早稲田文・文構の違いは?似ている学部の選び方

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大学の学部を選ぶには、まず学部間で何が学べるかをリサーチしなくてはなりません。

しかし、まだ大学に入っていない高校生にしてみれば、大学に入ってからの学びの違いを見極めるのは難しいもの。

そこで本記事では、特に早稲田大学文学部・文化構想学部(文・文構)に注目し、どちらに進むか悩んでいる高校生に向けて、違うところ・同じところを説明していきます。

1. 早稲田の文・文構の共通点

入学難易度・進級難易度

早稲田の文・文構の入学難易度は、基本的に同じです。例年の倍率・偏差値などはもちろん前後しますが、ここ3年ほどは67.5ほどで安定しています。
つまり、両学部の入学難易度はほとんど同じ。どちらか一方に入れる学力がある人は、もう一方にも合格する可能性が十分あり、そのために、どちらにしようか悩むことになるわけです。

進級難易度についても、両者の間に大きな相違はありません。

そのそも進級の主な要件は、1/ 総合単位数、2/ 必修単位数、3/ 卒論の3つ。
そのなかで、1/ 総合単位数と2/ 必修単位数に関しては、文と文構はほとんど同じ数を設定しています。

1/ 総合単位は、いずれでも、4年間で124単位。

2/ 必修単位数は、1年次の英語・第二外国語の単位が指定されます。3年以後でゼミ・研究室の所属が決まってからは、文と文構で若干違うシステムとなりますが、その難易度に大きな差はありません。

3/ ただし、4年次の卒業要件は、文学部で「卒業論文」、文構で「ゼミ論文」であり、ここには違いがあります。(これは後述します。)

少なくとも、単位の取得難易度に大きな違いはないため、進級難易度は総じて同じと言ってよいでしょう。

 キャンパス

文・文構は、早稲田大学の「戸山キャンパス」(文キャン)にあります。

政経・法・商・社・教育・国教など、他の多くの学部が「本部キャンパス」に設置されているのに対して、文・文構だけが独立したキャンパスを持つということです。

とはいえ、本部キャンパスと戸山キャンパスは徒歩10分以内で往来できますし、最寄り駅、東西線早稲田駅・山手線高田馬場駅・副都心線西早稲田駅・大江戸線若松河田駅のどこからでも、戸山キャンパスの方が近く、立地面では本部キャンパスよりも恵まれています。(さくらトラム(荒川線)早稲田駅には、本部からの方が近いですが。)

また2019年には戸山キャンパス入口近くの講堂が大きく改装され、かなり綺麗なキャンパスとなりました。

 研究機関(教育内容)

大学の研究機関としては、文・文構はともに「文学学術院」という機関に属します。

この研究機関は、哲学・文学・言語学・考古学等々の学問分野を擁しており、広く人文社会に関わるものです。
研究機関、つまり大元が同一であるということは、文・文構の基本的な教育内容には、重なる部分が多いということです。
というのも、同一の研究機関に所属する講師や教授によって教育が行われるわけですから、形としては別の学問をやっていても、土台は共通してくるからです。

この点は、学部で教育をうける上でも重要ですが、大学院に進学するつもりが少しでもある人にとってはもっと大事です。
というのも、文と文構のいずれに進学しても、大学院の進学先としては、どちらに進んでもよい、自由選択の状態が作れるということだからです。

 登録・取得可能単位

さらに、文・文構では、多くの単位が共通です。つまり、文の学生も文構の授業が取れるし、文構の学生も文の授業が取れるわけです。

逆に、文の学生にしか取れない文の授業・文構の学生にしか取れない文構の授業というのは、ゼミ・研究室などで開かれている専門的な演習だけです。(ただし、こうした授業については他学部からは「単位が取れない」というだけで、「モグる」学生はちらほらいますし、それほど浮いたりすることはありません。)

単位のほとんどが共通しているため、どちらに進んでも、結局は後から自分の興味がある授業を選択することができる、ということです。

しかしそうすると、文・文構のどちらに進学しても同じだ、と思われるでしょう。実際、多くの受験生にとってはそういうイメージではないでしょうか。上記のように、それは或る意味正しく、どちらを選んでも後からの軌道修正は十分にできる状況です。

しかし同時に、どうしても制度上融通されない部分もあるので、以下にそれを解説していきます。

2. 早稲田の文・文構の相違点

研究分野・スタイル

文・文構の最も大きな違いは、いうまでもなくその研究分野と、それに伴うスタイルの違いです。

文学部は、哲学・心理学・文学(英・仏・独・露・中・日)・社会学・教育学・映像演劇・美術史・日本史・西洋史・アジア史・考古学・中東イスラーム等のコースからなります。

対して文化構想学部は、多元文化・複合文化・表象メディア・文芸ジャーナリズム・現代人間・社会構築等の論系からなります。(字面だけでは、内容がわかりにくいですね。)

こうしてみると明らかなのですが、学問分野として、比較的古典的・伝統的で、オーソドックスなコースを提供する文学部に対して、文構は、新しく、それゆえにぱっとわからない論系を設けています。

実際、「文化構想」という名前からも受け取れるように、文構の設置する論系はすべて、一般的には「文化論」「メディア論」「身体論」などとして括られる複合的な分野を扱っています。これらの分野は、もともと20世紀後半に、既存の哲学や心理学、文学などの発展系として成立した経緯があり、そのために、分野横断的で複合的なものとなっています。

やや大胆にいえば、文のコースは狭く深く文構の論系は広く浅く、という構えになっているわけです。

その影響が具体的に出てくるのは、語学などの専門的ツールの習得度においてです。

文学部では、語学が非常に重視される傾向にあります。当然ですが、フランス文学の研究のためには、最低限フランス語が読解できなくてはなりませんし、哲学の研究のためには、英仏独羅希などの諸言語が必要に応じて求められます。そのため、文学部の学生は語学に力を入れる傾向にあるわけです。

これに対して、文構でたとえば「ファッション・モード論」を研究する場合には、必ずしも英語やフランス語が必要とは限りません。(もちろんできた方が望ましいですが。)また文構には「サブカルチャー論」などのプログラムもあるので、研究対象が映像や漫画などになる場合もあります。

そのためどうしても、少ないテクストを集中的に読解する文学部的なスタイルとは違って、様々な言説や議論のポイントをさらっていくようなスタイルになりがちで、いろいろなものを手広く学んでいくことになるでしょう。

 カリキュラム:卒論とゼミ論

文学部は、4年次に卒業論文を課し、文構はゼミ論文を課します。
これらは基本的に同じようなもので、卒業にあたって論文などの一定の研究成果を示す、というものです。

違いは、文の卒論は基本的にオーソドックスなもので、主要な作品や著作、作家や学者について、先行研究をまとめながら、自身の解釈を提示する、というスタイルのものが多いのに対し、文構のゼミ論だと、より自由度が高くなることがあります。

たとえば文芸ジャーナリズム論系では、自作の小説や批評をかくことがゼミ論文として認められる場合があったり、表象メディア論系では、特定の漫画やゲームなど先行研究の少ない、ニッチな対象についての考察が論文として認められたりします。

こういう研究の自由度の違いが、文と文構のスタイルの違いを物語っているとも思われます。

3.  まとめ:それぞれどんな人におすすめか?

まとめると、文と文構には共通点が多いものの、正統派で深く学べる文学部と、分野横断的で広く学べる文構という違いがあります。

これをもとに考えると、文学部に進んだ方がいいのは、より専門的で、学会にも認められた正統な学問をかっちり学びたいという意欲がある人だと言えそうです。

これに対して、特に研究の世界に残ったり、本格的な学問をするというよりは、自分の将来のためにより実践的な知恵をつけておきたいと願う人にとっては、文構が向いているのではないでしょうか。

とはいえ、そもそも互いの科目の多くが共通だったり、文構の学生が文学部の先生の指導下で卒業論文を執筆・提出する「卒業研究」という制度があったり、さらには転部による所属変更ができたりと、軌道修正の手段は潤沢ですから、あまり深刻に受け止めすぎず、肌に合いそうな方にとりあえず決めてみるというのも手なのではないでしょうか。

著者情報

究進塾 編集局

究進塾 編集局
東京・池袋にある究進塾の編集局です。受験指導のプロが大学受験に役立つ情報をお届けしています。 大学受験対策コースはこちらからご覧いただけます。

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