでとにかくわかりやすいです。
また一般的な参考書は、途中式の省略などがあって理解しづらいところもありますが、この参考書は一切省略がないので、無駄に悩む必要もありません。
良問が並んでいるため、この参考書にしっかり取り組んでおけば、インプットは完璧だと言えます。時間をかけすぎずに理解を進め、問題演習に入っていける良書です。
2-1-2. 定期テスト対策 数学Ⅱ・Bの点数が面白いほど取れる本
続いて紹介するのは、数学Ⅱ・Bの点数が面白いほど取れる本です。この参考書はタイトルの通り、数ⅡB全体の参考書なので積分に限ったものではありませんが、全体的にイラストが多く、また漫画を取り入れた解説なども入っているため、厚さの割に時間をかけずにストレスなく進めることができます。
私も普段から教科書を使うことをおすすめしていますが、どうしても教科書は解説が不親切な部分もあり、わかりづらいところもあります。そのような疑問も解決できるように構成してあるのがこの参考書です。
タイトルには「定期テスト対策」という文字がありますが、定期テストにはもちろん、受験勉強の最初の足固めとしてもとても重宝する参考書なので、まだ持っていない人はぜひ書店で手にとってみてください。
2-1-3. ホントはやさしい 中堅国公立・私大の微分積分
最後に紹介するのは、先ほど紹介した2冊よりも若干レベルの高い参考書になります。
やさしい問題から難しい問題へと順番に並べることで、無理なく力がつくように工夫がなされており、また難問奇問を排除した良問だけで構成されているため、使える実力が養えるようになっています。
また、他の参考書では省略されがちな途中式やテクニックまでしっかりと記述されており、受験生想いな参考書です。
ぜひ一度実物を手にとって確認してみてください。
3.まとめ
今回は、文系数学では入試で超頻出、理系の受験生にとっても数Ⅲの積分の基礎に当たる、数Ⅱの積分の勉強法を紹介してきました。
「積分」と聞くだけで難しそうと感じるかもしれませんが、理解すれば全然難しくないので、ぜひ今回紹介した勉強法を参考にして、積分を得点源にしてしまいましょう。