現代文の勉強法「多読」はどうやればいい?基本から全てお伝えします

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現代文(あるいは小論文)の勉強法のひとつとして、「多読」があります。
しかし、この多読勉強法、やや漠然としすぎていて、どんな風に学習すればいいのかわからないという声も耳にします。

そこで本記事では、多読をすべきはどんなレベルからか、どんな本を読めばいいのか、そういった多読の基本について、解説していきます。

1. 多読のねらい:何をめざすか

多読勉強法の最大のねらいは、とにかく現代文に「慣れる」ことです。

受験では、当然、試験時間に読み切れる程度の分量を切り取られたテクストにしか、お目にかかりません。教科書でも同じことで、ある程度の短さにまとまっています。そのため、過去問や参考書を解いていく過程では、それなりの長さの文章を読むという機会を失してしまうことになります。

しかし、見方によると、読解力を伸ばすためには、或る程度の長さのある文章を通読するという経験が、大きく役立つということは事実でしょう。本を通読したことのある人とない人とでは、文章に対する感度、読解力、作文力など、さまざまな面で差が開きます。これをカバーするために、多読勉強法は有効です。

また、受験を有利に進めるために、試験に頻出するトピックについて、広く浅い知識を身につけておくというのも、多読の狙いです。知ってる話と知らない話とでは、もちろん、読みの深さも変わってくるわけです。

まとめると、慣れ知識、このふたつを身につけることが、多読の最大の狙いであるといってよいでしょう。

2. 多読の対象者:誰がやるべきか

しかし、多読が上のような狙いをもっているということ、そのことから、多読をお勧めできる人とできない人とがいることになります。

まず、多読の段階に入るためには、試験に出てくるような短いパッセージについては論旨を掴むことができている、というのが条件です。

つまり、短い文章でも論述の流れや起伏が追えない段階にいる人がいきなり長い著作を読んでも、ほとんど何もわからないということになりかねないのです。ですから、まずは自分が、時間をかけてもいいから、教科書や参考書、過去問などで、短いパッセージを読めるということ、これを確信しておきましょう。

このような条件の他にも、多読を積極的にお勧めできるひとというのがいます。

それは、「現代文の試験ではいつも7、8割くらいは取れるのだが、肝心なところで失点して、満点がなかなか取れない…」とか、あるいは、「現代文はそこそこできるが、しかし自信がない」といった人たちです。
こういう受験生は、つまるところ、「あと一歩」のところにいる人たち。そのあと一歩をどうやって埋めるか、という時に、多読が役に立つとおもわれます。

なぜなら、先ほど述べたように、頻出の知識を身につけておくとか、論述の流れを捌けるようになるとか、そういった能力を多読が鍛えてくれるからです。

3. 多読の題材:何を読むべきか

それでは、自分が多読に向いている人ならば、どういった題材を選んで、多読式勉強法をはじめるべきでしょうか。
ここで、多読の目的からいって、必要な条件をみっつあげておきます。

  • 条件 少なくとも、だいたい100ページ弱ほどの長さがある。

まず大事なことは、或る程度のまとまりのある文章を読む、ということです。このことは、多読によって読解に慣れよう、という目的からして自然に導かれることです。

ところで、ここでいう「慣れる」ということを、もう少し具体的にしておきましょう。
これは、一言で言えば、「長い目で見る」とか、「巨視的にみる」とか、「大局観をもつ」というような、そういう能力を身につけることです。この能力の向上こそ、多読によって鍛えられるべきものなのです。

たとえば、詰将棋の達人が、それでもプロ棋士にはかなわないということがよくあるように、短いスパンでの読みの深さは、長い目で見れば負けにつながる、ということがあります。

受験対策は基本的に短い文章の繰り返しですが、これだけを読んでいても、文章の抑揚を拾い上げたり、不要箇所を切り捨てたりするような能力は、あまり身につかないのです。

そして、こうした能力こそ、多読によって鍛えられる、「大局観」である、というのが、ここでのポイントです。それゆえ、多読においては、小さい視点で読みすぎていると読みきれない程度に、その程度には長い文章を読む必要があるわけです。

そこで、これから多読を始めるひとが読むべきは、目安として、100ページ弱程度のまとまりのある文章です。

これくらいだと、何章か章立てがあり、また、その章の中には節があり…という、文章全体の構造が、それなりに複雑化しており、トレーニングには最適なわけです。

  • 条件 受験問題に頻出するようなトピックである。

ふたつめの条件は、多読の目的のふたつめ、つまり、「知識の獲得」にかかわっています。
つまり、受験で頻出するようなトピックにあたっている、というのが、重要なことです。

受験で出てこないようなトピックの本を読むとしても、もちろん勉強のさまたげになるということまではないでしょうが、しかし、少なからず遠回りになってしまいます。
多読による読解能力の向上をめざしつつ知識を増やしていくということが、より効率的であるというのは明らかでしょう。

具体的には、哲学・倫理学・心理学・文学・政治学・社会学・宗教学・メディア論・芸術論等々が、受験における頻出分野といってよいはずです。(もちろん、いずれも初歩的なレベルのものですが。)

反対に、あまり頻出でないのは、医学書・ビジネス書・啓発本・実用書の類、あるいは、上記の分野の専門的な著作です。こうしたものは、効率をあげるためには、やや敬遠すべきというべきでしょう。

  • 条件 自分が理解できるレベルである。

最後に、上のふたつの条件を満たして、しかも、自分にわかるものである必要があります。

内容を理解しがたい専門書を読むのも、それなりにトレーニングにはなりますが、曲解する癖がついてしまったり、表面上の知識だけ拾い食いする癖がついたり、あまり良くないこともおおいです。

そのため、あくまで自分に理解できるものであるのが望ましいのです。

ここで具体的な指標を出しておくと、「入門」や「基本」、「初歩」などとタイトルに掲げられている本が望ましいと言えます。いわゆる入門書の類です。

なぜ入門書が望ましいのでしょうか。

それは、多くの学問分野の入門書が、高校三年生〜大学一年生ほどを対象に書かれているからです。

多くの場合、入門書の目的は、大学の専門分野に進む前の学生や、受験学科を選択する前の高校生などに、門戸を開くということにあります。それゆえ、簡便な入門書は、高校三年生にとっては十分に理解可能な内容に書かれているといって良いはずです。

もし、入門書の類を読んでも自分にとって簡単すぎるという場合には、有名な評論家や論者の書いた評論文を読んでみるというのも手ですが、そのレベルに達している生徒は、もはや自分の好みで本を選んでいいとも言えます。

  • 結局…?

さて、以上三つの条件をみるに、結局どんな本を読むべきなのでしょうか
振り返ってみれば、1/ 100ページ以上、2/ 文系諸学に属する、3/ 入門レベル、ということでした。これらを満たすものとして、簡便に入手できるのは、新書や文庫の類です。

とくに、岩波書店や中央公論社(中公)、講談社の学術シリーズなどは、本格的にして簡明な入門書に定評があります。これらに類するもののなかで、好みのものを選んで読むのが良いでしょう。

4. 本の読み方

最後に、本の読み方について、一般的な注意をひとつだけ述べておきましょう。

多読の際には、「速く読む」ということを意識する必要はあまりありません。なぜなら、そうしたことは、受験対策の過去問や問題集の短い文章を対象に、十分トレーニングできるからです。

むしろ、多読にしかできないことをやるべきです。それというのは、「自分が理解できないことを把握する」ということです。これは、問題を解くことが念頭にある場合には、あまり時間をかけて検討できない事柄です。

むしろ、本をじっくり読むときなどに、「何が理解できていないのか」ということを忘れないようにすること、そして、その点に納得できるまで考えてみること、このことが、思考力と読解力、そして知識の獲得のためにもっとも重要なことと言えるでしょう。

まとめ

以上、多読式勉強法の基本的なコツの解説でした。

振り返りつつまとめてみましょう。

  • 多読はあくまでプラスαとみなす。基本の学力がついてから、実力を伸ばすためにトライしてみよう。
  • 多読の目的は、文章への慣れと知識のカバー。
  • 多読の題材にするのは新書や文庫などの入門書がベスト。
  • 多読の際には、集中力と思考力をフル稼動して、納得いくまで読み込んでみよう。

以上です。

これを参考に、現代文の力を大いに伸ばしてみましょう。

著者情報

究進塾 編集局

究進塾 編集局
東京・池袋にある究進塾の編集局です。受験指導のプロが大学受験に役立つ情報をお届けしています。 大学受験対策コースはこちらからご覧いただけます。

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