苦手な人が多い「円運動」の勉強法は?
力学の勉強をしていると、突然現れる円運動。実はこの円運動は、力学だけではなく、電磁気学でも出題されることも多いのです。
なんとなく理解できず、苦手意識を持っている受験生が多い円運動ですが、一度理解してしまえば全然難しくありません。
ぜひこの機会にマスターしてしまいましょう。
目次
1.円運動は覚えるべき公式が少ない
これはみなさんにとって朗報だと思いますが、円運動の問題を解く上で必要な公式が圧倒的に少なく、わずか1個しかありません。
他は意味を考えれば自明なものや、自明な式同士を連立すれば簡単に導出できてしまうものばかりだからです。
では、わずか1個しか覚えるべき公式がないので、早速その公式を紹介しましょう。
これだけです。この公式を導出するのは難しいですし、意味もわかりにくいかもしれません。
ただ、円運動の運動方程式は
と書けることは知っているかもしれません。
一般的な運動方程式は
と書けるので、これと比較すれば a=v2/r=rω2 もすんなりと覚えられると思います。
2.円運動の勉強法
わずか1つしかない円運動の公式の公式をばっちり頭に入れたところで、円運動の勉強法を見ていきましょう。
基本的には教科書や参考書を使って知識をインプットしてから、問題集を使って練習を重ねていく流れになりますが、円運動では特に気をつけなくてはならないポイントがあります。
それが、「向心力」と「遠心力」です。
向心力と遠心力の意味がよくわからず、間違った使い方をしている受験生がとても多く、それが円運動を苦手だと感じさせている大きな要因です。
そのため、インプットアウトプット共に、向心力と遠心力をどのような場合で考える必要があるのかを意識しながら勉強していくことが大切です。
では、レベル別の勉強法を見ていきましょう。
2-1.これから円運動の勉強を始める方
最初はどうしても必要な知識が足りないので、まずは公式や問題の解法を頭に入れていきます。その際、先ほどお伝えした向心力と遠心力のことを重点的に理解するようにしましょう。
例題を読んで、白紙に再現できるようにしていきます。例題を見た瞬間に運動方程式が立てられ、解法の指針が立てられるようになったらこのレベルはクリアです。
2-2.定期テスト対策レベル
一度円運動の基本をインプットしてあるはずなので、学校で配布されている問題集やプリントなどを使って、知識の抜けを探します。解けなかった問題は解説を読み、それでも理解できなければ教科書や参考書に戻って知識を補充します。
受験で物理を選択するのであれば、円運動が定期テストの範囲になった時に、学校で配られた問題集は8割方完成させておきたいところです。間違えた問題には印をつけるなどして、複数回取り組んで完璧を目指しましょう。
2-3.センター試験対策レベル
センター物理では、難易度の高い問題はあまり出題されないので、二次試験で物理を受験するのであれば、円運動に関してもセンター試験対策は必要ありません。センター試験のみ受験するのであれば、センター試験対策の問題集を1冊完成させるのがおすすめです。
では、おすすめの問題集を1冊紹介しておきます。
2-3-1.チェック&演習 物理
円運動に特化した問題集ではありませんが、各分野の頻出問題がまとめられていて、良問が集まっている問題集です。
円運動に限らず、この問題集を完成させればセンター試験対策はばっちりです。
2-4.二次試験対策
二次試験の問題は、学校の試験やセンター試験に比べると難しい問題が出題される傾向にあります。そのため、学校で配布されている問題集やセンター試験対策の問題集では太刀打ちができません。
もちろんこれらの問題集を完璧にできるようにすることは大切ですが、それだけでは不十分です。二次試験では、今までに見たことのない設定がされている問題も多く、自分で考える力を問われる問題も多く出題されます。そのため、見たことがない問題でも対応できるように、二次試験対策用の問題集を1冊仕上げることが大切です。
では、二次試験対策におすすめの問題集を紹介します。
2-4-1. 名問の森物理
難関大対策の問題集は、説明が難しく、よく読み込んでも理解ができないような解説がされているものも多いですが、名問の森は高校の授業内容の延長線上で解説がされているので、解説を読めばわかるようになっています。
ぜひ名問の森を何回も繰り返し取り組み、難関大学の二次試験でも太刀打ちできる力をつけてください。
3.まとめ
今回は、円運動の勉強法を紹介してきました。苦手意識を持ってしまっている受験生が多いと思いますが、向心力と遠心力に注目して学習を進めれば、きちんとわかるようになるはずです。
ぜひ今回の記事を参考にして、円運動を得意分野にしてください。