中学受験の理科で成績アップさせるための勉強法

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中学受験の理科は「苦手だ」と感じるのが遅い教科です。小3や小4のころまでは、メダカとか、流水のはならきとか、身近な素材を扱いますから、直観で理解できるし、楽しい。
しかし、小5になって、天体とか電流を扱うようになるころから、何となく理解したつもりでも、テストになると解けない、という壁の前に立ちすくむことになります。

このように、中学受験の理科の勉強は、カリキュラムがかなり進んでから苦手意識が芽生えるので、何をどのようにやっていいか分からない、という混乱状態に陥りやすいのです。

そこで、中学受験の理科指導25年のベテラン講師が、中学受験理科の成績を上げる勉強法を公開します。

1.理科を身近に感じることが出発点

1-1.中学受験理科の成績が上がるきっかけ

私たちの体の中にある「胃」。胃は筋肉でできた袋で、容量は約1.5リットルあります。どんな分厚いステーキを食べても、胃液がちゃんと消化してくれます。ところが、胃液はpH2という強い酸なんですね。胃液は胃自身を消化しないのでしょうか。

答えはもちろん「消化しない」ですよね。胃が粘液で胃の壁をコーティングして、胃酸から自ら守っているからです。

これはいわゆる雑学で、入試には出題されません。しかし、理科ができる生徒はいろいろなことを知っています。つまり、「なぜだろう」という疑問を持って、大人や本などを通じて疑問を解決するという体験が豊富。理科で扱う内容が身近なものと感じられるから理科が得意になる、というわけです。

そこで、家庭で何ができるか、について紹介しましょう。

1-2.理科を身近に感じるためのしかけ

では、理科を身近に感じられるようにするにはどうすればよいでしょうか。

それは、子どもが理科に対する関心を持ちやすい環境をつくることです。理科に関心を持ちやすい環境とは、子どもが「これ、何だろう」とか「調べてみよう」と思うきっかけがある環境です。

例えば、インターネットで「理科 雑学」で検索すると、いろいろな本がヒットします。それらの本を図書館で読むのが一番手っ取り早い。

また、東京都千代田区には「科学技術館」という施設があります。展示は参加体験型のものが多く、見たり、触ったりして楽しみながら、科学技術に興味、関心を深めることができます。この施設をご紹介した保護者の方は、一様に「すごい」「あちこちでイベントがあって、とても一日では回り切れない」とおしゃいます。

さらに、JAXA宇宙教育センターが主催している「コズミックカレッジ ~宇宙や科学の不思議を体験しよう!~」では、実験・体験による感動を与えることを重視した体験型プログラムに参加することができます。私もここの指導員をしていましたが、水素爆発など、とても一般の小学校では体験できないことも体験できます。

小学校3~4年生までに、これらの体験を積み上げた子どもは、「自ら疑問を持ち、見通しを立てて問題を解決する」という科学的探究心が身に付きます。

もし、子どもが疑問を投げかけたら、子ども自身が書籍やインターネットを使って疑問を解決するように励ましましょう。その過程で、1 つの疑問が10 の知識を生むことがあります。理解するというのは、「わかる→別の疑問が生じる」というプロセスの繰り返しなのです。

理科の学習において、大人の関心の対象は、「この子は理解力があるのだろうか」という「子どもの能力」ではなく、知的好奇心の喚起に向けられるべきです。

2.イヤでも取り組める理科学習法

2-1.好きな友達や先生となら理科が身近になる

小学校5年生くらいになると、天体とか電流とか水溶液とか、直感では解けない分野が登場します。この段階になると、理科嫌いな子どもが続出します。

理科が一度嫌いになってしまうと、理科の勉強が後回しになったり、つまみ食い程度の勉強しかしない、という悪循環に陥ってしまいます。

このようなとき、子どもの助けになるのが、「グループ学習」です。

もともと関心が低い勉強内容でも、好きな友だちや好きな先生と一緒に勉強すると、楽しく感じ、やりがいが生まれるのです。

例えば、はまぎんこども宇宙科学館の「洋光台サイエンスクラブ」では、実験工作教室、環境体験教室、電波教室、宇宙教室/宇宙教室キッズ、自然観察教室、科学工作教室(中級/上級/超・上級)、探検教室、宇宙の学校などの多彩なプログラムを提供しています。指導経験が豊富な講師と、科学好きな友だちと一緒になれば、粘り強く勉強に取り組むことができるようになります。

2-2.中学受験の弊害

塾のテキストやプリントだけで中学受験の理科を理解しようとするのには限界があります。

それなのに、それらのテキストやプリントをくり返し取り組まされた挙句に、テストで評価されてしまうと、子どもたちはうんざりして、学習意欲が減退してしまうのは当然のことです。

この結果、子どもたちは、機械的に答えを当てはめようとしたり、頭を使わずに反射神経で答えたりすることになります。

反対に、子どもたちが低学年のときから、興味をもって理科の学習に取り組めるように、理科に関係する施設に連れて行ったり、資料を与えたり、仲間を作ってあげるようにすれば、高学年になって難しい課題に直面しても投げ出さなくなります。

3.自信に結び付く理科学習法

3-1.大量にみえる課題と上手につき合う

塾のテキストはかなり分厚いので、やるべきことが大量にあると錯覚してしまいがちです。

しかし、理科は、算国理社の4科目のうちで最短で得意にできる科目です。

「そんなことはないでしょう」という声が聞こえてきそうなので、そのコツをお伝えしたいと思います。

苦手科目に対する自信を回復する第一歩は、「これをやればいいんだな」ということが分かることです。

盲目的に与えられた課題に取り組むと、解けなかったときに「いったいできるようになるだろうか」と混乱をきたしてしまうからです。
どの子どもでも勉強ができるようになりたいと本心から思っているもの。だからこそ、「これをこうやればできるようになる」というアドバイスは、子どもの心に火をつけるのです。

次の段階は、「やればできそうだ」と子どもに思わせることです。

特に計算問題ですが、基本をさらっとやった長後に難しい問題を解かせるのは、子どもを理科嫌いにさせる最たるものです。しかも、理科の難問が解けるかどうかで合否は決まるものではありません。
思い切って、基本事項だけにしぼって取り組ませることが自信につながります。

自信を回復する最終段階は、「ここまでできるようになった」という満足感を得ることです。

学習者にとって努力は報われてこそ意味があり、次も頑張ろうと思えるためには途中経過の満足感が欠かせません。このような満足感を得るためには、理科の全分野の解説と問題が収録されている問題集を、とりあえず1回やり切ることが大切です。ちょっとやって忘れて、またそれをくり返すような勉強法では絶対に得意にはなりません。

では、中学受験理科の羅針盤としてふさわしい、基本事項が網羅されている問題集はあるのでしょうか

3-2.理科の勉強に役立つ必携問題集

自信をもって紹介したいのは、「続々受験理科の裏ワザテクニック 新装版」(文英堂)です。

理科が苦手な子ども向けであることを意識して、役に立つ暗記法を紹介したり、部分的にマンガを取り入れたり、暗記カードがついていたりします。何よりも解説がていねいなので、後で解法を忘れても、立ち返ることができます。

まずは、この本で一通り勉強し、疑問を整理しましょう。もし、解説を読んでわからないことがあれば、YouTubeで検索すれば、必ずと言っていいほどよい解説を見つけることができます。自力で調べたことは忘れにくいというメリットもあります。

ここまでやって初めて、入試対策として、「受験理科の裏ワザWチェック問題集 新装版」(文英堂)で仕上げることをおススメします。

4.中学受験理科の学習計画の立て方と暗記法

4-1.学習計画の立て方

さて、話は問題集のところまできました。それでは実際にどのように取り組めばよいかをお伝えします。まずは学習計画の立て方です。ポイントは、次の4つです。

できないことをできるようにする計画であること

できることを何度もやるのは時間の無駄です。できないところだけをくり返し学習できるような計画をたてましょう。

期限がある計画であること

だらだらと勉強していて、いつしか疎遠になってしまうことはよくあります。こうならないために、まずは「何日までに何ページまで」と数字で管理しましょう。

結果中心の計画ではなく、経過中心の計画であること

②で「何日までに何ページまで」決めましょう、とお伝えしました。この計画は、「結果中心」です。とにかく終わらせればいい、というものですね。
このような「結果中心の計画」の場合、終わらせることに意味があるので、結果的に学力が伸びないこともあります。

そこで、上級者には、「経過中心の計画」をおススメします。

経過中心の計画とは、「自力で解けるようになるまで○○をする」とか、「人に説明できるようになるまで○○をする」というものです。単にこなすのではなく、本当に実力をつけるための計画です。

2週間ごとに作り直すこと

計画はそのように進むとは限りません。むしろ、計画通りでないことの方が多いので、計画づくりをやめてしまった人も多いでしょう。

ただ、計画は達成すべき目標ではなく、学習方法を改善するための手段です。計画を作る意義は、計画(予測)したことと実際の結果を比較することによって、学習の仕方を改善することにあります。

つまり、計画(予測)した通りに勉強が進めば、うまくいった要因を探り、その要因を強化する。反対に計画(予測)した通りに勉強が進まなければ、うまくいかなかった要因を探り、軌道を修正するのです。

そのために、2週間ごとに計画は見直すようにしましょう。

4-2.効果的な暗記法

中学受験の理科には、植物、動物、人体など、暗記しなければならない分野もあります。では、どのようにすれば効果的に暗記できるのでしょうか。ポイントは次の3つです。

① 何度も繰り返す、間隔をあけて見直す

暗記事項は、出し入れを繰り返すうちに、自分のものになっていきます。その際に、手や口などの五感をフル活用することで、暗記対象を強く印象づけることができます。

例えば、自分で読み上げた音声を聞く、耳をふさいで読み上げる、等の方法があります。

くり返しやるのはしんどいですが、1回やった人と5回やった人で点数に開きがでるのは当然ですので、やるしかないですね。

②授業後に、何を学んだかを思い出す習慣をつける

塾の授業が終わった後、「やっと終わった~」ってすぐにゲームなどに走ってしまうのは得策ではありません。「1日のふりかえりは早くする」を習慣にしましょう。入学試験では、平等に残された時間を有効に使った人が合格をつかむことができます。

③ 人に教える

自分が知っていることや理解できたことは、家族や友だちに教えたいもの。その気持ちを利用して、どんな些細なことでも、子どもの言うことに耳を傾けましょう。子どもとの距離を縮めることもできて、一挙両得です。

また、人に教えることは2度学ぶことになります。子どもたちは何となく理解していますので、理解したことを言語化することによって、頭を整理することができます。

5.まとめ

親が入学試験を意識すると、どうしても勉強を押し付けたくなります。これはしかたのないことかもしれません。

しかし、大人が子どもに勉強を押し付けると、子どもは、学習対象に対する所有意識が稀薄になって、成績が悪化し、それを機械的な努力で補おうとしてしまいます。
結果を厳しく求められても自信がないので、いかようにでも調整がきく努力でアピールして、その場をやり過ごそうというわけです。努力をアピールすれば叱られないから、努力自体が自己目的化する。

反対に、小学校低学年のときからいろいろな知見を積み上げ、いろいろなものごとに関心を持てるようになると、受験勉強も苦になりません。

このように、楽しいから勉強することを内発的動機づけといいます。内発的動機付けとは、好奇心や関心によってもたらされる動機づけであり、賞罰に依存しない動機づけです。

内発的動機づけに基づいた活動は、没頭する状態になる。このとき得られる報酬は、楽しさとか達成の感覚であって、何かの目的に到達することではありません。自分が獲得した有能さを味わっているうちに、さらに能力が向上するのです。

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