苦手な人でも有機化学を無理なく覚える方法

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無機化学もそうですが、有機化学は覚えることが苦手な受験生からすると、地獄のような分野だと感じるかもしれません。
有機化学は、理論化学のように計算がメインの分野とは違った難しさがあります。

今回は、覚えることが苦手な受験生でも無理なく暗記ができる覚え方を紹介していきます。

1.有機化学で覚えるべき内容は?

「有機化学は暗記が基本」とよく言われますが、有機化学の学習で暗記しなければならない内容は何でしょうか。

優先順位と合わせて紹介していきます。

1-1. 慣用名

CH3COOHは置換命名法に基づくと「エタン酸」となりますが、皆さんご存知の通り「酢酸」と呼ばれます。

このような慣用名を覚えないと、問題文中に慣用名が出てきてそもそも問題自体が理解できなくなってしまう可能性があります。

まずは慣用名を覚えることは必須と言えます。

N アルカン アルケン アルキン アルコール アルデヒド カルボン酸
1 メタン メタノール ホルムアルデヒド ギ酸
2 エタン エチレン アセチレン エタノール アセトアルデヒド 酢酸
3 プロパン プロピレン プロピン プロパノール プロピオンアルデヒド プロピオン酸
4 ブタン ブチン ブテン ブタノール ブチルアルデヒド 酪酸

1-2. 官能基の性質

有機化合物には、骨格と呼ばれる部分と官能基と呼ばれる部分があります。

そして骨格部分はほとんどその化合物の性質を決めず、官能基がその化合物の性質を決めます。

覚えておくべき官能基は9つしかないので、確実に覚えましょう。

官能基名 一般式 名称 化合物の例
ヒドロキシ基 R-OH アルコール エタノール
ヒドロキシ基 R-OH フェノール類 フェノール
アルデヒド基 R-CHO アルデヒド アセトアルデヒド
カルボキシ基 R-COOH カルボン酸 酢酸
ケトン基 R-CO-R’ ケトン アセトン
アミノ基 R-NH2 アミン アニリン
ニトロ基 R-NO2 ニトロ化合物 トリニトロトルエン
エーテル結合 R-O-R’ エーテル ジエチルエーテル
エステル結合 R-COO-R’ エステル 酢酸エステル

2.効率的な覚え方

有機化学を効率よくマスターするための「武器」があります。

それは反応系統図です。

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出典:http://persimmon-web.blogspot.jp/2010/06/blog-post_12.html

上に紹介した反応系統図で、黄色になっている欄以外を空欄にし、それぞれの項目を実際に埋めていく練習をひたすら繰り返していきます。

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出典:数研出版の下敷き

反応系統図を使って学習を進めていくべき理由は当然あります。

それは実際の入試問題で出題される慣用名を持つ化合物はこの系統図に出てきますし、各官能基の性質や変化は反応系統図で一通り抑えることができるからです。

まずは反応系統図の隅から隅まで覚えてしまいましょう。

<<有機化学の効率の良い覚え方>>

  • 置換命名法を理解する
  • 反応系統図を隅から隅まで覚える
  • 慣用名のおさらいをする
  • 官能基の名前、性質をおさらいする

「反応系統図を隅から隅まで覚える」という作業を挟んでおくと慣用名や官能基の学習の理解度が圧倒的に上がり、有機化学に対して得意意識が芽生えてきます。

それぞれの項目を具体的に解説していきます。

2-1. 置換命名法を理解する

まず基本の3つを理解しましょう。

1つ目、単結合のみを持つ「アルカン(alkane)」

2つ目、二重結合を一つ持つ「アルケン(alkene)」

3つ目、三重結合を一つ持つ「アルキン(alkyne)」

です。

まず最初に、アルカン、アルケン、アルキンの命名法をみていきましょう。

まずC=C結合をひとつ持つアルケンにするときは、alkane→alkeneとします。

C≡C結合をひとつ持つアルキンにするときは、alkane→alkyneとします。

例として、ブタン(CH3-CH2-CH2-CH3)(butane)で考えていきましょう。

aをそれぞれeとyに変えればいいので、

butane(ブタン)→butene(ブテン)
butane(ブタン)→butyne(ブチン)

となります。

続いて、官能基がつく場合を考えてみます。

その場合、alkaneの最後のeを各官能基に置き換えていきます。

名称 官能基 eとの置換
アルコール -OH ol
アルデヒド -CHO al
カルボン酸 -COOH
ケトン >C=O one

例として、ブタン(CH3-CH2-CH2-CH3)(butane)で考えていきます。

ブタンの端の-Hを-OHに置換します。

するとbutane(ブタン)→butanol(ブタノール)となります。

また、ブタノールの場合は

CH3-CH2-CH2-CH2-OH

CH3-CH2-CH-CH3

OH

のふたつの場合が存在します。

上の場合は、端から1番目の炭素にヒドロキシ基が付いているので1-ブタノール、下の場合は端から2番目の炭素にヒドロキシ基が付いているので2-ブタノールと名付けられます。

これが置換命名法です。

2-2. 反応系統図を隅から隅まで覚える

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上に紹介した反応系統図で、黄色になっている欄以外を空欄にし、それぞれの項目を実際に埋めていく練習をひたすら繰り返していきます。

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「なぜいきなり反応系統図を使うの?」と思うかもしれません。反応系統図には、水素付加や酸化反応、還元反応、エステル化などの重要な項目がすべて網羅されていることに加え、受験において必要な慣用名をスムーズに頭に入れることができます。

今後行っていく「慣用名のおさらい」「官能基の性質の学習」の予習的な役割を担うのが、この反応系統図なのです。

2-3. 慣用名をおさらいする

基本的な慣用名は、ほとんど反応系統図に登場します。

ただ反応系統図だけではすべてを網羅できませんので、補足できちんと覚えていきましょう。

以下に、高校化学で覚えておくべき慣用名を一覧で並べておきます。

・ギ酸(H-COOH)・酢酸(CH3-COOH)・シュウ酸(HOOC-COOH)

・フマル酸(HOOC-CH2=CH2-COOH)トランス型

・マレイン酸(HOOC-CH2=CH2-COOH)シス型

・ホルムアルデヒド(HCHO)

・アセトアルデヒド(CH3-CHO)

・アセトン(CH3-O-CH3)

・安息香酸

1

・トルエン

2

・クメン

3

・フェノール

4

・クレゾール

5

・フタル酸

6

・サリチル酸

7

・アニリン

8

高校化学では、これだけ覚えておけば十分です。

2-4. 官能基の名前、性質をおさらいする

すでに反応系統図で一通りの反応を理解していれば、官能基の名前や性質を覚えることは大変ではないと思います。

入試本番でも、例えば「アルコールを酸化するとアルデヒドになる」ということを知らなければ解けないような問題がたくさん出題されるので、必ずマスターしておきましょう。

覚えておくべき官能基は、アルコール、アルデヒド、カルボン酸、ケトン、アミン、ニトロ化合物、エーテル、エステルの8つのみです。

教科書でも参考書でも大丈夫なので、それぞれの官能基の性質を覚え、反応系統図で再度復習を繰り返しましょう。

3.まとめ

今回は、多くの人が苦手意識を持つ有機化学の覚え方について紹介してきました。

教科書の巻末に付いていることが多いですが、ほとんどの受験生が気にも止めない「反応系統図」がとても役に立つので、ぜひ上手に活用してください。

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究進塾 編集局

究進塾 編集局
東京・池袋にある究進塾の編集局です。受験指導のプロが大学受験に役立つ情報をお届けしています。 大学受験対策コースはこちらからご覧いただけます。

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