苦手な人でも現代文の読解力をつける勉強法〜論説篇〜

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高校受験であれ大学受験であれ、国語(現代文)の得点力のカギは、一にも二にも“読解力”にあります。ところが、この読解力というのがクセモノで、「読解力とは何か」とか、「どのように身につけるのか」ということには、なかなか答えにくいものです。そのため、現代文がもともと得意な人は得意なまま、苦手な人は苦手意識を持ったまま受験に望んでしまう、なんていうことも、しばしば起こりかねないのです。

ところが、読解力というのはそのようなつかみどころのないシロモノではなくて、むしろ単純な仕組みを理解し、多少の知識を持つだけで、誰でも手にすることのできるものなのです。ここでは、その仕組みと知識について、解説します。

論説文と物語文 〜現代文が苦手なら、まず論説文をマスターすべし〜

さて、一口に「現代文」と言っても、試験ではいくつかの形式の問題が出題されます。

長文読解に限っても、大きくわけて「論説文」と「物語文」の二種類を分けることができ、以下のような違いがあります。

・論説文…何かを論じる(例:学術論文、ニュース記事、参考書、実用書、ゲームの解説本など)

・物語文…何かを物語る(例:小説、和歌、RPGゲームなど)

具体的に見てみれば一目瞭然なのですが、論説文と物語文の違いは、「伝える内容」の性格の違いに終始するのです。というのも、例えばニュース記事のような論説文は、出来事の内容を正確に伝えなければなりません。

論文の場合も同様で、著者の主張がはっきりと示されなければ意味がありません(そういう意味では、いま皆さんが読んでいるこの記事もまた、「論説文」の一種です)。

要するに、論説文の特徴は、「伝える内容」が文章よりも先にあって、それを目指して文章が構成されている、という点にあるのです。簡単に言えば、「伝える内容ありき」でハナシが進んでいくのですから、ちょうど設計図をもとに家を建てていくようなものなのです。

これとは反対に、物語文の場合、「伝える内容」がそれほどはっきりしている必要はありません。もちろん物語文にも多くのメッセージが込められているのですが、それをはっきり文字にしてしまう小説ほど野暮なものはないでしょう。

そんなわけで、この二つの出題形式を見比べたときに、現代文が苦手な人がまず先に克服するべきは、明らかに論説文の方なのです。なぜなら、そこには「伝える内容」があり、それを目指す「論理構成」があり、それを支える「言葉の使い方」があるのですから、これらを一つ一つチェックすれば、数式を解くような感覚で文章を読みとくことができるからなのです。

こういったわけで、今回は『論説篇』と題して論説文の読解力のつけ方をお話していくわけです。

論説読解のメソッド 〜論理構成を見やぶる〜

先ほど、論説文には「伝える内容ありき」で組み立てられた構成がある、と言いました。これはたとえば、数学の証明問題のように、結論を目指して式をしめしていくのと、ちょうど同じやり方です。

論説文の著者は誰でも、こうした論理的な構成を意識しているし、論理的構成のない論説文など成立しませんから、受験問題に選ばれることもないでしょう。ですから、読む側にしてみれば、文章全体を支配しているこの構成を、分解して、単純でカンタンな要素にまでバラバラにしてしまえば良いのです。

それでは、この論説文の「論理構成」とは、具体的にはどのようなものなのでしょうか。

①序論―②本論―③結論

というのが、もっともシンプルな論理構成です。

もちろん、受験に出てくる論説文の多くが抜粋ですから、この論理構成が顕著にあらわれているとも限りません。ただしそういう場合でも、この論理構成の枠組みにあてはめて読み解くことで、得点力が向上するということは確かです。

序論

①まずは、序論を読むときにおさえておくべきことを整理して見ましょう。

まず、序論は導入ですから、文章全体で何が話題に上がるか、要するにテーマが示されます。当然ながら、テーマを読み解くことは、読解の上で何よりも大事なことですから、ここは慎重に読みましょう。

その上で、テーマに関する著者の主張を読みとらなくてはなりません。著者の主張というのは、つまりは論述の結論のことなのですが、よくできた論説文は多くの場合、序論にすでに「結論」が含まれています。その方が、著者が何を伝えたいかが明確になるからです。

たとえば「日本の国際化」というテーマがあれば、序論にはっきりと「日本の国際化のためには、英語の授業を増やすだけでは十分ではない」と書いてある場合もあれば、問題提起的に、「英語の授業を増やすだけで十分なのだろうか?」と問われている場合もあるでしょう。

どちらにしても、著者の主張が序論にあらわれていることをおさえておけば、その後の読解の大きな道しるべを得ることができるのです。

本論

②続いて本論です。

本論は、序論や結論に比べて重要度の低いパートです。なぜなら、本論は著者の主張の足場固めだからです。具体的には、本論で書かれていることは次の二つしかありません。〈著者の主張をより詳細に説明すること〉か、〈著者の主張と反対の意見を取り上げて反論すること〉です。

そのため、本論は著者の主張が端的に書かれている序論や結論よりも優先度が低いことをおさえた上で、著者の主張を細かく言い直している場合と、仮想敵に反論している場合と、この二つを読み分けることが大事になるのです。

結論

③最後に結論の読解ですが、これは序論と同じく重要であるものの、序論よりも難易度が低くなります。

というのも、結論を読むときにはもう序論と本論を通じてある程度テーマが見えていますし、基本的に結論は序論の繰り返しだからなのです。

論説文の著者は、「伝える内容」を持っていますから、これを明快に示すために、本文中でなんども繰り返します。それに注意してさえいれば、結論はこれまで論じられたことのまとめでしかないですから、内容的にはそれほど難しいことは書きようがないのです。

とはいえ、結論の難易度が低いからといって、重要度が低いわけでは決してありません。難しい論説文なら、本論の内容がよくわからないということもあります。序論で示された著者の主張が掴みきれないということもあります。

そういうときは、結論がこれまでの論述をまとめて、著者の主張を言い直す場であるということを思い出し、じっくり結論を読んでみるのが良いのです。簡単にいってしまえば、結論が読めるということは、論説文の全体が読めるということと同じことなのです。

論説読解のテクニック 〜見出しをつける〜

さて、このように論説文の論理構成をおさえることは重要なわけですが、これを理解しただけではまだまだ試験に挑むには実践的なテクニックがたりません。

そこで役立つテクニックが、「見出しをつける」ということなのです。この見出しづけによって、先ほどバラバラに分解した論理構成の要素が、再構築されることになります。

たとえば先ほど、「今読んでいるこの記事も一つの論説文である」と言いました。そこで、今回はこの記事の文章を例にとって、簡単に解説することにしましょう。

これまで読んできたパートを振り返って見てください。それぞれのパートで、見出しがつけられています。見出しがあると、そこで何が言われているのか、一目でわかります。その内容が仮に難しくとも、また時間がなくて読み切れていなくとも、見出しさえみれば少なくともテーマと主張は理解できます。

一例に、この記事の見出しをまとめてみましょう。

読解力は誰にでも身につく論説文と物語文 〜現代文が苦手なら、まず論説文をマスターすべし〜
論説読解のメソッド 〜論理構成を見やぶる〜
論説読解のテクニック 〜見出しをつける〜
論説文の読解力は、論理構成の分解と見出しによる再構築にあり

こうしてみれば、なぜいま、筆者が「見出しをつける」ことについて述べているか、カンタンに答えられるでしょう。

それは、論説文の論理構造を見やぶり→見出しをつけることで→読解力が身につく、という脈絡があるからです。ここで、あえて実際の試験に即した見出しを書き加えて見ましょう。

序論1:主張の提示
序論2:テーマの明確化
本論1:主張の根拠を説明する
本論2:主張の実践方法を説明する
結論:全体のまとめと主張の繰り返し

以上のように、文章内の各パートの役割がそれぞれの見出しに書き加えられると、論述の脈絡はいたって明快に見えるのです。こうした脈絡に注意すれば、誰でも現代文の問題をカンタンに解くことができるし、見出しはそういう役割を果たしてくれます。

ところで、見出しはどの程度つけるのか、というのも重要な問題です。

オススメするのは、段落の切れ目切れ目で、ページ上の余白に書き込むことです。見出しに番号(1、2、3…やa, b, c…)を振っていくことも、やぶさかではないでしょう。

そうして出来上がった見出しをもう一度頭から読み直せば、逐一文章を読み返さなくても、論述を頭で再構成できますから、問題を解く速度も上がり、また見直しをする際にも効率が上がるのです。

まとめ〜論説文の読解力は、論理構成の分解と見出しによる再構築にあり〜

論説文は、「伝える内容ありき」で書かれた文章ですから、これを読むために何より重要なことは、その「内容」をおさえることに他なりません。

次に大切なことは、内容に向かって論理がどのように構成されているかを見破り、文章を分解してみることです。この分解は、読解力が上がっていくにしたがって、どんどん細かいところまで分解できるようになるでしょう。

最後に大事なことは、分解したままで終わるのではなくて、それを再び構築すること、つまり、見出しをつけてまとめることです。
よく「読解力をつけるためには要約をせよ」と言われますが、実際、この要約が難しいのです。

ところが、見出しづけなら、そこに書かれていることをその都度書き出し、最後にそれをまとめて読み返すだけで良いのですから、簡単に要約が出来上がってしまうワケです。

このような方法は、自分に読解力がないと思い込んでいる人にもカンタンに実践できます。そして、読解力とはこの分解力と再構築力のことでしかないのですから、誰でも、一定の読解力を身につけることができるのです。ぜひこれを参考に、現代文論説文の読解に挑んでみてください。

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akanesuzuki

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