信頼できる文献を探すには?説得力のあるレポートで評価をあげよう!

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近年、大学の総合選抜型(AO)入試や、高校の課題で、じぶんで調べて小論文をまとめる「レポート」のウェイトが増してきています。

文科省は自発的な学習の推進をかかげていますから、これからますます、「調べて論じる」タイプの課題・試験は重要になっていくでしょう。

ある程度しっかりとしたレポートを書くためには、信頼のできる情報を引用する必要があります。しっかりとした情報源に依拠することで、論の説得力もぐんとあがり、評価する側からしても点数をあげやすくなります。

しかし、まだ調べ学習に馴染んでいない人にとって、目の前の情報が信頼できるものなのかどうか、その基準がなかなかわからないものです。

この記事では、一般的にどのような情報ならレポートに使うことができるのか、それを判定する基準を解説していきます。

引用すると悪印象?避けたほうがよい情報とは

レポートを書くにあたり避けるべき情報は、なんといっても、「発信源不詳の情報」です。

SNSや動画メディアなどでは、明らかに本名ではないアカウントで情報を発信するひとがいます。レポートのように客観的にみとめられる根拠を提示しなければならない場では、このように誰が書いたかわからないものは使えません。

また、本名を使っていたり顔写真を使っているからといって、信用度があがるわけではありません。

テレビで有名なお笑い芸人が政治について私見を述べていても、それを根拠として引用することはできないわけです。それは、レポートの根拠になる情報は、個人の意見ではなくて、学問的な水準を満たした信頼性の高いものでなければならないからです。

そのため、非専門家の私見を根拠とするのは基本的に避けたほうが賢明です。

もちろん、以上のようなあまり客観的信頼性のない情報も、そこからアイディアをもらうためには役に立ちますし、その点で立派なものもいっぱいあります。

しかしあくまでもそれはきっかけ。自論の根拠としてもちいるのはリスクが大きいと言えるでしょう。

「本からの引用ならOK」は危険

さてそれでは、書籍からの引用であれば信頼ができる、と考えているひともいるかもしれません。しかしその考え、実は結構危険です。

書籍として出版されているもののなかにも、じつは学術的な信頼性の低いものはやまほどあるからです。

具体的な出版社や書名をあげることは控えますが、学術目的よりは商業目的でかかれたなんちゃって学術本には注意が必要です。こういうのは専門家の目からみればすぐにわかってしまいますから、そういった本を根拠としているレポートの信頼性も失われかねません。

そのため、本を引用しておけばOK、書店や図書館でおすすめされていた本なら大丈夫、というふうに考えるのはやめておきましょう。

では、どうすれば信頼できる本を見つけられるのでしょう?実はそれは、ポイントを押さえておけばかなり簡単なことなのです。

次からは、カギとなる2つのチェックポイントを紹介します。

信頼できる本を選ぶための2つのポイント

ポイント(1)著者の学歴・所属で信頼度をはかろう!

大抵の書籍は、いちばん最後のページ(奥づけと呼ばれます)の周辺に執筆者紹介がついています。

そこには、執筆者の所属・学歴・専門・経歴・業績などの情報が羅列されています。経歴や既刊本の多さに圧倒されてはいけません。その手の情報はあまり学術性に関係がないからです。見るべきは、著者の学歴所属です。

◆著者の学歴をチェック!
といっても、大事なのは偏差値の高い大学を出ているかどうか…とかではありません。むしろそういう情報はたいがい無視してよいです。

大事なのは、著者が大学院(修士・できれば博士)を出ているかということと、専攻がその本のテーマに合っているか、この二点です。

大学院を出ているかどうかは、著者がアカデミックな専門知識をちゃんともっているかどうかを判定するためです。

また、専攻と大きくことなるテーマで本を書いている場合も注意が必要です。たとえば、文学を専門とするひとが書いた情報科学についての解説書なんかは、あまり鵜呑みにしないほうがよいかもしれません。(もちろん、あくまでも文学研究者として情報科学への文学的アプローチをやっているなら別ですが、情報科学の専門家のように振る舞っている場合には注意が必要です。)

◆著者の所属をチェック!
所属というのは、現在著者がどこの大学・研究機関に在籍しているかを示すものです。

肩書きとしては、「〇〇大学非常勤講師」「特任研究員」「専任講師」「助教」「准教授」「教授」「名誉教授」あるいは「〇〇研究所研究員」とか、いろいろありますが、それはなんでも結構です。

べつに名誉教授が書いた本が非常勤講師が書いた本より説得力のあるものとはかぎらないからです。(むしろ、あまり身分のない若手のほうが、引退した大先生より最新の専門知識をもっているということはよくあります。)

大事なのは、著者がアカデミックな所属をもっているかどうか、この一点です。どんな身分でも、所属をもっていればいっぱしの研究者ですから、その本のテーマについて精通していると言えます。

所属がないひとの本のすべてが信頼の置けないものということはまったくないのですが、良し悪しを見分ける目が育つまでのあいだは、所属をもっているひとの本を優先するのが賢明でしょう。

ポイント(2)出版社・シリーズで信頼度をはかろう!

著者情報も大事ですが、それと同じくらい、出版社も重要です。

もちろんこれも、大手がよくて中小がダメ、みたいな話ではけっしてありません。学術的に信頼性の高い本を安定して供給している出版社・シリーズを選ぼう、ということです。

具体的には、「講談社学術文庫」シリーズや、「平凡社ライブラリー」シリーズ、「岩波新書」シリーズや「ちくま学芸文庫」シリーズなどなど、なんとなくお堅いイメージのある出版社・シリーズは安定感があります。

あるいは、「法政大学出版局」や「京都大学学術出版会」「東京大学出版会」など、大学系の出版社も安心感がありますね。

ただ、はじめてみる無名の出版社でも、実は知る人ぞ知る出版社だったりすることもあります。そういう場合には、その出版社・シリーズのHPにアクセスしてみるのが良いでしょう。

そこで、既刊案内をチェックすることで、これまでどういう本が出ていたのかをすぐ確認できます。

いかにも商業出版のようだったらちょっと警戒が必要ですし、反対に、学術的な書籍をたくさん出版してきた実績があるなら信頼できます。

著者情報だけからではなく、出版社の情報からも信頼性のある文献にたどり着けるようになると、文献探しが楽になります。

WEB上で信頼性のある情報を探し出すためには?

さて、信頼性のある本の選び方を見てきましたが、最近はWEB上にもかなり信頼性の高い情報がごろごろあります。

ただWEBの場合、さっきも言ったように発信元が不詳の情報や、最悪の場合「フェイク・ニュース」もあります。そのなかで信頼性のあるものをかき分けるためには、情報の発信源がどこなのかをちゃんとチェックすることが大事です。

だいたい、WEBサイトならばコンテンツの外部、ページ上のヘッダー部分か下のフッター部分に、発信源についての情報があります。

信頼できる発信源というのは、国の機関、大学などの研究機関などの公的な機関。それから、一部の新聞社などのマスメディアです。

国の各省庁は、わりと頻繁に予算や調査などのデータを公開しています。

大学でも、一般向けの研究情報共有(アウトリーチ活動)のために、研究成果の解説などを公開していることがあります。

新聞社は、もちろんスポーツ新聞などは学術的には微妙なのですが、読売新聞や朝日新聞のような大手の情報ならば、基本的には根拠として使えます。

そのほかにも、民間の一般企業が公開しているデータや情報も使えることがありますが、その企業の調査が信頼できない場合がないでもないので、必ずしも鵜呑みにしないほうが安全です。周りの先生などに相談できるならしてみたほうが良いでしょう。

まとめ

【説得力のあるレポートを書いて評価をあげるには】
・信頼できる情報を根拠とするのが大事。
・フェイク・うやむやな情報に引っかからないために、SNSなどはできるだけ避けよう

【書籍の信頼度を図るには】
・(1)著者情報と(2)出版社に注目しよう。
・著者の学歴専門分野は大事な指標。
・出版社やシリーズを選ぶときも、商業向けではなく学術向けのものを選ぶと安心。
・WEB上で情報を探すときは、できるかぎり公的な機関が発信しているものを選ぼう。

不安なときは、身近な先生などに相談を!

著者情報

究進塾 編集局
東京・池袋にある究進塾の編集局です。受験指導のプロが大学受験に役立つ情報をお届けしています。 大学受験対策コースはこちらからご覧いただけます。
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