国立二次試験「英語」の筆記試験対策を具体的に解説します

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大学入試を受ける上で避けて通れない科目が英語だというのは今更言うまでもないでしょう。文系理系かかわらず、もはやどの大学・学部を目指しても必須といえる科目ですが、二次の筆記試験対策に関して曖昧な生徒も少なくないのが事実です。

この記事では二次試験英語の対策法についてお話をします。

どの大学・本質的な対策は同じ

京大の英語のような、難解でネイティブですらすこし頭を抱えるような英文和訳問題は例外ですが、大方どこの大学・学部であっても英語の二次試験は本質的なところは同じです。

その本質ですが、「いかに文章を論理的に読み進めていけているか」という点です。
この言葉には、別の言い方がありまして、「いかに少ない時間で大意を掴むことができるか」というものです。

「論理的に読む」と「大意を掴む」を対立する読み方、または両立が難しい読み方と考えている生徒も中にはいるかもしれません。

しかし、これは「全く同じ意味」と言っても差し支えないですし、そうなるように読み進めなければなりません。

「速読」=「論理的な読み方」

まず、「速読」の概念を一から考え直してみましょう。少なくとも、英文読解問題における「速読」は、「本一冊を30分で読む」といった「日本語」の速読とは違うというのは、分かると思います。

大学入試でよく言われる「速読」とは、パラグラフごとに大意を掴んで(パラグラフリーディング)、文章全体の構造と主張を読み解くというものです。

英語の文章はルールとして、1つのパラグラフに1つの要旨(トピックセンテンス)入っています。それを探りながらパラグラフごとの要旨を掴み、パラグラフごとの要旨をつなぎ合わせて全体の流れと主旨を読むというのが、英文を論理的に読む上での1つの嗜みです。

全体の流れを掴みながら読むのは論理的な思考が必要で、論理的な読み方ができるからこそ、「大意を掴む」=「速読」ができるのです。

よって、「速読」と「論理的な読み方」というのは、両立し得るもの、両立するはずのものなのです。逆に両立させることができないのでしたら、それは「間違った読み方」です。

しかし、ここで「大意をつかむ」という言葉を誤解している受験生が多くいるのも事実です。これが、「速読」と「論理的な読み方」が両立不可能に見える一つの要因となっています。

大意を掴むとは

英語の参考書、特に膨大な英文を出すセンター英語や早慶上智の英語の参考書には、「細かく読まず大意を掴んでいけ」とよく書かれています。

しかし、「大意をつかめ」というのは、決して「斜め読みをして、なんとなく意味を掴め」という意味ではありません。

確かに、センターや早慶上智の英語は、英文が膨大な割には設問の選択肢は素直なものが多く、「なんとなく」読み進めていっても、6割7割はとることができます。また、早慶上智では、それが一つの攻略法になっているのも事実です。

しかし、センターでそのような解き方は到底奨励できませんし、国立二次の筆記では通用するはずがないことは言うまでもないでしょう。

「大意をつかめ」というのは、上でも話しましたが、「パラグラフリーディングをする」という意味です。

パラグラフごとにトピックセンテンスを見つけるというのは、論理的に読み進めていかなければなりません(これについては以下に話します)。

そして、トピックセンテンスを見つけてしまえば、あとは、そのセンテンスの「肉付け」に過ぎませんので、ここで「斜め読み」ができるのです。

「斜め読み」をして大意を掴むのではなく、その逆で「大意を掴んだ」からこそ「斜め読み」ができるのです。そして、「大意を掴む」ためには「論理的読解」が必要なのです。

つまり、簡単に言うと、以下をイメージしてもらうと分かりやすいと思います。

「論理的読解」→「大意を掴む」→「斜め読み」

以上のように、論理的に読み進めているからこそ、「速読」ができるのです。英語二次試験の読解問題で、回答が速い人は正答率も良いはずです。

若干極論にもなりますが、大学入試二次試験英語では、「回答が速いかつ正答率もよい生徒」と「回答が遅いかつ正答率も悪い生徒」と2つのタイプに分かれがちと言ってもよいでしょう。

パラグラフリーディングの方法

さて、パラグラフごとに「トピックセンテンスを見つける」と言いましたが、「具体的にどうすればいいの?」「論理的な読み方って具体的に何?」と思っている生徒も多いと思います。

国語や英語の参考書で「論理的な読み方」を具体的に説明しようとする参考書は多く書店に置かれていますが、説明が詳しくなればなるほど奥が深く、結局「抽象的」になってしまっている感が否めません。また、人間の思考的に至極当然のことも科学的に書くので、この手の本は読む人を選びます。

そこで、ここでは必要最低限かつ最重要で、「これだけ覚えていればいい方法論」について紹介します。

トピックセンテンスは「大体」最初の文章

これは耳にしたことがある人も多いと思います。英語の文章は、最初に「主張」から入り、そこから、その「主張」の正当性を示す「具体例」「理由」「反論とそれに対する反論」を以下に述べていきます。

したがって、トピックセンテンスを探すことは、英語においてはさほど難しくなく、「最初の文」に注目すれば、「大体」それがパラグラフの要旨(トピックセンテンス)です。

しかし、これは「大体」であることが曲者です。特に「導入部」にあたる最初のパラグラフは、最初に具体例から入り、「最後」がトピックセンテンスになることもよくあります。

出鼻から「早速参考書と言っていたことと違うじゃん!?」と思う受験生も多いと思いますが、ここは柔軟に構えて「例外は案外沢山あること」を留意しながら柔軟に読んでいきましょう。読んでいくうちに慣れてきます。

実はトピックセンテンスの肉付け部分も大事

「肉付け部分」はトピックセンテンスの「具体例」「理由」「反論とそれ対する反論」になる部分なので、パラグラフの主旨が掴めた以上、これらは読み飛ばしても構いません。しかし、「読み飛ばし方」というものがあります。

ただ適当に読み飛ばすのではなく、「肉付け」となるセンテンスを、「これは『具体例』、これは『理由』、これは『反論とそれに対する反論』」という風に、その「肉付け」が何に分類されるのか、そのパラグラフにおいて、どのような機能を果たしているのかを1回1回確認してから読み進めてください。

このことにより、パラグラフの「主旨」の意味がより固まります。

英語に限らず、「主張」というものは、より「抽象的」であろうとします。そのことによって、より広い範囲で自分の主張を適応させることができるからです。恐らく、トピックセンテンスだけでは抽象的すぎて、「?」となる生徒も多いと思います。その時に役に立つのが「肉付け」の部分です。

特に「具体例」は「主旨」の「言い換え」ですので、英文読解においてかなり便利な箇所です。例えば「主旨」に分からない単語があったとき、「具体例」にはその単語がどう言い換えられているのかが書かれているので、その意味を推測するという高度な読解術を扱うことができます。

また、読んでいく文に対して「具体例」「理由」「反論とそれに対する反論」と名前を付けることによって、その文をトピックセンテンス候補から除外することができます。この読解法が使えると、トピックセンテンスがパラグラフの頭になくても戸惑うことはありません。

筆記問題の解き方

さて、上2つの項で、二次英語では「大意を掴む(論理的に読み解く)」ことが重要だと述べました。それでは、この項ではそれを踏まえて、設問の解き方について見ていきましょう。

筆記問題の肝となるのが「パラグラフリーディング」

筆記問題では具体的にどのような問題が出るのでしょうか。一見無限に出題方法があるように見えて、よく考えて見るとそこまで多くないことが分かるでしょう。

筆記問題で出される問題は

  1. 下線部の理由を答えなさい
  2. 下線部から読み取れる筆者の主張を説明しなさい
  3. (文全体/パラグラフを)要約しなさい
  4. 筆者が下線部のように述べた意図を答えなさい
  5. 下線部は何を示しているのかを答えなさい
  6. 下線部を訳しなさい

筆者が思いつく限り書いたのが以上です。これからまだ1つか2つか出てくるかもしれませんが、大体この6つを解く練習をしていれば対策になるとは思えないでしょうか。過去問を解いていく中で、他の問題に遭遇したら、それもこのリストに加えて対策しましょう。

そして、これらの問題は、「パラグラフリーディング」と「肉付け」をしっかりと見ながら読んでいれば、全く怖い問題ではありません。

以下にそれぞれ解法を述べます

  1. 「肉付け」の「理由」の部分を抜き出す
  2. 「トピックセンテンス」を抜き出す
  3. 「トピックセンテンス」を抜き出す/つなぎ合わせる
  4. 下線部が「理由」「具体例」「反論とそれに対する反論」なのかを判断する
  5. トピックセンテンスから単語/文/節を抜き出す
  6. 分からない単語は具体例から対応部分の同じ単語を探す

このように「パラグラフリーディング」ができている時点で、既に答えは出ているのです。万一上で挙げた問題以外のものが筆記問題で出てきても、「トピックセンテンス」と「肉付け」をしっかり取りながら読んでいれば問題ないでしょう。

筆記試験には日本語力が重要

大体の国立二次英語は上の解法で事足りるでしょう。英文そのものの難易度の違いはありますが、問題自体は難易度に大差ありません。

仮に一橋、東外大のように、設問が一見複雑なように見える問題も、しっかりと「パラグラフリーディング」をしていれば、ほとんど難易度に違いを感じないないと思います。(英文は読めるのに)設問自体に難易度に違いがあると感じる場合、「パラグラフリーディング」ができていない可能性があります。

他の大学の入試問題は、特に「パラグラフリーディング」を意識していなくても、なんとなく解けていた問題が、国立上位になるとそうはならないだけです。しかし、「パラグラフリーディング」がしっかりできていれば、上記の設問例のように、筆記問題で難しい問題を出しようがないので、簡単に解くことができるでしょう

しかし、国立大学であの大学(だけ)は一筋縄ではいきません。

そう、「東京大学」です。英文の難易度的には、センターに毛が生えた程度でそこまで難しくありません。しかし、東大の英語は回答文字数が異様に短いことで知られています。

東大英語で出される要約問題は上記のようにトピックセンテンスを利用すれば答えを出すこと自体は簡単です。

しかし、その答えを普通に書いていては足りないくらいの文字数制限があり、東大受験生は英語力よりもこちらに苦しめられます。英語の語彙力よりも、短い表現でまとめられる日本語の語彙力の方が求められると言ってもよいでしょう。

しかし、これは東大だけが毎回このような英語の問題を出してくるとも限りませんし、どこの大学を受けるにしても、日本語の語彙力はあったほうが断然有利です。

日本語の単語力の付け方ですが、実は英語と変わりません。日本語の文を読んで分からなかった単語の意味を調べるだけです。

私たちは日本語を読んでいるとき、分からない単語が出ても、なんとなく読み飛ばしていると思いますが、そこをいちいち調べてください。案外普段何気なく読んでいる新聞や本などでも分からない単語が多く見つかることでしょう。

その分からなかった単語を1つ1つ自分の知識として頭に落とし込んでいくと、それが筆記試験において大きな助けとなるでしょう。

実は記号問題の方が難しい

ここまで読んでいただいた中で「記号問題の方が難しんじゃない?」と思った人は、よくこの記事を理解してくださった人です。

実はその通りで、記号問題の方が様々な形式の問題が作りやすく、対策が難しいです。その際たるが、でしょう。

これらの問題はむしろ筆記よりも具体的な方法論が見つかりづらく、見つかったとしても、出題者側はその解法対策にまた問題形式を変えてきます。

1問に対する点数の大きさからも「筆記」のイメージが強い国立二次でも、よく見てみると「記号問題の方が多い」ことがよくあります。

しかし、これらの問題でも回答の基礎となるのが「パラグラフリーディング」ですので、この記事で述べたことを問題演習で実践してみてはいかがでしょうか。

まとめ

筆記問題で肝となるのは、やはり「読解」の方です。英文を論理的に読むことができれば、設問自体は難しくありませんし、また回答速度・読解速度も速くなります。

パラグラフリーディングに関する記事・本はこの記事以外にも膨大にありますので、この記事を期にパラグラフリーディング習得への一歩乗り出してみてはいかがでしょうか。

著者情報

究進塾 編集局

究進塾 編集局
東京・池袋にある究進塾の編集局です。受験指導のプロが大学受験に役立つ情報をお届けしています。 大学受験対策コースはこちらからご覧いただけます。
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