パラグラフリーディングでセンター入試英語の長文「内容一致問題」をクリアする方法

130b5413bc6f76a1c707b78b39b51e7c_s

センター試験の英語には、一般的に言って、問題傾向が変化しにくいという特徴があります。
なかでも、最近では大問5・6あたりに位置する長文読解問題は、例年似たような傾向を指摘することができます。

その傾向というのは、「内容一致問題」の頻出です。

内容一致問題と一般に呼ばれるこの形式は、つまるところ、〈設問に与えられた選択肢のうち本文の内容に一致するものを選ぶ〉スタイルの問題です。

19年度のセンターで言えば、二つの長文問題(第5・6問)が、この内容一致形式で出題されました。
センターのみならず、私大の英語でも、長文における内容一致は頻出ですから、大学受験を控えた受験生で、「英語で点がとれない…」、「長文で伸び悩む…」といった学生は、是非ともこの内容一致問題をマスターし、効率よく得点アップを狙うと良いでしょう。

本ブログでは、東大院生で予備校講師の筆者の推奨する、〈簡易型パラグラフ・リーディング〉を用いて、主にセンターを念頭においた長文の内容一致問題を効率よくこなす方法を紹介します。

1.長文問題の手順は?

内容一致問題の解法に手をつける前に、まずは英語の長文問題の解き方の手順を確認しておきましょう。

あらかじめ述べておくと、ここで想定している「長文問題」とは、問題用紙1〜2枚分程度の〈問題文〉と、だいたい5〜8問程度の〈設問〉から構成される、読解中心の問題のことです。

長文問題を解くとき、まず第一にやらなくてはならないことは何でしょうか。

これに対しては、人によってふたつの答えかたがあります。ひとつは、〈先に設問を読む〉こと。もうひとつは、〈あらかじめ問題文の内容を捉えてから、設問を読んでいく〉方法。

向き不向きがありますが、時間的余裕がなかったり、受験直前でどうしても読解ができない場合であれば、前者の先回りして設問を読んでしまう方法を教える場合もあります。しかし、長文問題の正攻法にして、最も手堅く点を取れるのは、明らかに後者の方法です。

つまり、問題文の内容をざっくりつかむこと、いうなら「概要把握」を優先して行うこと、これが推奨される方法です。

なぜこれが最優先なのかというと、問題文の概要把握には、大まかにいって3つのメリットがあるからです。

メリット1〈問題文の内容を限定しておくことで、読み違いのリスクを低減する〉こと。
メリット2〈設問に示されている問題文の箇所を絞ることができる〉こと。
メリット3〈内容を知っておくことで、わからない単語や文章の意味を推察できる〉こと。

これらのメリットを理由に、英語の長文読解問題の最優先事項として概要把握を挙げることができるのです。

ですから、長文の内容一致問題を読む順序は、〈問題文(概要把握)〉→〈設問文〉→〈選択肢〉→〈問題文(確認・精読)〉を推奨することにします。

2.STEP1.簡易型パラグラフ・リーディング

パラグラフ・リーディングとは?

この概要把握を最も効率的にこなすために必要なのが、「パラグラフ・リーディングParagraph reading」という方法なのです。

パラグラフ・リーディングとは、〈各段落のポイントを押さえることで、文章全体の概要をとらえる読みかた〉のこと。
これによって、速度の上昇と読解の正確さをえることができると言えます。

ここでは、センター試験向けに、〈簡易型パラグラフ・リーディング〉の方法を考えていきましょう。

もちろん、各段落につき「いつ・誰が・どこで・何を・なぜ・どのように」という、いわゆる5W1Hを答えられるようにしておくのが完璧なパラグラフ・リーディングですが、そうはいっても、より重要なのは余裕のない試験時間のなかで、ざっくり内容を知ることなのですから、そこまで細かく読む必要はありません。

ポイントは、〈段落のはじめの一文を正確に読むこと〉です。こうしておけば、最低限の内容とキーワードを見ることができるからです。

簡易型パラグラフ・リーディングの決め手:〈抽象化〉

そしてこのとき、あると助かる重要な思考法があります。それは、ひとつひとつの事柄をある程度〈抽象化〉して理解すること。
たとえば、

第1段落冒頭「ポッジオは優れたブック・ハンター[本の収集家]だった…」
第2段落冒頭「ヴァチカンの乾燥した気候は、羊皮紙[昔の本に使われる紙]を保存するのに適していた…」
第3段落冒頭「今日のわれわれの社会は、『事物の本質について』の多大なる影響のもとに成り立っている…」

と読めたとします。これらはすべて、個別的で具体的な事柄について述べているので、そのままでは何も繋がらないし、意味をなしません。

そこで、頭を駆動させて、これらをそれぞれ抽象化してとらえてみる。すると、

第1段落冒頭「とある男がたくさんの本を集めた…」
第2段落冒頭「集めた本は、気候に恵まれた場所に置かれたので、長い間保存された」
第3段落冒頭「そこで保存された本の一冊が、現代社会にも影響を残している…」

と、ある程度整合的な文脈が現れてきます。
こうして文章の大体の流れが見えてくるでしょう。

つまり抽象化とは、〈ピックアップされた個々の文章を、論理的に整合が取れるように解釈し直すこと〉なのです。

例えていうなら、一階で客人の話に耳を傾けながら、同時に吹き抜けの二階から離れてその客人を観察するような、達観した冷静さで問題文を読み解く必要があるわけです。

まとめ.長文問題を解くときは、まず簡易型パラグラフ・リーディングに取り掛かろう

3.STEP2.設問を読んでキーワードを掴む

こうして問題文の概要をつかんだら、つぎに、設問を読んでいくことになります。

設問は、「設問本文」と、「選択肢」のふたつから成ります。そこで、まず読むべきは当然、設問本文のほうでしょう。
そしてそこから読み解くべきは、当の設問が、〈問題文のどの箇所についての問いなのか〉ということです。

センターの場合、近年の傾向から言えば、 “In paragraph (1)…” とか、指定してくれるありがたい場合も少なくありません。ところがこの指定がない場合、どうやって段落を限定すれば良いか。

ひとつ重要なことは、概して〈設問の順序は問題文の順序と一致している〉ということ。つまり、問1なら問題文の冒頭に、最後の問なら問題文の最後の方に、多くの場合問題の箇所があるのです。

そしてもっと大事な方法は、〈キーワードから限定する〉ということ。設問本文のキーワードを抜き出して、それと同じ単語、あるいは同じ意味の単語を問題文中に探すことです。

キーワード限定方式で設問を読むことの簡便さは、次のような例で明らかになります。

設問
In 17th century, some thinkers commonly insist men have to reign their own passion because…(17世紀においては、人々は自分自身の情念を支配するべきだと主張した思想家もいた。なぜなら…)”

という文章に対し、与えられた選択肢から続く文章を選ぶタイプの設問だったとしましょう。キーワードは、下線で強調した「17世紀」・「思想家」・「主張した」・「情念」などでしょう。キーワードは、多くの場合こういった名詞だったり、行為・時代、場所などを限定する要素をもっています。

これに対して、問題文本文に次のような文章があったとしましょう。

問題文
Cartesians, philosophers who agree with Descartes (1596-1650), believe that the nature of human kind is in its mind, so they often say one’s feeling coming up from his body is less essential than his understanding(デカルトに賛同した哲学者たち、「デカルト主義者」らは、人間の本性はその精神にあると考えたので、しばしば、ある人の肉体から湧き上がってくる感情は、彼の知性よりも本質的なものではないと言った)”.

キーワードから当たれば、即座にここに答えがあるとわかります。というのも、キーワードに対応する語が散見されるからです

thinkers→ philosophers; 17th century→ (1596-1650); insist→ say; men→human kind; passion→feelingといった具合に、それぞれ対応します。

こうして問題箇所を限定できれば、あとは構造を見るだけ。設問ではbecause(なぜなら)以下を答える形式になっていましたが、問題文ではso(なので)によって前後が繋がれています。つまり、soの以前に答えが書いてあるのです。

まとめ.設問からキーワードを抽出して、問題箇所を限定しよう

4.STEP3.選択肢を仕分けする

以上の第一段階のみで回答できてしまえば、それで結構です。しかし場合によっては、単語や文章が難解で、選択肢の意味がとれない場合もあります。
それなら今度は、〈選択肢を分類して、問題文の内容に適合しそうなものを見分ける〉作業を試してみましょう。

こうした仕分け作業は、仮に問題文に出てくる単語の意味がわからなくても、否定/肯定や、主語/述語といった対応関係だけからでもアタリをつけることができるので、たいへん実践的なものです。

先ほどの設問の例を引き継いで、このような問題が出たとします。

設問
In 17th century, some thinkers commonly insist men have to reign their own passion because…
選択肢
① they never think that the passion is important.
② they convince that one’s feeling is more essential than his reason.
passion is considered that it is less essential than mind.
men’s nature is in their body.

この選択肢を、まずは仕分けしてみましょう。
まず、設問からしてpassionについて語られていることは明らかなので、passionに対してそれぞれの選択肢がどのような態度をとっているかを分類します。注目するのは、肯定/否定の対です。

①では、passionが主語のthat説全体がneverによって否定されます。つまり、passionに否定的。

②では、passionという単語こそ出てきませんが、類語であるfeelingが登場します。そして、この単語が入っているthat節を支配する動詞convinceは、少なくとも否定形ではないし、また否定的な接頭語(in/un/dis/contrなど)がついていません。つまりさしあたり肯定的だと考えることができるので、この選択肢は、passionに肯定的です。

③では、passionが主語に登場します。さらに、動詞considerは肯定的な形です。しかし、that節の中を見てみると、less…thanの劣等比較、つまり否定的表現が見つかります。つまり、S +V[肯定](that節[否定])となっており、結局はpassionに否定的です。

④では、主語にmen’s natureがきており、これは問題文にも対応します。SVC構文になっているので、補語bodyに肯定的な文章です。Bodypassionと関係することが問題文で述べられていることから、この選択肢はpassionに肯定的です。

まとめてみると、passionに対して肯定的なグループ(②&④)と、否定的なグループ(①&③)があることがわかります。

まとめ.基準となる語を見つけたら、簡単な対立軸を導入して、選択肢を仕分けしよう

5.STEP4. 問題文と対照する

そのうえで、問題文のso以下の部分(“so they often say one’s feeling coming up from his body is less essential than his understanding”)を振り返ってみましょう。
すると、one’s feelingすなわちpassionに対して、否定的な文脈であることがわかります。

であれば、選ぶべきは①か③しかないわけです。

そこで、どちらの選択肢が正解か、ということを考えるわけですが、ここで再び「キーワード」が役立ちます。つまり、“passion is considered that it is less essential than mind”という③番の選択肢のうちには、本文中にもみられるキーワード(下線部)が4つもみられます。これに対して、① “they never think that the passion is important”には、キーワードは2つしかありません。

キーワードが重なって、しかも肯定/否定の対が際立っているのですから、明らかに、③の方が正解である蓋然性は高いと言えます。ですから、この段階で③を選んでしまっても構わないようにおもわれます。

まとめ.パラグラフの概要、キーワード、仕分けを駆使して、選択肢と本文を整合させよう

6.最後は「精読」

これまでのステップを踏まえて、どうしても絞りきれないないのであれば、精読するしかありません。
ですからもちろん、英語の長文問題をとくに当たって、単語力や文法知識はいたって重要な要素をなすということ、これは否定できません。

しかし同時に、こうも覚えておくとよいでしょう。つまり、〈精読するのは最後の最後〉ということです。

長文問題、とりわけセンター的な内容一致問題に対しては、真っ向から読み切って勝とうというのでは、かなりの時間を浪費する愚直な作戦だという印象を避けられません。
むしろこの手の問題は、頭を使って、できるかぎり〈テクストの形だけをみて判断していく〉ということ、これによって時間を削減すること、こうしたことがより賢い選択だと言えるでしょう。

さて、英語の長文内容一致問題のオススメ解法の解説は以上になります。

以上に紹介した解法をヒントに、志望校めざしてトレーニングを重ねましょう。

著者情報

究進塾 編集局

究進塾 編集局
東京・池袋にある究進塾の編集局です。受験指導のプロが大学受験に役立つ情報をお届けしています。 大学受験対策コースはこちらからご覧いただけます。

お問い合わせ

さくさく勉強法へのご意見・ご感想などはこちらからお問い合わせください。

*の付いている項目は必須項目です。

お名前 (漢字)*

お名前(カナ)*

メールアドレス*

お問い合わせ内容*

さくさく勉強法をどこで知りましたか?

上の質問で「検索」と答えた方は、検索したキーワードをご記入ください。

【メッセージの確認】

お問い合わせの内容はこちらでよろしいですか?
よろしければチェックいただき送信ボタンをクリックしてください。