日本人はここで点数を稼げ!IELTS Reading必勝法
英語4技能の中で、しばしば「日本人受験者が一番得意とする分野」とされるリーディング。
確かに、スピーキングやリスニングのように音声情報に関わる分野は一般的に日本人が苦手意識を持ちやすいと言われ、また、アカデミック・ライティングのように理論的に意見・主張を発信するスタイルの英作文は、やはり多くの日本人にとってハードルの高いものです。
とはいえ、IELTS(アカデミック・モジュール)のリーディングは、2,000語強〜3,000語弱の長文が3つ出題され、相当な量の情報を短時間に処理して回答しなくてはならない、難易度の高い試験です。しかしながら、日々の訓練と受験時のコツを習得することで、確実にスコアは上がります。リーディングで高スコアを取り、全体スコア(4技能の平均)アップを目指しましょう!
1.IELTS(Academic)リーディング試験について知る
まずはIELTS試験の概要についてご説明します。なお、IELTSにはアカデミック・モジュールとジェネラル・モジュールの2種類がありますが、この記事では留学に必要なアカデミック・モジュールのリーディング・セクションについて書いています。
1-1.出題内容について
- 出題される長文は3つ(各2,000語強〜3,000語弱程度)
- 3つの長文それぞれに対し13〜14の設問が出題される(合計40問)
- 各文章に20分程度かけるよう指示がでる(合計60分)※時間配分は受験者個人による
- 文章は様々な専門分野に関する記事(新聞、雑誌等)や、書籍などから転記されたもの(ただし文章自体は専門家ではなく一般向けの内容)
- 長文は5〜8パラグラフ程度で構成され、パラグラフごとにA、B…とアルファベットがふられている
- 回答は、手書き(鉛筆)で回答用紙に書き込む
1-2.配点について
- 各1点x 40問=40点満点→点数に応じて1〜9(5刻み)のバンドスコアが出される
- バンドスコアの目安については、5割正解(20点)で5前後と言われているが、その回の試験の難易度、全体の正解率などによって異なる。
- 主な得点ルール:スペルミス(読めない文字を含む)、指示に沿っていない場合(語数制限など)は得点なし。イギリス英語とアメリカ英語のスペル違いについては、どちらも正解となる。
1-3.設問内容・回答方法について
基本的に、聞かれる内容は一般的な長文読解問題と似かよっています。文章を読んで主旨または詳細な情報について答える(選択する)もの、正誤問題などです。TOEFLや英検準1〜1級のリーディング問題でも同じような読解力が試されます。ただ、回答方法についてはIELTS独特の方式がありますので、以下に主なものをまとめてみました。
【IELTSリーディングに特徴的な指示・回答のしかた例】
回答についての指示文例(一部抜粋) | 備考 |
Choose NO MORE THAN TWO / THREE WORDS from the passage… | ・文章の中の単語2語/3語以内を使って回答する・文中の語を使って要約文や表などの穴埋めをする・choose ONE WORD ONLY from the passageという場合もある |
Do the following statements agree with the information given / views of the writer…?Write TRUE if the statement agrees with the information / FALSE if the statement contradicts the information / NOT GIVEN if there is no information… | ・文章の内容と一致するか否かの正誤を判断する問題・TRUE / FALSE / NOT GIVENで回答。もしくは、YES / NO / NOT GIVENのような場合もある・いずれも、指示に従って回答するが、NOT GIVEN(そのような情報は文章には書かれていない)という場合もあるので注意 |
Which paragraph contains the following information? | ・どの情報がどこのパラグラフに書かれているのかを回答する・パラグラフは数字ではなくA、B…とアルファベットで回答するので注意・他にパラグラフを答える設問として、Choose the correct heading for paragraphsという場合もある(各パラグラフに対する見出しを選ぶ) |
2.リーディング対策法:レベル別学習法
この項では、現在の英語レベル別にIELTSリーディングの対策法(レベル別おすすめ教材)をご紹介します。この項に加え、全受験者に該当する受験時のコツやテスト・スキル、日々の学習法などを「3.リーディング対策法:全受験者に共通するアドバイス」でご案内しますので、併せてお読みください。
それでは、まずは自分が現在の英語力でどの程度のリーディング・スコアを取れるのか、レベルチェックテストに挑戦してみましょう。
2-1.IELTSリーディング:レベルチェックテスト
◆リーディング練習問題:
http://www.examenglish.com/IELTS/IELTS_academic_reading1.htm
上記リンクの、「Academic reading test 6, 7, 8」をやってみてください。(合計40問、時間の目安60分)40問中何問正解できたか、得点した数字を以下のスコア換算サイトに入力し、バンドスコア(参考レベル)を確認してみましょう。
◆バンドスコアへの換算ページ (IELTS band score calculator):
http://www.examenglish.com/IELTS/IELTS_Band_Score_Calculator.html
【このサイトの使い方】
- 自分がリーディングテスト(練習問題)で得点した点数を、以下のページの「Academic Reading (out of 40)」の右のボックスに記入し、「Calculate Band Scores」をクリックします。
- すると、IELTS Bandの下に、バンドスコアの数字が表示されます(下図:20点得点→バンドスコア5の例)。
※なお、これはあくまで参考スコア程度に捉えてください。実際のIELTS試験では、受験者全体の正答率などを見てスコアが判断されますので、同じ点数を取ったとしても、別々の試験では異なる結果(バンドスコア)が出ることになります。
あくまで目安ではありますが、
- 5以上→中上級〜上級者向け(2.4)
- 0〜5.0→初中級〜中級者向け(2.3)
- 5以下→初心〜初級者向け(2.2)
の対策方法をご参照ください。
2-2.初心〜初級者向け(目安:IELTS3.5以下)
IELTSリーディングのレベルチェックテストをやってみて、いかがでしたか。IELTSで扱われる長文は、相当な長さと難易度です。英検1級のリーディング問題にも匹敵するレベルだといえるでしょう。
初心〜初級者の方が急にこのレベルの長文にチャレンジするのはハードルが高過ぎます。特に初心者は、IELTS問題に取り組む前に、まずは中学英語の学び直し・確認から始め、英語の基礎力を上げることに注力しましょう。(「英語初心者でも大丈夫!IELTS4.5〜5.0を確実に達成できる勉強法」の記事参照)
リーディングに特化した初級者向けの教材としては、以下のテキストはおすすめです。リーディング力を特に強化したいという場合は、是非英語の学び直しと並行して以下の教材にも取り組んでみてください。
◆Basic Reading Power 1: 3rd edition(Linda Jeffries & Beatrics S Mikulecky著、ピアソン出版; 2009年)
2-3.初中級〜中級者向け(目安:IELTS4.0-5.0程度)
総合的なリーディング力を付けるための教材として、以下のテキストは非常におすすめです。グループレッスンでの使用に適した教材ですが、自主学習用にも使用可です。
◆Reading Power 2: 4th edition(Linda Jeffries & Beatrics S Mikulecky著、ピアソン出版; 2009年)
【この教材の特徴や使い方】
- 4つのテーマ(Part 1〜4)に分かれ、各Partは6〜7ユニットで構成
- 各パートそれぞれに一つのリーディング・スキル(語彙力強化、速読スキル等)にフォーカスされており、必ずしもパート1から始める必要はない
- おすすめの使い方として:「パート1・ユニット1」→「パート2・ユニット1」→「パート3・ユニット1」→「パート4・ユニット1」、それが終わったら今度は各パートのユニット2へ進む(各スキルを順次バランス良く学んでいく)
Reading Power 2で総合的なリーディング力を養うとともに、IELTSリーディングの練習問題にも取り組みましょう。何と言っても公式のIELTS 過去問集は対策の基本です。
◆ケンブリッジ大学公式IELTS過去問題集11(2016年9月時点の最新号)
【この教材の特徴や使い方】
- 1冊に4つの試験問題(4つのセクション全ての問題を含む)が含まれている
- リーディング・セクションに取り組んでみる(1〜2回目は時間を気にせず解く)
- リーディング・セクションの各パッセージごとに、20分ずつの時間配分をして解いてみる
- リーディング・セクションの問題に、60分正確に計って取り組む(パッセージごとに20分を意識する)
- 毎回、過去問題に取り組んだ際には、必ず答え合わせをし、間違えたところの確認・見直しをする
多くのリーディング過去問題・練習問題を解くことはリーディング力の向上に直結します。公式過去問集の11が終了したら、一つ前の10に取り組んでみても良いでしょう。また、オンラインでも「IELTS reading free practice test」などと検索をかけると多くの無料練習問題が見つかりますので、購入した問題集以外にも追加して、多くの問題を解いていきましょう。
2-4.中上級〜上級者向け(目安:IELTS5.5以上)
すでにリーディング・セクションの練習問題または過去に受けたIELTS試験(リーディング)で5.5以上取れている方は、IELTSリーディングの練習問題に多く取り組みながら、リーディング力を上げていきましょう。何と言っても公式のIELTS 過去問集は対策の基本です。
◆ケンブリッジ大学公式IELTS過去問題集11(2016年9月時点の最新号)
【この教材の特徴や使い方】
- 1冊に4つの試験問題(4つのセクション全ての問題を含む)が含まれている
- リーディング・セクションに取り組んでみる(1〜2回目は時間を気にせず解く)
- リーディング・セクションの各パッセージごとに、20分ずつの時間配分をして解いてみる
- リーディング・セクションの問題に、60分正確に計って取り組む(パッセージごとに20分を意識する)
- 毎回、過去問題に取り組んだ際には、必ず答え合わせをし、間違えたところの確認・見直しをする
多くのリーディング過去問題・練習問題を解くことはリーディング力の向上に直結します。公式過去問集の11が終了したら、一つ前の10に取り組んでみても良いでしょう。また、オンラインでも「IELTS reading free practice test」などと検索をかけると多くの無料練習問題が見つかりますので、購入した問題集以外にも追加して、多くの問題を解いていきましょう。
中上級以上のレベルのある方なら、IELTSリーディングの問題に取り組みながら、さらに次項「3.リーディング対策法:全受験者に共通するアドバイス」に取り上げるようなコツやリーディング訓練法を取り入れることで、十分高いスコアを目指すことができると思います。
しかしながら、このレベルの方でも、特にリーディング試験が苦手だったり、長文を読むことに苦痛を感じるようであれば、IELTSリーディングに特化した教材を並行して活用すると良いでしょう。
以下の教材(Kindle版)は、30日間でIELTSリーディングのバンドスコアを1.0〜2.0上げるという具体的な目標のもとテキストが構成されています。120円程度で購入できる安価な教材なので、追加教材として購入して取り組んでみてはいかがでしょう。理論的には、今あなたがもし5.5のリーディング力があるとしたら、この教材を使い30日間きちんと取り組んだ後は、6.5〜7.5まで上がっているということになります。
◆IELTS Reading Maximizer for high scores on the reading exam (Faiza Raintree著、Kindle版2015年)
【この教材の特徴や使い方】
- 15の長文(passages)と、それに付随するIELTS方式の様々な設問が収録されている
- 長文は、医学、生物学、環境等々、様々な分野から取られ、バラエティーに富んだ分野の語彙に慣れるようになっている
- 2日かけて1つの長文にトライ→30日で1冊分が終了するという想定
- まず最初に、巻頭のセクション「To the student」をよく読み、具体的に30日間を使いどのように取り組んだら良いのかを確認し、それに沿って学習を進める
このようなリーディング特訓用教材は、リーディング・セクションのスコアを上げることに焦点を絞って、丁寧に確認しながらリーディングの学習ができます。これに取り組みながら、併せて週1回くらいのペースで過去問題集に取り組めば、自分のレベルが上がっていることを確認でき、更に効果が上がるはずです。
3.リーディング対策法:全受験者に共通するアドバイス
上記のレベル別学習法に加え、受験時に気をつけるべきポイントやリーディング力向上のために心がけるべきことについてご案内します。日々の学習に取り入れられること、また、試験対策の際に意識していただきたいことなどを挙げたいと思います。
3-1.IELTSリーディング・セクションの主な注意点
◆回答は必ず文中にある(書き写し間違いに注意!)
当たり前の話ですが、リーディングの試験については、設問に対する答えは必ず文中にあります。特にIELTSでは「文中の単語2(または3)語以内で回答しなさい」という問題は特徴的ですが、その場合は文中の単語を見つけて”そのまま”転記すれば良いのです。書き写す際にうっかりスペルを間違えると得点になりませんので、ケアレスミスを避けるようにしましょう。
◆質問の指示は必ず厳密に守る
NO MORE THAN 2 WORDSと指示されている場合に、3語記入してしまうと不正解になります。当然、a や theなども1語に数えますので注意してください。ただし、ハイフンでつながっている2単語については、1語として数えます。
business-like (businesslikeまたは、business likeとも綴る)
on-line
up-to-date
◆スペルに自信のない単語は避ける
スペルミス(文字が読めない場合も含む)は得点になりませんので、十分注意が必要です。スペルに自信がない場合は、文中に出てきている単語なら文中で探して確認しましょう。
もし、文中にある同義語かスペルが確実な単語に置き換えられるのであれば、確実なほうを選んで記入します。数字も、スペルに迷った時は算用数字をそのまま使います(減点の対象にはなりません)。もちろん、スペルに自信がないからと言って繋げ文字や筆記体などで紛らわしい書き方をするのはNGです。
◆回答を空欄にしないこと
「A〜Hのパラグラフを選んでアルファベットを記入」や、「TRUE/FALSE/NOT GIVENのどれかを記入」などの問題で、どうしても答えが分からない時や問題を解く時間が無くなってしまった場合でも、空欄にはせず何か記入しましょう。
◆文章に知らない単語が出てきても、気にしない
IELTSリーディング試験では、新聞や雑誌などに掲載された、様々な専門分野(科学、生物、歴史、文化、医学等)に関わる文章が使用されます。
したがって、自分が得意でない分野が出題されることもあるでしょう。また、文章の中には幾つか専門用語が使われている場合が多いです。
専門性の高い用語については、知らなくても全く問題ありません。その語の意味が分からなくても、前後の文脈から意味が分かったり、またその部分が分からなくても設問の回答には影響しない場合がほとんどです。知らない単語は気にせず、次に読み進めましょう。
◆最初に設問を全て読むこと
リーディング試験が始まったら、まずは長文を読む前に、どんな質問がされているのかに目を通します。これによって、文章がどんなトピックについて書かれているのか、どんな質問がされていて、具体的にどんな情報に注意して読めば良いのか、と言ったことが把握できます。
設問を確認したら、質問で聞かれている内容を意識しながら文章を読み進めます。(このやり方は、特に「スキャニング」というスキル(後述)に関連します。)
◆和訳しようとしないこと
短時間で素早く文章を読みこなす必要があるため、いちいち頭の中で和訳していては時間が足りません。リーディング試験に限りませんが、英語の文章でそのまま理解し頭の中で情報をプロセスできるように(いわゆる英語脳)訓練しましょう。
単語の正確な和訳がわからなくても、英語で意味が分かっていれば問題ありません。
3-2.長文読解で必要とされるリーディング・スキルとは?
IELTSリーディング試験のように相当な長さの英文を読みこなして質問に答えるという試験には、英文を理解するための英語力はもちろんですが、具体的なリーディングのテクニック(リーディング・スキル)が欠かせません。以下、主なリーディング・スキルを挙げてみました。
:本文を読む前に、まずタイトルや視覚情報、その他のバックグラウンドとなる情報を確認して、テーマがどのようなものかを大まかに把握すること
→IELTS試験の場合は、最初に設問を読むことで多くの情報を得られます。◆Scanning(スキャニング)
:読み取るべき情報にフォーカスして、文章の中からそのキーワードをピックアップすること
→設問でどんなことが聞かれているのかを予め把握し、その回答となる箇所をスピーディに見つけられるようにしましょう。◆Skimming(スキミング)
:文章全体をざっと読んで大意を把握すること
→キーワードや数字などに注意しながら、素早く全体の内容や重要な論点をつかみます。◆Inferences(推測)
:文脈などから、文章や単語の意味を推測すること
→分からない単語や、意味がつかみにくい長い文章があっても、前後の文脈から意味を推測しながら読み進めます。そこで引っかかって先に進めなくなることを避けましょう。
リーディングの試験においては、以上のようなスキルを駆使して問題を解いていきます。それぞれが大事なスキルですが、特にIELTSリーディング試験においては、素早くスキャニングできる力は最重要だと思います。
これらのスキルを身につけるには、たくさん長文読解問題を解きながら練習していくことが不可欠ですが、それ以外にリーディング力を上げるためにできる具体的な練習方法を次の項で紹介します。
3-3. 多読・速読練習について:リーディング力を上げるために
IELTS試験に限ったことではありませんが、リーディング力を上げるためにはたくさん読みこなすことは欠かせません。具体的なテクニックについては、問題を解きながら練習をしますが、そのほかにリーディング力を上げるために日々取り組める実践方法をお教えします。
◆Extensive Reading(多読)
英語学習の効果を上げるためのルールに従って、たくさんのリーディングをすること
基本的なルール
- 自分のレベルに合った難易度の本(英文)を読むこと
→Graded Readersと言って、レベル別の読書教材を活用するのが一般的です。
- 試験ではないので、詳細情報に気配りする必要は無し
→自分なりに内容を理解し楽しんで読めることがベストです。
- 興味を持って読める内容のものを選ぶ
→無理なく続けられるよう、自分の興味ある分野の本や文章を活用しましょう。とはいえ、同じ分野ばかりだと偏るので、徐々にジャンルを広げていくと良いでしょう。
- 定期的にある程度の頻度で続けること(毎日やることが理想!)
→読む量(ページ数など)は個人の都合によりますが、ほぼ毎日15〜30分程度取り組めると良いでしょう。通勤通学時間などを活用しましょう。
- 分からない単語があっても、逐一辞書などで調べない
→繰り返し出て来る単語、文章のキーワードとなるような単語についてのみ、意味を調べます。
- 7〜8割理解できれば良しとする
→内容を全て理解する必要はありません。ただし、難し過ぎると感じたら止めて、もう少し易しいレベルの読み物にトライしましょう。
以上のようなルールを意識しながら日々多読練習を続けることは、リーディングのみならず全体的な英語力アップに効果が高いという実証があります。多読用教材は多くの出版社から出されており、最近では多読用のウェブ教材もあります。
◆お薦めのシリーズ それぞれ、1冊 600~800 円程度
・ピアソン多読リーダー
・マクミランリーダーズ
・IBCパブリッシング・ラダーシリーズ
◆オンラインの教材
・Extensive Reading Central(無料): http://www.er-central.com/library/
・365 essays for English learners (無料): http://www.eslfast.com/eslread/
・Books for Young Adults(無料): http://www.magickeys.com/books/index.html#ya
◆Timed Reading Practice (速読のための練習)
速読の練習として、同じくらいの長さの英文を読むのに何秒かかるか(1分間に何ワード読めるか)を計り、読むスピードの向上につなげる練習方法
基本的なルール
- 毎回ほぼ同じ語数の文章で難易度も同レベルのものを読む(300〜600ワード程度の短い文章でよし)
→短い文章であればほんの短時間でできるので、毎日続けられます。
- ストップウォッチなどを使い、何秒で読めたか記録
→文章のワード数をかかった時間で割り、1分間に何ワード読めたかを表などに記録しましょう。例えば420ワードの文章を読むのに2分40秒(160秒)かかった場合、420÷160×60=157.5 →157.5words/分となります。
- 毎回、初めて読む文章を使い、一定期間同じくらいの難易度の文章を読むようにする
→Extensive Reading用のレベル別読書教材を活用すると良いでしょう。読むスピードが上がってきたら、教材の難易度を少し上げて同じようにチャレンジします。
- 単に読むだけでなく、きちんと情報を理解しながら読めるようにする
→理解度確認のための設問付きの読み物がおすすめです。設問が付属していない読み物でも、読んだ後に自分で内容の振り返りをしてみます。5W1H(いつどこで、誰が、何を、どのように、なぜそのようなことが起こったか)の確認を基本とし、できれば要約文を作ってみましょう。
以上のような練習を日常繰り返すことで、必ず読むスピードは上がってくるはずです。毎日短時間で取り組めるので、日々コツコツと継続できる人にとっては効果の臨める練習方法です。ただ、適した教材選択が難しいので、ご参考として以下のサイトをご紹介しておきます。
・センゲージラーニング社・オンラインリーディング練習(無料)(Exercise1~24)
https://college.cengage.com/collegesurvival/watkins/learning_companion/1e/students/timed_reading.html
スタートとフィニッシュのボタンを クリックするだけで時間がカウントされwords/分が出てきます。読解確認の問題も付属します。※対応レベル:初中級以上
他に、「2.リーディング対策法:レベル別学習法」の中で紹介した教材「Reading Power」のシリーズにはTimed Readingのエクササイズが収録されていますので、この教材を使用する方は、まずはテキストの中のTimed Readingに取り組めば良いでしょう。
Extensive Reading、またTimed Reading Practiceは、継続することで必ずリーディング・スキルの向上につながる練習です。IELTS試験のみならず、素早く大量の文字情報を読みこなすことは、今後の留学生活や将来のキャリアにおいても非常に重要です。ぜひ試験対策と並行して、リーディング力を上げる練習も取り入れてみてください。
4.まとめ
今回はIELTSリーディング試験の攻略法として、リーディング・セクションの概要、受験時の注意点、レベル別の学習法(おすすめ教材)などに加え、読む力を上げるための具体的なリーディング・スキルやその習得法について、様々な角度からご案内しました。
一口にリーディングと言っても、たくさんの複雑な英語力やテクニックが関わってくる分野です。リーディング力を上げるためには、想像以上の訓練の積み重ねが必要だということに、驚かれたかもしれませんね。ただ、テクニックを学び練習することで、確実にリーディングのスピードや読解力は上がります。1ヶ月程度でバンドスコア1.0〜2.0レベルを上げることも可能ですので、ぜひ今回の記事を参考に、リーディングを一番得点できる分野にしましょう。
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