東大卒・TOEIC満点講師が明かす東大英語の勉強法

東大の英語というと、「日本でトップの大学だから、やはり超難しいんだろうな」と身構えてしまう人もきっと多いでしょう。
模試などを受けてボロボロの点数だった、という経験があれば、なおさらでしょう。確かにきちんと対策をしなければ点数は取れません。その意味では難しいと言えるでしょう。

しかし東大英語の傾向に特化して対策を立て、一点集中で突破を図れば、実はそれほど難しいものではありません。要は対策次第なのです。もしあなたのライバルに、今まで受けたセンター模試や私大模試ですごくいい点で「こいつ英語の天才か!?」みたいな人がいたとしても、恐れることはありません。

センター対策や私大対策では東大英語には対抗できません。本気で東大に受かりたいと思い、東大英語対策に全力を尽くせば、たとえ今ライバルたちに遅れを取っていたとしても、十分逆転は可能です!

1. 東大英語は「書き」重視

東大英語の配点は120点で、制限時間は120分、第1問が要約と段落整序、第2問が自由英作文、第3問がリスニング、第4問が英文整序と和訳、第5問が総合的長文読解(和訳・選択問題)となっています。他の大学の出題傾向と特に異なる点としては、

要約が必ず出題されること
自由英作文の比重が大きいこと(2016年は60~80語及び50~70語の自由英作文が計2題出題されている)
30分にわたるリスニング

が挙げられます。

とにかく普段から書く練習を大量に行うことが求められます。書くことに抵抗感や苦手意識があるようではいけません。東大を受ける以上、英語はもちろん他の科目でも記述力の強化は避けて通れません。実際に手を動かして書くことができればそれにこしたことはありませんが、たとえその時間が取れない時であっても、電車の移動中に、例えば自由英作文対策として、「急がば回れ」はなぜ正しいか?と聞かれたらどう答えるか、「日本語でいい」のでパパパッと自分の意見を組み立てられるよう、頭の中で練習するといいでしょう。

2. 東大英語の勉強法

2-0. 東大英語対策を進める前の前提

東大に特化した対策を進める以前に、まずはどの大学を受けるにしても必要となる、共通の基礎力が求められます。そのイメージはセンター試験英語レベルを最低限7割はこなせる力と言えるでしょう。
多くの高校では「大学入試英語頻出問題総演習 (即戦ゼミ) 最新六訂版」や「Next Stage英文法・語法問題―入試英語頻出ポイント218の征服」、またはそれに類する文法・語法演習を授業に取り入れていますが、そうした大学入試の定番パターンはすでに一通り学習し定着している、というのが前提となります。

2-1. 標準的なことをしっかりと

言うまでもありませんが、東大は大学の授業を受ける上で支障をきたすような英語力の学生を迎え入れたいとは思っていません。大学に入ってちゃんとやっていけるだけの英語の基礎が身についているのかどうかを、入試で見定めたいと思っているわけです。

大学でやっていける英語力とは、1つには、難しい単語や専門用語は辞書で調べながらでよいから、標準的単語は辞書なしですらすら読むことができる程度の文献読解力・スピードです。また、準備を丁寧に行いさえすれば学術的発表を英語で行うこともできる基礎力です。

これは文法や語法がきちっと整っており、誤解を与えず正しく意味を伝えることができる英語を書く・話す基礎力と、相手が英語で話してきたことを、枝葉末節は聞き落としたとしても、大筋と要点はきちんと正しく捉えることができるリスニング力とを意味します。

2-2. 単語は「量より質」、「用法」重視

前節で述べたとおり、東大が入試で測るのは標準的英語力です。知らない単語はネットで調べればあっという間に意味がわかる時代です。単語量が多いこと自体は悪いことではありませんが、頻繁に使われない単語までわざわざ暗記するのは労力の無駄です。

・「日→英」も忘れずに
東大に必要な単語力は英検2級レベル、つまり高校の英語学習の標準的範囲を出ません。その範囲を、英→日方向だけでなく、日→英方向と用法まで含めてきちっとおさえてください。
英→日方向とは、英単語を見て日本語の意味が言えるようにする学習のことです。逆に日→英方向は、日本語を見て、英単語を思い出せるということです。自由英作文がある以上、日→英方向の単語練習は欠かせません。

・「発音記号」も確認
その際、発音の確認も怠ってはいけません。発音記号で発音を確認するのが望ましいですが、「発音記号はどうしても苦手」ということであれば、最低限CD付きの単語集などで正しい音を聞いて確認し、自分の口でもそれを何度かリピートしてなじませてください。

・「用法」まで覚えてこそ意味がある
また「用法」まで理解することの重要性についてですが、これは

この動詞はto不定詞とセットなのか、それとも動名詞なのか、またはthat節なのか(例えばsuggest の場合はどうですか?わからなければすぐ辞書などで確認してください)」

この名詞はどんな動詞、前置詞とセットで使われるのか(例えば基本単語のpleasure は、動詞take、前置詞inとセットにしてtake pleasure in として使います)」

といったように、単語の組み合わせをセットで覚えることが必要だという意味です。この学習は、自由英作文で必須となるのはもちろんのこと、長文読解でもつながりの誤解を防ぐのに役立ちます。こうした「用法」は熟語集で紹介されていることも多いので、単語集と熟語集は両方使わなくてはいけません。

具体的には、単語集は例えば
DUO 3.0
システム英単語 (駿台受験シリーズ)
データベース4500完成英単語・熟語
の併用(すでに手持ちの単語集がある場合にはそれを入れても構いません)

熟語集は
システム英熟語 (駿台受験シリーズ)
大学JUKEN新書 英熟語ターゲット1000〔4訂版〕
の併用(こちらもすでにごく標準的なレベルの熟語集を持っている場合は、それを組み合わせても構いません)がよいでしょう。

東大英語の単語レベルは、過去問を一年分でも全体的に確認する機会があれば、それで実際に肌で感じることができます。ただ、まだ受験英語の標準的単語を一通り学習したわけではない学生の場合、どの単語がどのくらいのレベルなのかの理解やイメージがまだないため、今過去問を見てもいまいちピンとこないかもしれません。

そうであれば、まずは学校から与えられた手持ちの単語集を準備し、2012年の第2問(A)を解いてみてはどうでしょうか。標準的な単語が5問出題されています。わからない単語があれば単語集で調べつつ、答えを考えてみてください。正解の単語は5つとも標準的な単語集に必ず収録されているはずです。そういったレベルの単語をきちんと日→英方向とスペルの確認も含めて練習してあれば、問題なく対処できるのです。

2-3. 自由英作文は「作るな、借りよ!」

東大受験生に必要な作文能力のポイントは2つです。まず日本語でしっかりと考えて、適切な論旨の組立をすること。次に日本語から英語表現を自分で作り出すのをできるだけ避け、基本的にどこかで見たことがある表現をそのまま借りてくる姿勢で学習してください。

・辞書と表現集から借りる
例えば「昨夜おかしな夢を見た」と英語で言う時、日本語をもとに英語を作り出そうとすると、必ず「saw a strange dream」という間違った英語になってしまいます。「dream」のような基本単語でも甘く見てはいけません。

日々の学習の中で、どう使うのか自信がない単語に出くわしたら、英和辞典でも英英辞典でも構いませんから、用例が豊富にあるものを選んで(一般的には英和ならジーニアス英和辞典、英英ならロングマン等)例文によく目を通しましょう。そして英作文に挑む際は、辞書に書いてあるはずの「have a dream=夢を見る」という表現をそのまま借りてくるようにしてください。

こうした借用可能な表現がまとまっている参考書としては、例えば
トピック別 英作文頻出表現活用ハンドブック
があります。また、普段英文を読む中で、これは自由英作文で使えるからセットで覚えておこう(動詞+名詞のセットや、動詞・形容詞・名詞+前置詞のセット等)というものを、別途ノート等にまとめて整理しておきましょう。半年も継続すれば、そのまま借りてこられる英語表現のストックは相当なものとなるはずです!

・テーマを日本語で思考練習
次に自由英作文のテーマに対する準備ですが、自由英作文を出題している他の国立・私立の過去問からテーマを拾ってきて練習するとよいでしょう。いろいろなテーマについて普段から日本語で話の筋道を組み立て簡潔に論じる(東大英語の自由英作文はせいぜい80語ですから、目安として日本語で150~200字でまとまっていればよい)ことに慣れておいてください。ここをスピードアップできれば、解答時間の節約につながります。

そして自分なりの論旨展開のパターンをいくつか決めておきましょう。例えば、基本的には「確かにAだが、実はBだ。なぜならCだから」という展開を狙うようにし、普段からこの流れで考える癖をつける、というやり方が効果的です。

・最後は添削してもらう
最後に、練習として書き上げた英作文はやはり誰かに見てもらうべきです。自分では気が付かなかったミスや発見が必ずあるはずです。基本的には受験英語の事情をよく理解している学校や塾の先生が理想的でしょう。

2-4. 「精読」に徹せよ。東大は速読力など期待していない

東大でも他大学同様、要約問題、段落整序、英文和訳、長文読解と、大量の英文の読解が求められます。

ただ最近もてはやされている「速読力」が必要というイメージでアプローチするのは不適切です。これらの英文読解で試されるのは、あくまでじっくりと正確に読み取る「精読力」です。
構文をきちっと把握し、文法的に考えてこういう意味のはず、と正しく推論を進め、文全体の意味を理解できる能力です。

もちろん時間を節約する意味で、速く読めるに越したことはありませんが、それは「精読力」が成熟することによって、一つ一つの文の理解に費やす時間が減り、かつ正確さが増すことによって、前の文に戻って誤解したところがないか確認するなどの回り道がなくなっていくからです。

実際、英文和訳の問題として下線が引かれるのは、英語構文や英文解釈の参考書問題集でよく取り上げられるような、一瞬「ん?なんだこの変な語順は」と頭をひねりたくなるような部分です。省略や倒置が起こっていたり、熟語があまり見慣れない(少なくとも熟語集などで紹介されるよくあるパターンではない)形で登場したりします。それに対処できるだけの構文解釈力が重要となります。

基礎英文解釈の技術100 (大学受験スーパーゼミ徹底攻略)」シリーズ(レベル別で3段階あるので基礎からやり直しも可能)
すでに基礎ができている自信がある人であれば、
英文読解の透視図
を用い、英文和訳で問われやすい特殊な構文に徹底的に習熟しておくべきです。

その上で、第5問で出題される900語前後の長文読解に慣れ、かつスピードを上げていくために、
やっておきたい英語長文700 (河合塾SERIES)
やっておきたい英語長文1000 (河合塾シリーズ)
のような同程度の長さの長文問題集を利用するといいでしょう。
2017年受験用 全国大学入試問題正解 英語(国公立大編)
を用い、他の国立大学で出題された同程度の長さの長文問題をつぶしておくのも有効です。

2-5. リスニング対策は普段から

リスニング対策としては、まず普段使っている単語集の附属CDを使います。
DUO 3.0
システム英単語 (駿台受験シリーズ)
データベース4500完成英単語・熟語
ともにCDがついていますから、必ずそれを合わせて聞いてください。
その上で受験の年の後半半年くらいで
アメリカ口語教本・上級用(最新改訂版)
をリスニング対策専用教材として用いるとよいでしょう。

まずは1つのストーリーをまとめて聞きます。1回ではおそらく理解度はかなり低いでしょう。あまり気にせず、2度、3度と聞いてから、今度はテキストのスクリプトを見ながら聞いて、聞き取れなかったところを1つ1つ確認していきます。同じ内容を何度聞いても構いません。覚えるほど聞いて構いません。学校や塾への移動中等の細切れの時間もぜひ有効利用してください。

2-6.要約・段落整序は模擬試験問題集が中心

要約と段落整序は他の大学で多く出題される形式ではないため、それだけを演習できる問題集にお目にかかるのはなかなか困難です。そのため、
東大入試プレ問題集英語 2016
東京大学への英語 2016―実戦模試演習 (大学入試完全対策シリーズ)
入試攻略問題集東京大学英語 2016 (河合塾シリーズ)
といった、東大の形式に特化した模擬試験問題集を利用した対策が中心となります。要約については、日々の長文読解練習の中で、300語程度の短めのものを使って100字程度で要約し、誰かにそれを添削してもらうというやり方も有効です。

東大で出題される正誤問題は、難関私大に比べると素直な方であり、かつ配点を考えるとこれだけにしぼった集中的な対策をするかどうかは迷うところです。
ただし、文法的間違いを探すつもりで文を読むということにそもそも慣れていないというのでは問題なので、そういう方は
スーパー講義英文法・語法正誤問題 (河合塾シリーズ)」または
2017年受験用 全国大学入試問題正解 英語(私立大編)
を用い、正誤問題だけを一通り学習しておくとよいでしょう。

2-7. 他大学との併願のリスク

東大と併願となると、通常は有名私立となるでしょう。ただここで問題なのは、東大と私立とでは出題傾向がまったく違います。

私立も受けておけばどこにも行けない事態は防げる、と考えるのは確かに一理ありますが、そのままでは東大対策だけしかやっていない受験生は私立(特に有名私立)の問題に対抗できない可能性が高いです。私立を併願する際は、単語量の不足や出題傾向の違いでつまずくことがないよう、事前に十分対策をするべきです。

3. 本番に挑むストラテジー

東大の英語は分量の割には時間が少ないため、余裕を持って解き終わる受験生はなかなかいないでしょう。理想的な時間配分を厳密に守る練習を予備校の模擬試験問題集や過去問を用いて十分に練習しておく必要があります。
問題を解く順序ですが、奇をてらわずに第1問から順番に解くようにしましょう。

3-1. 要約問題(目安12分)

70~80字程度の要約であれば、12分前後で片付けたいところです。英文の量は決して少なくないのでが、具体例を省き抽象的に論旨をまとめるだけなので、練習を積み重ねることでこの速度を身につけていきましょう。

3-2 段落整序問題(目安12分)

2015年で言うと、1(B)が段落整序です。かなりのボリュームを読まされますが、和訳問題ではないので過度に精読する必要はありません。英文を基本的に後戻りせずに読み進め、空欄にたどり着いた時点で選択肢を見渡し、空欄の前後をスピードを落としてじっくり読んだ上で答えを決めます。迷う場合には、とりあずこれかこれだろう、と見当をつけた上で次に行くべきです。ここも12分程度を目指します。

3-3. 自由英作文(目安20分)

自由英作文は2題出題され、長さはそれぞれ50~70語程度となっています。この分量であれば、1題10分平均で片付けられれば理想的です。ゆっくり考える暇はないため、話の展開はサッと決められるよう、普段から日本語で考える訓練が欠かせません。迷ったら中学英語で文法ミスなく書くことを目指しましょう。

3-4. リスニング問題(固定で30分)

リスニング問題は試験開始から45分後に始まり、30分間続きます。なんとかリスニング開始までの45分で自由英作文まで(つまり大問1と2)のすべての問題を片付けておくのが理想のペースです。
もし自由英作文の回答中にリスニングが始まってしまった場合は、他の問題を解いている

3-5. 正誤問題(目安7分)

大問4(A)がこれに当たります。文法的ミスを探し出すのが目的ですので、下線部はスピードを落として文法的整合性を意識しながら読むこととなります。できれば下線部を読む回数は2回までに抑えたいところです。7分前後で終えられれば理想的です。くれぐれも迷い過ぎて時間を浪費してはいけません。この後にひかえる下線部和訳と長文問題の時間が削られないように注意しましょう。

3-6. 下線部和訳問題(目安15分)

長さとしてはかなり短いものの、多義的な単語が入っていて意味を決めにくかったり、文法構造が複雑(関係詞、接続詞、不定詞などがあり、どことどこがつながっているのかわからない等)で解釈が少し難しかったりする部分が出題されます。短いとはいえ思考力が問われるので、あまり急ぐわけにも行きません。全体で15分前後で回答をまとめられればよいでしょう。

3-7. 長文総合問題(目安23分)

ここまで時間配分が理想的に行えていたとすると、この大問5に23分使えることになります。全体を見直す時間はあまり取れないかもしれませんが、これだけ残せれば、最低限最後の設問まで解き終わることができるでしょう。

4 まとめ

東大であっても正攻法できちんと勉強をしていけば合格は難しくありません。
とはいえ、ある程度の実力がなければ受からないのも事実ですので、本記事を参考に東大合格に必要な英語の力を身につけてください。

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