【分野別】中学受験の理科を得点するために抑えておきたいポイントについて

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関東圏の中学受験は4教科入試が一般的なのに対して、関西圏の中学受験では社会をのぞく3教科入試が一般的です。いずれにしても、算数・国語とならんで、理科も重要な教科と位置づけられています。

しかし、中学受験の理科の全分野を上手に教えることができる講師は残念ながら不足しています。そのため、理科を得意分野にできない生徒が大勢います。あなただけではありません。

そこで、みなさんが中学受験の理科をイメージできるように、中学受験理科のプロ講師が、中学受験理科の全分野のポイントをお伝えします。

1.高校受験の理科と中学受験の理科の違い

高校受験の理科は、第1分野と第2分野というように体系的に学びます。
一方、中学受験の理科では、身の回りの科学が中心となっていて、細かい知識も学びます。そのため、中学受験の理科は、高校受験の理科よりも学ぶべき分量が多くなります

このような大量の理科の内容を攻略するためには、分野ごとの特徴をおさえて、要領よくマスターしていく必要があります。それではさっそく学習項目をひとつづつみていきましょう。

2.小学校5年生の理科

2-1.植物

まず、植物の進化をおさえます。

地球がおよそ3億年前までは、植物といえば、コケ植物やシダ植物のように胞子でふえるものがほとんどでした。コケ植物やシダ植物は、一つの植物から何十万,何百万個も胞子を作ることができますので、多くの子どもをのこせる可能性がありますが、胞子には栄養がほとんど無いので、自力で発芽し大きくなるのは難しい、という欠点があります。

しかしその後、裸子植物や被子植物とよばれる種子でふえる植物が登場します。裸子植物や被子植物の種子は、固い殻の中に胚とよばれる次の世代の小さな植物や栄養分をふくむため、自力で発芽したり、乾燥に強いなどの特徴があります。

マツ、イチョウ、ソテツに代表される裸子植物は、1.5~2億年前に恐竜とともに栄え、ゆっくりと大きい植物をつくるという生活をしていました。その後、花弁(花びら)や子房、道管などを獲得した被子植物が登場しました。

ソテツ以外の裸子植物の多くは、風が花粉を運んでいました。これに対して、被子植物は花弁を獲得し、さまざまな昆虫や鳥を引き寄せて花粉を運ばせ、確実に子孫を残すことに成功しました。

受精する前の種子を胚珠といいますが、裸子植物は胚珠がむき出しになっているのに対して、被子植物の胚珠は子房につつまれています。子房は、受精後、中に種子を入れた果実になりますが、それによって、多様な種子散布の方法を獲得しました。

被子植物には、子葉が2枚の双子葉類と、子葉が1枚の単子葉類があり、双子葉類の一部が進化して単子葉類になりました。ほとんどの単子葉類の茎は形成層を持たず、ある程度成長すると太くなりません。

ここまでで、裸子植物、被子植物(単子葉類と双子葉類)という分類を学びました。

問題はここからです。呼吸と光合成、蒸散を学んで理科を勉強したつもりになっている人がいますが、実は植物の分類が大事なんです。

具体的には、双子葉類には、合弁花として、ナス科、ヒルガオ科、ウリ科、キク科、離弁花として、マメ科、バラ科、アブラナ科、ブナ科があります。また、単子葉類には、アヤメ科、ユリ科、イネ科があります。

そして、ナス科には、ジャガイモ・トマト・ピーマンなどがある、というように、具体的な植物名を覚えます。ここまで勉強してやって初めて、植物の分野を得意にすることができます。

一苦労は避けられませんので、夏休みを利用してまとまった時間を確保して取り組みましょう。

2-2.動物

動物の分野でテーマとなるのは、顕微鏡の使い方、食物連鎖、動物の分類、の3つです。

◆まず、顕微鏡の使い方の手順倍率の求め方顕微鏡の見え方、をおさえてください。

◆次に、食物連鎖では、食べる・食べられるの関係をおさえた上で、有機物・無機物の循環を理解します。

◆最後に、動物の分類です。
無セキツイ動物の代表である昆虫類では、モンシロチョウの生態がよく出題されます。また、完全変態と不完全変態を区別できなくてはなりません。

セキツイ動物では、魚類、爬虫類、両生類、鳥類、哺乳類の代表的な動物をおさえ、それぞれの特徴を表で覚えましょう。

2-3.気象の観測と天気の変化

気象の観測と天気の変化の分野では、覚えることが多くあります

具体的には、
①百葉箱・アメダス・雲量と天気記号・気象衛星ひまわり、
②雲のでき方と湿度の求め方、
③気温と湿度の変化、
④乾湿球計、
⑤日本列島付近の風、
⑥気圧と天気、
⑦日本の四季の変化、
です。

この中で難しいのは、②の湿度で用いる「飽和水蒸気量」という概念です。一度ダメでも、粘り強く取り組む必要があります。

また、⑥の気圧と天気で学ぶ、高気圧と低気圧の違い、低気圧の移動、温暖前線と寒冷前線の通過前後の天気の変化については、一つひとつの図が互いに関連しているので、立体的に理解しましょう。

2-4.もののあたたまり方

物のあたたまり方は、①金属のあたたまり方、②空気のあたたまり方、③水のあたたまり方、④水の状態変化、⑤バイメタル、の5つをマスターします。

①金属をあたためると、近いところから順に遠いところに熱が伝わります。加えて、金属をあたためると膨張する性質を利用した「⑤バイメタル」のような身近な現象も理解しましょう。

②空気をあたためると、膨張して上昇します。これは、季節風が吹く原理と同じです。

③・④水をあたためると、空気と同じように上昇します。そして、水は、液体・気体に変化することを理解しましょう。

2-5.天体

「太陽」と「星」と一緒に理解し、「月」は「金星」を一緒に理解するのが早道です。

◆太陽の攻略のポイントは、
① 太陽がある特定の時間にどの方角に見えるか、
② 太陽は天球上をどのように動くか、
③ 棒の影はどのように動くか、
④ 太陽の南中時刻、日照時間、日の出・日の入の時刻、の4点です。
これらの点を互いに関連付けながら、「覚える」のではなく、「理解」することが大切です。

特に、「何時にどの方向に太陽が見えるか」という判断は、暗記ではなく理屈です。太陽と地球の位置関係から地球上での時刻をとらえ、地球の自転方向が東、というのがコツです。この考え方は、星にも月にも応用できます。

◆星の攻略のポイントは、
まず、①代表的な星座と星を覚えることです。
次に、計算問題として、② 星の日周運動と年周運動を組み合わせた問題をマスターします。

「同じ時間」の位置に仮置きして考えるのがコツです。代表的な星座と星はゴロを使って覚えましょう。例えば、春の大三角は「お寿司で牛歩く」で一発で覚えられます。夏と冬の大三角でも同じようなゴロを考えてみましょう。

◆月の攻略のポイントは、
① ある特定の時間・方角にどのような形の月が見えるか、をまずおさえます。月の満ち欠けは、新月から順に、右から太って右からやせる、と覚えましょう。
次に、② 地球の自転による月の満ち欠けと、月の公転による月の満ち欠けを区別する観点を身につけることで、月の単元の理解はパーフェクトになります。

2-6.人体

◆人体の攻略のポイントは、①消化器系、②循環器系を抑えることです。そして、③筋肉の動きや、眼球、ヒトの誕生を覚えましょう。

2-7.光と音

光の分野でテーマとなるのは、光の直進、光の反射、光の屈折、の3つです。

◆光の直進では、ピンホールカメラがよく出題されます。ピンホールカメラは簡単に作れるので、是非一度作ってみて実験してください。

◆光の反射では、鏡を使って考える問題が出題されます。入射角と反射角を理解して、①鏡を通して見える範囲の作図のしかた、②潜望鏡、③合わせ鏡、に応用できるようにしましょう。

◆光の屈折では、①光が水やガラスを通過する場合と、②光が凸レンズを通過する場合が出題されます。特に、②凸レンズでは、作図ができるようにすることが必要です。

音の分野でテーマとなるのは、①音を伝えるもの、②音の大小(振幅)・高低(振動数)、③音の速さ、の3つです。

2-8.ものの燃焼

物の燃焼の分野では、①ろうそく、②木の蒸し焼き、③ガスバーナーの使い方、④酸化の計算問題、の4つが出題されます。

ろうそくで理解するべきことは、燃焼の条件と、内炎・外炎・炎心の区別です。忘れやすいところですので、しっかり覚えましょう。

木の蒸し焼きでは、木を蒸し焼きにするとどのような効果があるのか、そして、実験上の注意点をおさえましょう。

ガスバーナーの使い方は、顕微鏡と同じく、手順を覚えましょう。

酸化の計算は難しく感じるかもしれません。しかし、金属と酸素の結合比を使えるようになれば得意分野となるでしょう。

3.小学校6年生の中学受験理科

3-1.ものの動き

物の動きの出題のパターンは3つだけです。

◆まず、振り子型。振り子型のパターンでは、周期が何によって決まるかが問題になります。ふり子の周期は、ふり子の長さ( 糸の長さ) だけで決まります。

◆次に、斜面上で物体を転がし、その物体がどれだけ飛ぶかという問題です。物体が動く速さは、高さだけで決まり、重さは関係ありません。

◆最後に、斜面上で物体を転がして他の物体(木片など)にぶつかったときに、ぶつけられた物体がどれだけ飛ぶか、という問題です。結論は、速さ(高さ)と重さで決まります。

これらのパターンの結論がなぜそのように導かれるのかを理解してしまえば、最速でマスターできます。

3-2.電流と磁界

高校受験の電流と中学受験の電流の違いが出てくるのが、電流の分野です。

中学受験では、電源は乾電池のみですので、電圧は常に一定となります。だから、オームの法則なんて使いません。

さて、この分野で問われるのは、① 豆電球の明るさ(回路)、② 発熱、③ 磁界、の3つです。

この中でも、「豆電球の明るさ」は最初に取り組むべき最重要課題です。回路が直列型、並列型、直列と並列の混合型、の3つのパターンを覚えましょう。それが分かれば、発熱のところも理解できます。

③磁界では、右ねじの法則と、電磁石を学びます。さらに、電磁石の応用として、ブザーのしくみとコイルモーターのしくみを学習します。 右ねじの法則も、電磁石も、右手の使い方を覚えるだけで、簡単にマスターすることができます。

3-3.気体と水溶液

◆気体攻略のポイントは、さまざま気体の作り方、それぞれの気体に特有な性質は何か、を表にして整理しましょう。インターネットで探せば、参考になるノートが見つかります。

◆水溶液攻略のポイントは、①溶解度、②いろいろな水溶液の性質、③中和、の3つの観点を一気にやってしまうことです。まずは、何が溶けているのかとか、液性は何か、それぞれの水溶液に特有な性質は何か、を表にしてノートにまとめておきましょう。

3-4.大地の変化

大地の変化の出題のパターンは4つです。①川の水のはたらき、②地層と化石、③たい積岩と火成岩、④地震です。

①川の水のはたらきでは、上流、中流、下流の地形との関連をおさえましょう。

②地層では、地層のでき方をまずおさえます。粘土の層があれば、そこはかつて深海の海底であったことが分かります。次に、断層、しゅう曲、不整合を整理して、地層ができた順序を言えるようにしましょう。断層には、正断層と逆断層があり、その違いもおさえましょう。

化石では、示相化石と示準化石を整理して覚えましょう。示準化石では、古生代、中生代、新生代の代表的な化石を覚えます。

③たい積岩と火成岩では、粒の様子に違いがあること、火成岩には6種類の岩石があること、をおさえます。

④地震では、震度とマグニチュードの違い、震度計のしくみ、地震の伝わり方、をおさえましょう。

3-5.ばね、てことてんびん

ばねの問題では、「自然長」と「伸び」を区別できるかどうかがポイントになります。出題形式としては、ばねの組み合わせの問題と、グラフの読取になります。

てことてんびんの問題は、段階を追って攻略しなくてはなりません

◆第1段階は、棒の重さを考えないで、モーメントの計算をできるようにする。

◆第2段階は、棒の重さも考慮して、モーメントの計算をできるようにする。

◆最終段階は、太さが一様でない棒でモーメントの計算が出来るようにする。

この順で訓練すれば、だれでもでんびんを得意分野にすることができます。

3-6.滑車と輪軸

滑車攻略のポイントは、動滑車の原理を理解できるかにかかっています。

① おもりの重力に逆らって、上向きに何本分の糸力で支えているか、そして、② 1本の糸にかかる力はどこも同じ、という2点だけです。

3-7.浮力

浮力の問題は、段階をおって理解しましょう

◆第1段階は、水そうの中に物体を浮かせる場合です。ここで浮力の原理をおさえます。

◆第2段階は、水そうの中の物体をばねばかりで支える場合です。目に見えない上下の力が組み合わさります。

◆第3段階は、ばねばかりと台ばかりの両方で物体を支える場合です。

ここまで解ければ、浮力はもう大丈夫です。

3-8.環境

環境では、①地球温暖化やオゾン層の破壊などの環境問題、②ヒートアイランド現象、③エコマークなどの環境ラベル、についておさらいしておけば大丈夫です。用語を正確に覚えるようにしましょう。

4.まとめ

塾で習う中学受験の理科は、小4から小6にかけて小出しに少しずつ進みます。
例えば、天体といえば、太陽、月、星、金星という分野を飛び飛びに習うんです。しかし、それらを串刺しにする根本原理があるならば、それらを一気に勉強するほうが効率的です。気体と水溶液についても、さまざまな物質を比べながら覚えるほうが理解しやすくなります。

つまり、算数ならば基本からの積み上げが必要ですが、理科では関連事項を一気にまとめあげた方が学習効率がよいのです。

今回ご紹介した中学受験の理科の内容は、目次の順、目次の項目ごとに学んでいただければ、得意科目にすることができるでしょう。

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