大学入試の一つの壁「英単語の暗記」の効果的な方法

大学入試では、もはやどの学部を選ぶにしても必須科目といえる「英語」。英語の学習において最も重要なのは、「単語力」であることは今更言うまでもないですね。

しかし、この「単語の暗記」という受験勉強において最も単純な「作業」が最も曲者であることは、なんとなく分かると思います。この記事では英単語を効率よく暗記する方法についてお話をしていきます。

英単語が覚えにくい理由

まず、英単語がなぜ何回覚えても、すぐ忘れてしまうのかについてお話をしましょう。これは、「日本人だから」といった簡単な話ではありません。

英単語の暗記が作業になっている

冒頭で「作業」と言及してしまいましたが、実は英単語の暗記が「作業」になってしまっているところに、英単語暗記の難しさがあります。

「英単語と日本語訳を見て(書いて)覚える」

この極めて単調かつ単純な行いを「作業」ではなく、「学習」に変えるのは至難の業です。

単語を覚えるのが「作業」になってしまっている人は、その場で短期的にその単語を覚えても(短期記憶)、脳がそれを必要な情報として「長期記憶」に落としこまず、何度も覚えては忘れを繰り返す一因となっています。

人間の脳は優秀

人間の脳は、私たちの想像以上に優秀であり、脳が一度「必要な情報」として判断した情報は、一度見ただけで一生定着しつづけます。

あなたはゲームのキャラクターのパラメーター、クラスメイトの名前と誕生日、野球やサッカーのルール等は何度も繰り返し書いて覚えたでしょうか。これらの情報量は決して少なくなく、特にゲームの情報やスポーツのルール等は細かく本などに書き起こすと、それこそ教科書一冊分くらいになります。しかし、私たちはそれをなんなく覚えているのです。

それでは、英単語が覚えにくく、ゲームや人の名前、スポーツのルールが覚えやすいのでしょうか。いえ、そうではありません。例えば、野球に全く興味がない人に、野球のルールブックを渡して、「ルールを覚えて」と言われても、なかなか覚えられないでしょう。暗記の上で、肝となるのが、「興味を持って覚えているか」というところです。

英単語を覚えるための方法

これは英単語に限った話ではありませんが、効率よく物事を覚える方法は以下の言葉に集約されます。

「覚える意思があるかどうか」

これに尽きます。これが自然にできている人は、方法論は不要です。なぜなら、その時点で既に記憶術の終着点にたどり着いているからです。

しかし、「覚える意思を持て」と言われても、「具体的にどうしろと?」「そんなこと言われても面倒なものは面倒だ」という人がほとんどでしょう。そこで、体を強制的に「覚える姿勢」にさせる方法を考えなくてはなりません。

何度も繰り返して「ゴリ押す」

筆者が大手予備校で受験カウンセラーをしていた時に、生徒たちに言ってきた言葉です。

「何度も忘れるなら、覚えるまで忘れろ」です。

諸説ありますが、人間の脳は3~4回忘れると、次は忘れないと言われます(もちろん個人差はあります)。そこまで繰り返すと、脳が「覚えよう」という姿勢になるからです

そもそも、大学入試、特にセンター試験は英単語を単に「覚える」だけでは不十分です。筆者の目安ですと、最低でも10回以上は繰り返し覚えなければなりません

なぜなら、単語を見た時、「えっと、この単語の意味は…確か…あっ、あれだ!!」をやっていたら時間が足りないからです。

仮に英単語を見て日本語訳が浮かぶのが、平均1秒かかっていたら、4200単語相当あるセンター英語では、読むだけで70分かかってしまいます。しかも、一回も読み返さなかった場合です。これでは時間が足りなくて当然ですね。

しかし、日本語訳が浮かぶのがコンマ1秒早くなるだけで、7分節約できます。7分は大問1つ分の回答時間です。大学受験では、単語を単に覚えるだけではなく、掛け算九九のように瞬時に意味が浮かんでこなければなりません

そのくらいまで知識を頭に落とし込むためには、そもそも10回以上単語を繰り返し復習しなければならないのです(筆者は受験生に30周はしろと教えていました)。英語の勉強は受験学年からでは不十分で、普段からの積み重ねが必要だという理由はここにあります。

「単語帳を何度覚え直しても覚えられない」と嘆く受験生が多くいますが、そもそも受験対策においては、私たちが掛け算九九を覚えたときのように、何度も何度も繰り返し覚え返さないといけないのです。

英語を英語で考えるとは

少し話がそれますが、これは巷でよく言われる「英語を英語で考える」にも関連しています。「英語を英語で考える」の本当の意味を受験生、専門家を含めよく誤解されていますが、「日本語訳をするな」というのは誤りです。

私たちは、自分が知っている言葉でしか物事を考えられません。「ニュアンス」だの「概念」だの言っている時点で、日本語で考えています。また、人間の脳は、「曖昧」「抽象」「ぼやけた認識」を嫌います。(そもそもそのようなことは不可能ですが)日本語を使わず英語を勉強するのは、効率がものすごく悪いです。

では、「英語を英語で考えろ」「日本語訳を使うな」をどう解釈するのかですが、これは上記で述べたとおり、「単語を見た瞬間、日本語訳が出てくる」ということです。英単語を何度も繰り返し覚え直し、見た瞬間日本語訳が浮かぶようにしましょう。

例えば、私たちは8×8を見た時、頭が計算したい、したくないにかかわらず、64という数字が勝手に浮かんでしまいます。どれだけ「絶対に計算をしない」という強い意志を持っても、8×8を見て、64を浮かばないようにするのは不可能ですよね。英単語もそのようになるくらいまで繰り返し覚え、頭にしみこませなければならないのです。

「英語を英語で考えろ」で良く引き合いに出されるappleという単語も、どれだけ「読まない」という強い意志をもっても、appleを見た瞬間、無意識のうちに「りんご」が思い浮かんでしまいますよね。

その域まで達すると、あたかも「日本語の過程をすっ飛ばした」という感覚になるのです。しかし、その時も日本人は日本語を使っています。いわゆる「英語を英語で考える」という境地に立つためには、何度も「日本語」で繰り返し勉強することが重要なのです

ジャンルを絞って英文を大量に読む

受ける学部が定まっている人は、その学部関連の英文、過去問を大量に読みましょう。次第に頭の中で覚えるべき単語が定まっていき、無意識のうちに重要単語を覚えることができるでしょう。また、この学習法は学習方法が単調ではなく、「作業」になりにくい点でも有効です。

また、一度読んだ文は何度も音読をして読み返しましょう。同じ文ばかり読んでも読解力がつかないように思うかもしれませんが、「知識を定着させる」という観点では、この勉強法が最も有効です。時間をかけて1つ文章を読んだあと、また別の文を一から時間をかけて読み返すのは非効率的です。

そもそも同じジャンルの英文は使われている表現が違うだけで内容はほとんど同じです。受験上位層は、最初の数文読んだだけで結論を予想することができます。

英作文を練習する

特に二次試験で自由英作文を課している大学・学部を志望している人は、英作文を毎日行いましょう。

英作文は東京外国語大学のような例外を除き、配点は比較的低く、あまり対策しない受験生も少なくないですが、これはかなり勿体ないです。

(自由)英作文対策最大の特徴は自分で必要な単語・文法を自発的に勉強できるところです。英文読解・文法問題・リスニングでは、どうしても覚える単語・文法が受動的になってしまいます。与えられた項目だけを覚えるのは面白くなく、暗記能率も大幅に下がります。自分が使いたい単語、表現したい表現を自分から作るという行為は、暗記において最も重要な「必要を感じて覚える」という意識付けにもなります。

覚えるという行為に何か別の行為を挟む

この方法は、覚えるという行為を「作業」にしない点で有効です。例を挙げるなら、腹筋をし、頭を下につけた時に英単語、上に起こしたときに日本語訳といった感じです。方法は何でもいいです。とにかく何か一つアクションを起こしましょう。

漫画「ピアノの森」では、主人公の「一ノ瀬カイ」が勉強をするときにノートを使わず、家中に落書きをするように勉強をしていた描写がありました。「あの知識はたしか机の下にこんな体勢で書いていたな」というように、知識と記憶の間に1アクション起こすことで、効率よく覚えています。

しかし、これはあくまで「暗記」する上で有効なだけであり、「定着」させるためには、やはり何度も何度も繰り返し覚え直すことが必要となります

単語を暗記する上で便利なツール

この項では、英単語を暗記する上で非常に便利なツールについて紹介していきます。是非とも有効に利用しましょう。

グーグルスプレッドシート

文章を読んで、分からなかった単語と日本語訳をノートや単語カードにまとめる勉強法をとっている人には、非常に有効なツールです。特におすすめのツールですので是非とも利用してください。

グーグルスプレッドシートにはグーグルトランスレート関数というものがあり、セルに入力した英単語を自動的に日本語訳してくれる非常に便利な機能があります。これで単語カードを作る手間が大幅に省けます。ツールの作り方は後に説明するとして、まずこのツールの機能について見ていきましょう。

 

これがそのツールとなります。

1

英単語の欄に日本語を入力すると

2

日本語訳が出てきます。

3

分からない単語をどんどん入力していきましょう。

4

日本語訳のセルを塗りつぶし、覚えているか確認しましょう。(実際はパソコンの画面の上に直接テープ等を張って隠し、カーソルを下げることによって、上から見えていくようにした方が速いです。)

5

単語リストをシャッフルする

単語カードの利点として、シャッフルができる点がありますね。グーグルスプレッドシートでも同じことができます。

シャッフルする範囲を選択してください

6

範囲をランダム化をクリックすると

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次のように選択したリストがランダム化されます。

8

単語暗記ツールの作り方

これを聞いてすぐに利用できる人は、自分でツールを作ると良いですが、おそらくほとんどの人が「?」となっていると思いますので、以下にツールの作り方を説明します。

まず「グーグルスプレッドシート」と検索してください

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そして、グーグルスプレッドシートのページを開きます。

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空白をクリック

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エクセルのような表が出てきたら以下のように入力

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枠内に=GOOGLETRANSLATE(A2,”en”,”ja”)と入力

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セルの右下部分をクリックし、下に動かすと

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完成です。

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しかし、このツールを使うには注意点があります。グーグル翻訳は現在かなり精度が上がっていますが、機械翻訳である以上、当然誤訳もありますので、注意して利用してください。自分で機械翻訳が誤訳をしていると判断できない人にはあまりおすすめしません。

色鉛筆

単語暗記にはどのような色を使っていますか?多くの受験生は、赤シートや緑シートで隠す用のボールペン・マーカーを使っていると思います。

しかし、まだ研究段階ですが、色は記憶力と集中力にも関係し、「青で殴り書きにすると」覚えるという話も出ています。

google等で「暗記 色」と検索すると、多くの情報が出てきますので、参考になると思います。

どの情報も若干のうさん臭さがあり、根拠もあいまいですが、重要なのは、「覚える」という行為の「作業化」を無くすことです。

ポストイット

前項で「家じゅうに落書きをして覚えた」に関してですが、さすがにそれはできないと思います。代わりにポストイットに単語を書いて、家じゅうに貼り付けるのでしたら可能だと思います。

これは、普段から英単語に触れることができるという点でとても有効です。いざ机について単語帳を眺めているときしか英単語を覚えないのは非効率的です。家族の了承を得て家中を単語まみれにしましょう。

暗記に適した勉強環境

googleで「暗記 環境」で検索すると、意外にも暗記に適した環境が「静かできちんと片付いた部屋」ではないらしいというのが分かります。「カフェなど少し騒がしいところの方が良く覚えられる」という話も出ています。これも根拠が不明瞭ですが、勉強のマンネリ化、作業化を無くす上では非常に有効です。

筆者が行っていたのは、単語帳を片手に散歩をしながら覚えるというものでした。勉強の息抜きになりますし、眠気防止にもつながりました。

暗記という単純な行為はデメリットばかりではなく、このように「場所を選ばない」というメリットもあります。勉強の場所はなにも勉強部屋だけに限定する必要はありません。公園や山、海などの自然に触れながら優雅に勉強しても構わないのです。

まとめ

この記事では、「英単語の覚え方」として、勉強法を紹介してきましたが、これは英単語の暗記だけに限った話ではありません。

地歴・公民、理科、古文単語、物理・数学の公式など、受験勉強において様々な場面で暗記という行為が必要となってきます。

この記事を参考にあなただけの暗記法を確立し、他のライバルたちと差をつけていきましょう。

著者情報

夏実星野

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