これから対数関数の勉強を始める人がやるべきこととは?
目次
1.はじめに
数Ⅱの勉強をしていると、ある日突然現れるlogの文字。日常生活ではまず使うことがなく、そもそも何なの?という感覚を持つ人も多いでしょう。
入試で対数がテーマになる問題が超頻出なわけではありませんが、対数の知識が前提にないと解けないような問題がたくさん出題されています。
そんなlogを使った対数関数の勉強法を、詳しく解説していきます。
2.対数関数の勉強で押さえるべきポイント
対数関数と聞くと、「なんだか難しそう」と感じてしまう方も多いと思います。そんな対数関数の勉強で、必ず押さえるべきポイントを紹介していきます。
1-1.対数関数とは何かを知る
対数関数というのは、y=logaxの形で表される関数のことです。
「logって何?」と思うかもしれませんが、そういうものだと割り切って覚えましょう。
縦軸にy、横軸にxをとった対数関数のグラフは、下のようになります。
(ただし底は1より大きい条件でグラフを描いています)
これを見ると、xが大きくなるにつれて、yの値は大きくなるものの傾きは小さくなっていくことがわかります。また、(x,y)=(1,0)を通ることもポイントですね。
このグラフはとても重要なので、必ず描けるようにしておきましょう。
1-2.底の変換公式や対数関数の性質を理解する
対数には、普段扱っている数字とは違った特徴があります。中でも、入試に取り組む上で絶対に欠かせない底変換公式と、対数関数の性質を見ていきましょう。
底変換公式: logab=logcb/logca:log=loglog
対数関数の性質①:logaxy=logax+logay
対数関数の性質②:logax/y=logax-logay
対数関数の性質③:logaxy=ylogax
はじめのうちはなかなか慣れないと思いますが、最低限頭に入れておかないと話にならないレベルの公式です。しっかりと手を動かし、普通に使えるようになるレベルまで練習をしておきましょう。
また、勘が鋭い方は気がついたかもしれませんが、先ほどのグラフをよく見て見ると、部分しかグラフがありませんでした。
logaxのaを底(てい)、xを真数(しんすう)といい、底はa>0かつa=、真数はx>0であることをおさえておきましょう。特にセンター試験でこのことはよく問われます。
3.対数関数の勉強法
つまずきやすいポイントを確認したところで、早速対数関数の勉強法を紹介していきます。
基本は、教科書や参考書を使って公式や問題の解き方をインプットし、学校で配布される汎用問題集などを使ってアウトプットする流れになります。
ただし対数関数の分野に関しては、先ほど紹介したグラフの概形を描けるようにすることと、底変換公式などの対数の性質の公式さえインプットしておけば、他に覚えるべき内容はほとんどありません。
そのため、インプットには極力時間をかけすぎず、アウトプットに時間をかけたいところです。その際、きちんと自分の手を動かして計算をすることが重要です。
また受験数学の対数という分野の特徴として、対数だけの出題はなく、他の分野との融合問題が出題されやすい傾向にあります。そのため、対数でも普通の数と同じように「自然に」扱えるようになることが重要です。
極力自然に扱えるようになるため、とにかくたくさん対数に触れることが重要です。その自然化するという練習が、問題に取り組んでアウトプットすることです。
はじめは学校で配布される教科書汎用の問題集(4STEPやクリアーなど)からアウトプットをしていき、できるようになればFocusGoldや青チャートなどの受験用の問題集を使って、さらに習熟度を高めていきましょう。
ではレベル別に、さらに詳しい勉強法を紹介していきます。
3-1.これから対数関数の学習を始める方
これから対数関数の学習を始める方は、当然ながら必要な知識が圧倒的に不足しています。そのため、まずは必要な知識を頭の中に入れていく作業が必要です。
まずは教科書や参考書などを使って、公式や問題の解法などを頭の中に入れていきましょう。その際、先ほど紹介したグラフの概形と対数関数の性質の公式は特に重点的に学習しましょう。
また、公式や解法の説明を読んで納得することも大切ですが、実際に例題の解法を見て解き方の雰囲気を掴むことも重要ですし、実際に自分の手を動かして、頭と体の両方で覚えるようにしましょう。
教科書の例題や練習問題を見て、解法がすぐに思い浮かんで自力で解けるレベルに達すればこの段階は完璧です。次の段階に進んでいきましょう。
3-2.定期テスト対策レベル
対数関数の性質や公式、解法などを一度頭に入れ終えている段階であれば、教科書や参考書を使って1から学習をし直すのはあまりにも時間がもったいないですし、無駄が多いと言えます。定期テストは数学以外の教科もあるので、効率よく点数を取れるようになりたいですよね。
そのため、学校で配布されている問題集や対策プリントなどを使って自分の苦手な範囲を洗い出し、その分野だけ教科書や参考書を使って詰め直すのがベストです。
もちろん間違えた問題には印をつけ、解説を読んだ後にも解き直し、できるようになるまで何度も取り組みましょう。
3-3. センター試験レベル
これからセンター試験対策をするレベルであれば、対数関数の基本性質や公式は頭に入っていると思います。センター試験はあまり難易度の高い問題が出題されず、時間制限が厳しいという特徴があるので、平均的な難易度の問題を正確に解ききる力が必要です。
またマーク式なので、センター試験は特有の出題の仕方をされる場合があります。センター試験対策用の問題集を用意して対策することをおすすめします。
具体的におすすめの参考書を紹介します。
3-3-1.基礎力完成 三角関数/指数・対数関数
まずはセンター試験の対数関数の問題を解く力をつけていきましょう。マーク式には記述式とは違った独特の難しさがあります。それに対応する力がつくのがこの問題集です。
問題ページの前に簡単なまとめページがあり、そこで知識の確認ができるのも嬉しいポイントです。
3-3-2. マーク式総合問題集 数ⅡB
続いて紹介するこちらの問題集は、対数関数の分野に特化したものではなく、数ⅡB全体の問題集です。数ⅡBの点数を最大化するために使いたいもので、1回ごとにセンター試験を模倣して作られているので、各分野のセンター試験対策がある程度できた後に取り組むことをおすすめします。
3-4. 二次試験対策レベル
対数関数は指数関数などと同じく、二次試験にそれ単体で出題されるケースはほとんどありません。もちろん、他の分野と融合で出題されることはあります。
ですので、対数関数の二次試験対策は必要ないと思います。センター試験で8割以上を安定して取れる実力がついたら、他の分野の学習に移っていきましょう。
4.まとめ
今回は、対数関数の学習でおさえておくべきポイントや、対数関数の勉強法などを紹介してきました。
対数関数はそれ単体で出題されることはほとんどなく、他の分野との融合問題で出題されることが多いので、対数関数がいかに自然に自由自在に扱えるかが重要になります。
ぜひ今回学んだことを生かして、学習を進めていきましょう。