高校入試現代文の読解力 〜得意不得意を見えやすくするための勉強法〜

f8dd9492aacff82799cb26d279c803ae_s

高校受験では、大学受験と違って文理が分かれていない場合がほとんどですし、かつ早慶をはじめ私立では受験科目が英国数の3科目であることが多いですから、国語のような典型的な文系科目は、点数をとる上でのカギとなります。

本記事では、効率よく国語の読解力を上げ、底力を養うための勉強法を紹介します。

あらかじめ述べておくと、その方法というのは、読解を、「速読」・「精読」・「再構成」のみっつのステップに分割して行う、いうなれば「三段階読解法」なるメソッドです。

また、本記事のターゲットとしては、高校受験を控えた中学生をもちろん見据えていますが、中学生のお子さんを持つ親御さんにも是非お読み頂きたいと思います。

「自分の子に何をさせてあげればいいのか」「自分の子が何が得意で何が苦手なのか」ということを知りたい、という気持ちにお答えします。

1.高校入試国語の特色

具体的に勉強法を考える前に、高校入試の国語が何を目的としているかを知っておかなくてはなりません。

高校入試国語の意図のひとつは、受験生の知識と読解力(論理力)のバランスを見極めることにあります。

バランスが重視されるのは、ふたつの理由が考えられます。

ひとつには、まだ受験生が義務教育課程までしか終えていない一方で、高校側は大学入学時の総合的学力を考慮しなくてはならないため、能力が一点に偏重した学生を選びづらいということ。

もうひとつには、同様に、受験学生が中学生であり、文理の区別なく受験することから、個々の学生の「常識的な部分」つまり知識をある程度試しておかなくてはならないということです。

具体的には、知識と読解力とは、次のような問題形式でそれぞれ問われることになります。

① 知識:漢字・四字熟語・慣用句・ことわざ(読み取り、書き取り、語義選択など)、古文(重要表現の読み取り・選択問題など)

② 読解力:現代文(傍線部の内容一致選択問題・当該箇所を引用する問題など)

大学入試の場合、①の知識よりも②の読解力に重点が置かれる場合が多いですが、高校入試においては、両者をバランスよく鍛えていかねばなりませんので、国語においても英単語を覚えるような感覚で、知識を定着させる作業をこなしていかなくてはなりません。

その上で本記事では、② 読解の勉強法を中心に紹介していきます。

というのも、知識問題の対応が簡単かどうかは別として、少なくとも取り組み方はいたってシンプルで、ただ漢字や慣用句などを練習して覚えていくことで十分だからです。

これに対して、現代文読解問題は「とっつきにくい」とよく言われますので、こちらの側を優先して考えていかなくてはなりません。

ポイント

高校受験では、知識と読解力の双方が重要になる。

読解のほうがとっつきづらいが、メソッドがあれば能力はあがる!
 

2.三段階読解による勉強法のススメ

それでは、現代文が苦手な学生は、一体どのような方法で、学習を進めていけば良いのでしょうか。

筆者がオススメするのは、中学生の学力に見合った、「三段階読解法」というメソッドです。

三段階読解法は、① 速読→② 精読→③ 再構成という三段階を踏んで読み解くことで、読解力を向上させる勉強法です。

この方法は、現代文が得意なひとが無意識に行なっているステップを可視化したものですから、これをやってみることで、自分がどのレベルでつまずいているのか、明らかになります。

STEP 1:速読

初めの速読ステップは、言い換えるなら、文字面を追うことで、最低限の情報処理を行う能力を確認するステップです。

短い文章なら読めても、まとまりのある論述の展開がおさえられない、というお子さんは、まずこのステップでつまずいている可能性が大です。要するに、何をどうやって処理すれば一貫的な文章ができるのか、理解できていないのです。

このステップの確認方法は、きわめて短い時間で、テクストにざっと目を通し、その概略を説明できるかどうか、を試してみることです。一般的な大問1個分くらいのテクストでしたら、3〜5分くらいが目安になるかとおもいます。

あまりに流し読みしても何もわかりませんし、読みすぎると時間がかかります。反対に、一読して流れを追うことができれば、直観的理解が十分であるということです。

同時に重要なことは、いらない情報を捨てながら読むことです。これも苦手なお子さんが多いですが、具体例や、わかりきった理由説明などは、概略を追う上で必要ありません。こうしたものをいちいち情報として入力してしまうと、オーバーヒートして読めなくなってしまいます。

このステップの最後に、自分で読んだ文章の大まかな概要をまとめてみるのがいいでしょう。

「著者の主張は〈SはPである〉である。なぜなら、~からである。したがってこうした問題を回避するために、SがPであるべきなのである」

といった程度の、簡略なまとめで結構ですが、できるかぎりテクストの骨子をおさえることに注意しましょう。
以上をまとめると次のような感じです。

ポイント

  • 分量:一般的な大問一問分
  • 時間:3〜5分程度
  • 注意点1:一度読んだ文章を読み返さない
  • 注意点2:いらない情報(具体例や理由説明など)を切り捨てること
  • 方法:上のようにして読んだ上で、自分で概要を作る。

STEP 2精読する

次の精読ステップでは、さきほど作った概略を考え直すことからはじめます。

「著者の主張は〈SはPである〉である。/ なぜなら、~からである。/ したがってこうした問題を回避するために、SがPであるべきなのである」。

というまとめの各部について、「なぜそう言えるのか」、「具体的にはどうなのか」といった情報を、どんどん付加していきます。

このステップでは、時間をたっぷりかけるべきですし、生徒が芯で納得するまで、読み込むべきです。それぞれの文章のつながりが見えるようになった上で、情報を付加していくことは、どんな生徒にとってもパンクの原因にはなりません。

ですから、速読でつかんだ大体の方向性をもとに、情報を整理しつつ追加するのがこのステップです。そしてここでも、次のようなノートを作っていくことがよいでしょう。

→ 導入:昨今、〈SはPではない〉とか、〈SはQである〉といった主張が多くある。

→譲歩:たしかに、SをPでなくすと、様々なメリットがある。

→ 著者の主張:しかし、〈SはPである〉である。

→ なぜなら、SをPでないとすると、a, b, cといった問題が生じてしまうからである。

→具体的には、aは云々という問題、bは云々といった問題である…。

→a, b, c, それぞれ異なる問題だが、結局全部SがPではないことに起因している。

→ したがってこうした問題を回避するために、SがPであるべきなのである」

→SがPであることは、dやeのようなメリットをもたらすこともあるので、やはり望ましい。

こうして情報が整備され、その重要度が区別されつつ並べられるなら、混乱を招くこともありません。もし頭が追いつかなくなったら、インデントされている情報は一度カッコに入れて、主な流れをもう一度読み返して思い出せばいいからです。

ポイント

  • 精読ステップは、時間無制限、納得するまで。
  • 速読ステップで書いた概要に、情報を付け足していこう。
  • 情報の質ごとに、重要性をランク付けして処理しよう。

STEP 3再構成

最後に、自分が作ったまとめを頭の中で覚えて、結局テクストは何を論じていたのかを理解しましょう。

ここで大事なことは、本文の基本的なポイントや筆者の立場を、暗記してしまうことです。問題文を読みながら本文を読み返そうとすると混乱が生じやすいので、問題文を読むときには、本文を読み返さなくてもいいようにしておくのがねらいです。

発展として、できれば、筆者の論にしたがって、いろいろな具体例を考えてみることがいいでしょう。

たとえば、著者が主張は〈S(クジラ漁)はP(禁止すべき)である〉、だとするなら、Sをマグロ漁やカニ漁に置き換えてみるとどうなるのか、とか、そういうことです。

つまり、筆者の論を我が物にできてはじめて、その視点にたってさまざまな別のことを考えることができるようになるので、このように入れ替えて考えてみることは、端的に言って「頭をよくする」ために有益なのです。

ポイント

  • 最後に、著者の主張を自分の言葉で言い換えてみる
  • 著者の見地に立って議論ができるかどうかを確かめる
  • こうすることで、本文の基本的な立場を頭に入れてしまう

まとめ

以上が、読解力を上げる三つのステップです。

この勉強法で、お子さんが何をどこまで理解しているのか、あるいはどこでつまずいているのかを、具体的に把握できます。そして、その苦手な部分を繰り返し練習し、伸ばしてあげれば良いのです。

とはいえ、この勉強法は本文を読む力を養い、基本的な国語力をアップさせる方法なので、問題文の読み方や、正しい答えの選び方とはすこし方向のちがう勉強法です。つまり、これだけをやっても、満点を取れるようにはりません。別途、入試問題などでトレーニングしていく必要があります。

ともあれ、まずは三段式で読解力をあげ、それが一定レベルに達したら、答案の選び方、答え方など、より表層的なテクニックのトレーニングに入っていくことを推奨したいと思います。

著者情報

究進塾 編集局

究進塾 編集局
東京・池袋にある究進塾の編集局です。受験指導のプロが大学受験に役立つ情報をお届けしています。 大学受験対策コースはこちらからご覧いただけます。

お問い合わせ

さくさく勉強法へのご意見・ご感想などはこちらからお問い合わせください。

*の付いている項目は必須項目です。

お名前 (漢字)*

お名前(カナ)*

メールアドレス*

お問い合わせ内容*

さくさく勉強法をどこで知りましたか?

上の質問で「検索」と答えた方は、検索したキーワードをご記入ください。

【メッセージの確認】

お問い合わせの内容はこちらでよろしいですか?
よろしければチェックいただき送信ボタンをクリックしてください。