難関と言われる中学受験の算数を攻略する勉強法

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中学受験の世界では、「低学年から塾に通ったほうがいい」とか、「小4から始めないと間に合わない」と言われていますね。

でも実際のところ、塾のカリキュラムにそって勉強しても、特に算数の場合、途中で挫折したり、理解できずに時だけが過ぎていくというケースが後を絶ちません。これはすなわち、塾のカリキュラムに沿って勉強しても効果が上がっていない、ということ。

そこで、算数にどのように取り組めばよいのか、中学受験の算数指導25年のベテラン講師が、中学受験算数の成績を上げる勉強法を公開します。

1.小4~小5の6月までにやっておくべきこと

1-1.算数の成績が上がらない本当の理由

塾でテストを受けた後、間違えたところの解き直しをしていますか?

算数の成績が上がらない生徒たちや、算数の成績が下降傾向にある生徒たちを見ていると、テスト前はがんばるけれども、テスト後は気が抜けてしまうという特徴があることに気づきます。
親や先生が成績ばかりに目を向けてしまうために、子どもたちも結果だけを強く意識してしまうからなのでしょう。

しかし、中学受験の算数は積み上げが大事な科目なので、「今やっていること」をおざなりにしておくと、後で必ずスランプに陥ります。反対に、今やっていることをきちんとできるようにしておくと、少しずつでも必ずできるようになります。

この意味で、塾などで受けるテストは、受ける前より、受ける後のほうが圧倒的に重要なのです。成績が低くても、テストの解き直しに力を入れる習慣を続ければ、挽回が可能です。

算数の成績が上がらない人は、まず、「今やっていること」に集中してください。

1-2.小5の6月からミスをしないための下準備

しかし、いくら塾の勉強をていねいにこなそうとしても、計算力のない子どもは算数に対して苦手意識を持ち続けてしまいます。

具体的にいうと、小学5年生の6月ごろから、算数が苦手な子どもが増えます。割合の問題を解くときには、整数だけでなく、小数や分数も入り乱れた複雑な計算をしなければならないからです。また、円の問題では複雑な式を要領よく解かなくてはなりません。

この段階になって「計算力をつけよう」と気づいても、計算力の向上にさける時間はほんのわずかです。というのも、小5になると、小4のときとは異なり、算数だけでなく、国語も社会お理科も平行して勉強しなければならないからです。

そこで、小5の6月まで、つまり勉強量が急激に増える前までにしておくことをお伝えしておきます。

まずは、「陰山ドリル算数」(清風堂書店)です。

各学年に初級と上級(文章題)があるのですが、小4までに、陰山ドリル算数を小6まで終わらせておく。

このドリルの優れている点は、筆算のところにマス目がついていて、正確できれいに計算をする習慣がつくことです。計算をていねいに、しかも早くできるということは、中学校に入ってからも大事な財産になります。

では、小5になったら何をするかというと、それは受験対策の計算練習です。
おススメなのは、「中学入試 出る順 過去問 計算 合格への920問」(旺文社)です。

複雑な計算問題が多数収録されていますが、陰山ドリル算数を6年まで終えた子どもならば楽しく取り組めます。複雑な計算を解くということは、何段階もの手順をふんで答えに到達するということですから、論理的な思考力が身につき、応用問題に取り組む下地ができるということです。

現在5年生や6年生の子どもでも、「陰山ドリル算数」(5年生と6年生)と「出る順 計算」を毎日の勉強に取りこむことで、中学受験だけでなく、中学生になっても役立つ学力が身につきます。

2.中学受験算数の勉強法の鉄則

2-1.自分でマルつけをして間違いを直す習慣づくり

計算力を充実させたら、後は日々の算数の問題への取り組み方が問題になります。

算数の勉強法でまず大切なことは、「算数の問題が解けるようになるのは自分のためだ」ということを子ども自身が自覚することです。
これはどういうことかというと、逆にいえば、算数が不得意な子どもの多くが「勉強は他人事」になっているということです。

例えば、宿題を出すと○つけをしないとか、○×だけをつけて間違い直しをしないというケースです。

このような子どもを見ていると、「自分の答えが合っているかどうか気にならないのかな?」と不思議に思ってしまいます。

このようなことにならないためには、小4くらいの計算問題から自分で○つけをする習慣をつけることが大切です。いつまでも親や先生が○つけをしていると、「子ども自身が問題を解きながらミスを発見する」という重要な学力を養成することができません。

2-2.納得しないまま先に進んではいけない

算数の勉強で大事なことの2つ目は、「納得するまで考えさせる」ということです。このような習慣を子どもに身につけさせる上で主役になるのは「親」です。

先にも書きましたが、親や先生が子どもの成績ばかりに目がいくようだと、子ども自身もテストの結果だけに目が行くようになります。このような子どもは、一見するとテストのためにがんばっているようには見えますが、勉強内容そのものを楽しむ余裕がありません。結局、場当たり的に勉強しているだけなので、算数が得意になるはずもありません。

こんなことにならないようにするためには、小学校4年生くらいから、「理由が言えなくては勉強の意味がない」という認識を親子で共有していくことが大事です。

やがて塾に通うようになってからも、「なぜ?」「納得!」の感覚を持った子どもは順調に成長していきます。

2-3.工夫して勉強するように励ます

算数の勉強で大事なことの3つ目は、「勉強に工夫をする」ということです。

例えば、ノートの取り方。
ノートが雑なままだと、問題が複雑になったときに、解答まで時間がかかってしまうことがあります。子どものノートが雑なときは、ノートには整然と書くように粘り強く励ましましょう

また、授業用ノート、復習用ノート、テストの解き直しノート、解法をまとめたノートなど、勉強目的に応じたノートを用意すると、「今なんのために勉強しているか」を意識することができます。

勉強の内容については、できれば1通りではなく別解も理解するように励ましましょう。私が子どもたちに言うのは、「5回より5通り」。つまり、できるようになった問題を何度も解くのはムダであるのはもちろん、これ以上練習する必要のない問題は解かない。むしろ、できるようになった問題でも、ほかに解き方はないかということを探究すれば、算数の実力が飛躍的に向上します。

以上のことは、わかり切っていることだと思いますが、徹底しているご家庭は少ないように思います。子どもたちの未来を切り開くという気持ちで、ぜひ向き合っていただきたいと思います。

3.中学受験で差がつく分野

3-1.割合

ここからは、算数で差がつく分野への取り組み方をみていきたいと思います。まずは「割合」です。

まず「割合」ですが、割合自体の本質的な考え方を、食塩水、売買などに応用していきます。塾の授業では、小5の6月ごろに登場します。

塾ではこれらの内容をものすごいスピードで教えることになりますので、苦手な子どもが続出してしまいます。
また、教える側としては単純なパターン学習だと思っていますが、教わる側はなかなか飲み込めない、このようなギャップもまた苦手な子どもを生む原因となっています。

そこで、塾の授業で割合が登場する前に、割合の基本(モトになる量、比べられる量、割合)を予習することが必要です。塾の勉強の進度が早いのはわかり切っているのならば、余裕をもって授業についていくには「予習」するしか手の打ちようはありません。

そこでおススメの問題集は、「日本一の算数ドリル 3割合」(プレジデント社)です。


パターン練習が充実しており、基本のキを身につけるためには、塾の教材より優れています。

3-2.速さ

割合に続いて難しいと感じる分野は、「速さ」です。

速さが難しく感じるのは、割合と同じく、速さの3公式を完全に身につけることなく、どんどん先に進んでしまうからです。

具体的にいうと、速さの3公式を学ぶと、続けざまに、旅人算、通過算、流水算、時計算と、いろいろな速さのバリエーションが登場します。すると、「出会いと追い越しには周期がある」とか、「通過算は図を書けばわかりやすくなるとか、「流水算は速さを線分図で比べるとよい」とか、「時計算はパターンがある」などのテクニックがごちゃごちゃになってしまうんですね。

そこで、塾のペースで理解できなかったら、自分のペースでゆっくり取り組むことが効果的です。

塾で通過算に入っても、もし旅人算でもやもやしていれば「今は旅人算をマスターするぞ」というように段階をふむ。今は塾に後れをとったとしても、完全に理解して先にすすめば、必ず追いつくことができますし、試験の成績も安定します。

3-3.図形

図形については、円をあつかう頃から急激に計算が複雑になって難しくなります。

そのため、円の面積や円周の長さを求める公式はわかっているものの、式を立てることができないという子どもが大勢います。さらに、面積比や体積比を習うようになると、これらもまた立式が複雑で、苦手な子どもが続出します。

また、図形の問題では、思考が段階的になっているのが特徴です。AだからB、BだからC、CだからD、というように論理の階段を一つ一つ上っていかなくてはならないのです。一発で答えを出せると考えている子どもにはとても難しく感じるわけです。

そこで、図形の問題の対策として効果的なことは、受験する中学校の入試問題を意識するということです。

例えば、速さの問題では、どんな中学校も同じような問題を出題しますので、まんべんなく勉強する必要があります。これに対して、図形の問題は、中学校によって出題する範囲や出題のしかたに特徴があります。具体的には、空間図形は出題しないとか、図形の移動は必ず出題する、というようなクセがあるのです。

ですので、図形の問題は、まず、塾の例題程度の基本問題をできるようにしておく
そして、志望校が決まったら、その学校が出題する図形の問題傾向に沿って対策する

このようにピンポイントで対策することで学習の負担を減らすことができます。

4.まとめ

中学受験の最大の難関と言われる「算数」。しかし、本当に算数は難関なのでしょうか。

まず算数は、積み上げの教科であることに立ち返る必要があります。塾で教わるスピードが速いからといって、基本をおろそかにしていいはずはありませんね。塾のカリキュラムが早いことはだれもが知っていることです。もし、塾のペースについていけないとすれば、事前に手を打つ必要があります。

この記事では、算数の勉強が本来の積み上げ学習になるような工夫について紹介しました。できる方法を取り入れていただき、中学受験の算数はさほど「難関」ではないことを実感していただければと思います。

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