学習しづらい原子物理の勉強法についてわかりやすく解説!

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高校物理の中でも、「特に学習がしづらい分野はどこですか?」と質問をすれば、半分以上が「原子」だと答えています。

今回は、そんな学習がしづらい原子物理のおすすめの勉強法を紹介していきます。

1.原子物理に取り組む前に、他の分野を理解しておこう

原子が難しいと思われているのには、ある大きな原因があります。

そもそも、「古典物理学」と「量子力学」という言葉を聞いたことがあるでしょう。元々は身の回りの物体について、その運動を数式で解明しようとしているのが古典物理学でした。それを宇宙などのとても大きい規模に適用し、その後原子や分子などのとても小さい規模にも適用しようとしました。

とても大きなオーダーに対してはある程度古典物理学で対応できましたが、とても小さいオーダーについては、古典物理学では全く太刀打ちができず、それを説明するためにできたのが量子力学です。

これからわかるように、原子物理の分野で学習する量子力学は、古典物理学の発展と言えます。

逆に言ってしまえば、古典物理学がきちんと理解できていない状態で、その発展である量子力学を理解できるわけがありません。

原子物理はそこまで出題頻度が高いわけではないので、焦って取り組もうとする必要はあまりありません。まずは基本となる力学や電磁気学、波動の分野の学習をしっかり行うことが大切ですし、それらの分野を極めておくことが、結果として原子物理の理解を助けることにもなります。

焦って原子物理に取り組む前に、力学・電磁気学・波動の分野をきちんと理解しておきましょう。

2.原子物理は出題される箇所がほぼ決まっている

ご存知の通り、原子物理は新課程で新たに学習すべき内容として追加された分野です。

そのため過去の入試問題を見ても原子物理からの出題はほとんどありませんし、どのような問題が出題されるかがわかりにくいかもしれません。

しかし実は今から20年ほど前、原子物理は高校物理で学ぶべき内容として、学習指導要領に入っていました。そのため、当然のように原子物理も大学入試で出題されていたので、どのような問題が出ていたのかを知りたい方は、ぜひ一度確認してみるといいかもしれません。

実際に確認すればわかるのですが、原子物理で出題される問題はほとんど決まっています。

・光電効果・コンプトン効果

・ブラッグ反射

・ボーアの量子条件

・水素原子スペクトル

この5つ程度です。しかもこれらは、一度学習すればほとんどもう学習が済んだようなものです。

なぜなら、これらはもうすでに一度学習しているからです。

力学や電磁気学、波動で習ったこととそっくりです。量子力学のため、エネルギーの表し方が若干異なる程度で、一度理解しておけばすんなりと解けるようになるはずです。

3.原子物理は「捨ててもいい?」

原子物理は正直出題頻度もかなり低く、「よくわからない分野」だと思っている受験生が多いので、よく「勉強しなくてもいいですか?」「捨てちゃうのもアリだと思いませんか?」という声を聞きます。

確かに捨ててしまうのも一つの手かもしれませんが、もし原子物理が出題されて、「やっぱり勉強しておけば…」と後悔してしまう可能性もあります。

私は勉強すべきかどうかと聞かれたら、もちろん学習するべきだと答えます。

というのは、原子物理は出題される分野がほとんど決まっているので、捨ててしまうのはもったいないですし、そもそも一度学習している分野の考え方で解けるので、「苦手→得意」にしやすいのが原子物理です。

もしあなたが、「原子物理はよくわからないからなあ。」と思っているとします。それは結局、あなたのライバルである他の受験生も、同じようなことを考えています。

でもここで踏ん張って学習をしておけば、他の受験生にはない、大きな得点源を手に入れることができます。

ここであなたが原子物理の勉強をするかどうかが、武器が一つ手に入るか、それとも武器を捨てることになるかの境目になるのです。

4.原子物理の勉強法

原子物理はあまり出題頻度も高くないので、全ての範囲を網羅的に学習する必要はありません。

頻出の上記5つと、プラスアルファで原子核反応を理解しておけば、大学入試ではほぼ満点に近い点数を取ることができます。

基本的な流れは、教科書や参考書で公式や解き方をインプットしてから、問題集でアウトプットするという流れでOKです。

しかし原子物理では出てくる公式が少ないので、公式を覚えるのにほとんど時間がかからないと思います。というか時間をかけないでください。

解き方を教科書や参考書などで見たら、早速問題集でアウトプットします。

原子物理はあまり学習すべき内容もないので、3日もあれば、まったく知識0の状態から入試レベルまで実力を高めることができます。

あまり時間をかけすぎず、効率的に力をつけていきましょう。

5.まとめ

今回は、原子物理の勉強法を紹介してきました。

原子物理自体は概念を理解してしまえばそこまで難しいものではなく、出題される問題もほぼ決まっているので、得点源としやすいおいしい分野です。

とはいえ出題頻度が多い分野でもないので、時間をかけすぎずに効率よく実力をつけていきましょう。

著者情報

究進塾 編集局

究進塾 編集局
東京・池袋にある究進塾の編集局です。受験指導のプロが大学受験に役立つ情報をお届けしています。 大学受験対策コースはこちらからご覧いただけます。
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