勉強をやる気が起きない受験生へ!今日から使える方法まとめ
受験をレースとするならば、やる気はガソリンです。
最短ルートを走ろうとする(=勉強法を研究する)人は多いですが、やる気を研究する人は少ないです。しかし、もしやる気を出してたくさん勉強ができたら成績が上がることは当然です。一度受験の最大の敵であり味方である「やる気」そのものに焦点を当てて、根っこからじっくり考えてみませんか?
このページでは、やる気が途切れてしまう原因のうち殆どの人が悩んでいるものを3つ挙げ、それぞれの解決方法をまとめました。
1.やる気がでない原因と解決方法
以下の2つに分けて説明します。それぞれ、内的要因(自分の頭の中の問題)と外的要因(自分の頭の外の問題)です。
その前に、共通するエッセンスを説明しておきます。
・強制力
強制的にやらざるを得ない状況をつくる。やる気なんて関連しない次元に持っていく。
– 周りがみんな勉強している図書館へ行く
– 次のテストで90点取ると宣言する
– 教材をまとめて買ってしまう
・自動化
「自動的に進むような仕組みを作ること」です。何を勉強しようか迷うのは無駄なので、勉強する時間割を決めておいて、後はこなすだけにしましょう。迷う時間を減らすことです。
・快楽化
勉強を楽しくする。人間の行動は、大きく2つの要素で決まります。
1.快感であるか
2.役に立つか
このどちらかに当てはめれば、やる気が出ることになります。「役に立つこと」は当たり前なので、「楽しくすること」を考えます。その上で役立つのが、ゲーム化してしまうことです。つまり、
・目標
・ルール
を設けたうえで、勉強を楽しくするのです。
例えば、「今日中に問題集の問題を15問解く!達成できたらコンビニでアイス買って食べる!」という風に、簡単に言うと「自分ルール」を作ってゲーム感覚で勉強するのです。
すると、ただ漫然と勉強するよりはやる気が湧いてくるはずです。
1.1学習的無力感(内的要因)
◆学習的無力感とは
あなたのやる気を奪う学習的無力感の説明に入る前に、「学習の理論」について説明します。
学習の理論とは、簡単に言うと、「行動の後でよい結果が得られると、またその行動をするようになる」という脳の特徴です。そして学習的無力感とは、ある行動の後で悪い結果になってしまい、その行動をしたくなくなってしまうことです。こんな負のスパイラルに陥った時、一体どうすればよいのでしょうか。
◆解決方法
勉強をするといいことがある、と自分の脳に教えることが重要です。そのためには、「勉強をした後にいいことがある」という状況を自分で作る必要があります。どうやったら勉教を楽しくすることができるのか、考えてみましょう。「しなければ」「するべき」でなく「したい」にすることが重要です。義務感だけでは長続きしません。
具体的な方法をいくつかご紹介します。
・ご褒美を用意する
「勉強が終わったら漫画を読む」など、自分でご褒美を用意しましょう。「模試の偏差値が50を超えたら映画を見る」などと長期的な目標も決めると、より一層達成感を味わえます。成績はすぐに伸びるものではないので、勉強量そのものへのご褒美と勉強成果に対するご褒美を両方用意することが有効です。ポイントは、「キツイけど、少し頑張れば達成できる目標」を用意することです。適切な難易度にすると、一番達成感が強くなります。
ゲームに熱中するのも、適切な難易度が設定されていて、敵を倒して達成感を味わえるからです。敵が弱すぎたり、いくら頑張っても倒せないと、やめてしまいますよね。小さな目標を設定していって、「勉強のゲーム化」をしましょう。敵は模試、制限時間は1年、勉強で経験値をためてラスボス(志望校)を倒すゲームです。全国にプレイヤーがいて、みんなライバルです。どちらにしろやらなきゃいけないことなので、どうせなら楽しくしてみましょう。
「目標の設定➔達成➔ご褒美➔やる気up➔さらに高い目標を設定」のサイクルを自分で作っていけば、やらされている感も減っていきます。
厳密な話に入る前に楽しい話題を聞くのもいいです。「数学を極めて、ゆくゆくはロボットを作る」とか。世界中でそのロボットが活躍しているイメージをしながら、勉強しましょう。
・心理的負担を減らす
「やらなきゃ」という義務感が強くなると、逆にやる気が無くなってしまいます。特に、「やるなら一度にたくさん進めないと」と思っていると最初の一文を解くのさえ面倒になってしまいます。こんなときは、まず一問でもいいからとりかかりましょう。するとだんだんやる気が湧いてくるのがわかると思います。とりかかりやすくすることが大事です。近くに参考書を置くことも有効です。
勉強に取り掛かるまでの「やらなきゃ」と思っている時間が一番疲れる時間です。休憩するときは頭を空っぽにして休憩し、勉強すると決めたら一瞬で集中モードに入るようにしましょう。トイレに単語帳を置いたり、部屋に単語を貼り付けておくなどすれば、ふとした瞬間に勉強に入れます。
・勉強記録をつける
シンプルで良いので、記録をつけましょう。勉強時間を記録する際はグラフにしてみるなど、目で見てすぐわかる記録方法のほうがやる気に繋がります。過去の勉強記録を見ることで、「これだけやったんだ」という達成感につながります。
勉強が好き、嫌いという感情は、過去の経験から作られます。ご紹介した方法を実践することで、少しずつ勉強への意識が変わっていくでしょう。
1.2気が散る(外的要因)
次に、「頭のなかでは勉強できる準備は整っているけど、他の要因で集中できない」状況を考えます。
◆気が散るのはなぜか
気が散る原因は、「気が散るような環境が作られてしまっていること」です。
たとえば以下の様なものです。
・スマホなどの誘惑が多い環境で勉強している
・終わらせていない宿題がある
・テレビの音がうるさい
このような場合、どうすればよいのでしょうか。
◆解決方法
こちらは、物理的に解決することが可能です。
具体的には、「気が散る要因をすべて排除する」ことです。
スマホは勉強中には手の届かないところに置きましょう。終わらせていない宿題があるなら、早めに終わらせておきましょう。先延ばしに関する有名な法則である「エメットの法則」によると、「課題を先延ばしにすることは、片付けることの倍のエネルギーを要する」のです。
抱えている宿題を先に片付けたほうが、より集中しやすくなります。また、テレビは消しましょう。気が散りながら勉強するよりは、一気に集中して勉強し、そのあとでテレビを見たほうが効率的です。
能動的にやっている感じも重要です。声に出して読む、書くなどして、読むだけの勉強をやめましょう。
自分では集中できる環境が整っていると思っていても、案外誘惑は多いもの。自分が勉強を中断してしまう時は毎回どこに目がいってしまっているかを把握し、集中できる環境を整えましょう。できれば記録を取るのが良いです。一週間で7回もスマホに気が散っているなら、スマホは何が何でも遠くに置くべきだとわかります。
また、勉強に取り掛かるまではやる気がしなかったけど勉強し始めてしまえば案外集中は続いたという経験は皆さんあるでしょう。やる気は、勉強しているうちに出てくることも多いのです。一度集中状態に入ってしまえば、案外続いてしまいます。
つまり、勉強に集中するまでの時間に一番エネルギーを使うのです。
疲れる前に休憩することも必要です。「ついスマホを見てしまって勉強をやめる」ということを少なくし、能動的に勉強時間を管理する習慣をつけましょう。
勉強に飽きないようにするには、いろいろな科目を勉強することも有効です。「もうちょっと勉強したい」くらいで休憩をとっても良いでしょう。
勉強道具を好きなものにするのもいいです。ペンが丸くなるとストレスになるので、クルトガがいいです。こういう小さいところが意外と大事です。
ストレスの最小化、プラスの最大化がコツです。
勉強に集中するまでに使うエネルギーを少なくするにはどうすればよいのでしょうか?
有効なのは、「何をすればいいのか迷う時間を減らす」ことです。自習でも時間割を決めるなどして、勉強にすぐとりかかれるようにしましょう。また、制限時間を設けることも効果的です。音楽を聞いているのであれば、「このアルバムが終わるまでに5題終わらせる」などと決めておきましょう。
1.3そもそもやろうとしていない
これはそもそもの問題ですが、本当に勉強したいと思っていますか?「先生がやれというから、わけもわからず勉強している….」という人も多いでしょう。そういう人は、まず本当に勉強したいという気持ちになることが大切です。
例えば、以下の方法を試してみてはいかがでしょうか。
・大学について知る
ネットで調べたり先輩の話を聞いたりして、大学生活のイメージを膨らませましょう。「この大学に行きたい!」という気持ちが起これば、自然に勉強に気持ちが向かいます。
サークルのHP には楽しそうな写真がたくさんあります。バイトについて調べるのも良いです。自分のやりたいことであり、かつその大学に入ったらできることを見つけましょう。写真の載っているサイトを見ればよりイメージが湧きます。
・危機感を持つ
「火事場の馬鹿力」という言葉があります。プラスの動機も必要ですが、危機感はかなり大きなエネルギーになります。仮に試験前日のようなやる気が毎日続けば、それは相当な成果に繋がるでしょう。「毎日を試験前日のような気持ちで過ごせ」とまでは言いませんが、受験日までのカウントダウンや模試の判定をを机に貼っておくのも有効です。焦りのパワーを上手く使えるような工夫を考えてみましょう。
ネットには「不合格体験記」もたくさんあります。掲示板などで落ちた人の買い込みを見ても、やる気が出るでしょう。逆に受験生に向けた名言もたくさんあります。色々調べてみましょう。
・理想の自分像を描く
あなたは将来どんな人になりたいのですか?大学に入学した後は、どんな生活をしているのでしょうか?言葉とイメージで、具体的に映像を思い浮かべてみましょう。
「医学部に行きたい!」という人は、「医者になっていろんな人の病気を直してあげたい!」という目標があるから、医学部を目指すわけです。根っこの欲求に帰って考えることが大事です。
残念ながらこの社会は、出身大学や学部によって将来の選択肢が絞られてしまうことは紛れもない事実です。受験勉強をあなたの望む未来を手に入れるための手段だと思えるようになれば、格段にやる気が出るのではないでしょうか。
周りの大人が揃って「勉強しろ」と言うのは彼らがそれくらい後悔しているからです。胸を張って「受験はやりきった」といえるような大人になりましょう。
・本心からの動機
かっこいいことを言った後でなんですが、動機はかっこいい必要はありません。むしろ、不順な動機の方が長続きします。「女の子にもてたいからこの大学に行く!」でも全然大丈夫です。重要なのは、本心なのかどうかです。「立派な大学に入って、立派な会社に入りたい」なんて本心から思っている高校生がどれだけいるでしょうか?あなたの本心をエンジンにしましょう。
また、関連するものを好きになるのも手です。三国志を見て歴史好きになる、文豪のバトル漫画を見て歴史が好きになる、数学ガールに萌えて数学好きになる、なんでもいいので、関連商品から手を伸ばしましょう。ハリーポッターを原書で読みたい、ゲームが好きだから作るなど、なんでもいいです。
できればこのステップは、早めにやっておきましょう。高校二年生の内が理想的です。ギリギリの時の踏ん張りが違ってきます。
2.おまけ
役立つアプリなどのご紹介です。
勉強の内容報告に特化したSNSです。励まし合いながら勉強できますし、参考書の情報も手にはいります。Twitterと連携もできるので、勉強アカウントを作るのも良いかもしれません。
・勉強太り
勉強時間を記録するアプリです。勉強時間が増えると、シュールな見た目のキャラが太ります。遊びココロがあって面白いアプリです。
・i暗記+
単語帳を作成できます。満員電車で教科書を広げて勉強する必要が無いので良いです。
ボイスレコーダーです。録音ができます。古文単語や無機化学などの暗記物はこれで通学中に覚えましょう。
メモアプリです。フォルや検索機能が充実しています。科目ごとにフォルダを作って、疑問点や暗記事項をメモしましょう。
Evernoteの内容を読み上げてくれます。ディクタフォンと似ていますが、こちらはノートの内容を覚えたい時に使います。
勉強系のアプリはすぐに開ける位置に、娯楽系は奥の方にしまいましょう。
3.まとめ
いかがだったでしょうか。勉強法も大事ですが、まずはやる気が無いことにはどうにもなりません。以上を参考にして、どうすればやる気を出して勉強することができるのか、一度腰を据えて考えてみましょう。明日からの姿勢が、目に見えて変わるかもしれませんよ。