中高生が辞書を使うべき5つの理由〜単語帳との使い分けとは?〜

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最近、学校や塾で、辞書を使用しないことが増えてきているように感じます。

しかし、英語や国語の基礎的な知識と能力をつけるためには、辞書を引くのが手頃な手段であることは間違いありません。

本記事では、中高生の学校補習や塾での勉強に向けて、辞書を活用するべき理由と、その際のポイントを解説します。

理由1.単語の核心を捉えることができる

英語でも日本語でも、単語を調べる際によく用いられるのは、単語帳的なテキストでしょう。(英単語『ターゲット』シリーズや、『入試漢字1800+』など。)

多くの場合、単語帳的なテキストは、受験に最適だと言えます。

受験勉強は時間との闘いですから、いちいち辞書を引かずとも、早く、効率よく学べることが大事だからです。
しかし反対に、学校や塾での通常の、基礎的な学習であれば、単語帳のデメリットが発生してしまう場合もあります。なぜなら、ほとんどの単語帳には意味が2, 3個しか書いていないからです。

一般的な単語帳では、頻出の語彙について、頻出の意味が与えられています。
しかし、頻出の意味は、その単語の基幹的な意味とは限りません。一言でいえば、芯を捉えられないことがありうる、ということです。

たとえば、某英単語帳(センターレベル)で ‘subject’ という単語を引くと、「科目;主題」とありますが、これでは、「科目」と「主題」の間に、一体どんな繋がりがあるのか、明らかではありません。
対して『ウィズダム英和辞典』では、「話題;議題;問題;主題;テーマ;対象;題材」など多数の意味があります。これをみれば、読み手はそれら多義の共通点を探し(この場合では「それについて議論されているもの」とか)、単語の芯を捉えることが容易でしょう。

単語の核心を捉えることは、暗記を容易にするほか、総合的な英語感覚を身に着けるにも一役買います。
そのため、時間が許す状況でさえあれば、単語帳よりも辞書の方が有益なのです。

理由2.異義を知ることができる

単語の意味は1つ以上ある、というのはすでに述べたとおりですが、複数の意味を知ることができる、というのも、辞書のメリットです。

もちろん、単語帳などのテキストは最優先で覚えるべき語義を載せており、その意味では有益です。
実際、初めて知る単語について、いきなり5つも6つも意味を覚えるというのは、あまり現実的ではないからです。

ふたたび ‘subject‘ を例にとるなら、「主体」や「臣下」といった派生的な意味は、「科目」や「主題」の後に覚えるべきであるのは間違いないでしょう。

しかし、重要なのは、「覚えなくても良い」ことと、「知らなくても良い」ことは全く別だということです。

実際に「主体」や「臣下」という意味を覚えなくても、「‘subject’には「主体」「臣下」の意味があるのか」と知っておくことは有意義です。
もし「主体」「臣下」の語義が示されてさえいない単語帳でのみ学習した場合、 ‘subject’ には「科目・主題」などの意味しかない、と誤解することになり、こうして、実際の受験問題で「臣下」の意味で使われた場合などに対応できなくなってしまうでしょう。

このとき、「‘subject’ には「科目」以外の語義がある」ことを知ってさえいれば、文脈次第で柔軟に発想して、意味の通る読み方を採用できるというわけです。

要するに、単語に応じて、複数の語義があるのかないのかを最低限認識しておくことは、文脈に応じた柔軟な読解能力の支えになるということです。

理由3.例文の豊富さ


例文の量
も、単語帳と辞書とでは大きく違います。

単語帳には例文がついているものもありますが、紙幅の都合上、例文の数はそれほど多くありません。

しかし実は、例文の数は、単語の理解に大きく影響するものです。というのも、例文が与える文脈などの情報が、単語の実際の使い方をイメージさせるからです。

たとえば、 ‘seize’ は「掴みとる」という意味ですが、一口に掴みとると言っても、「成功を掴みとる」のと「ムルソーが拳銃を掴み取る」のとでは全く印象が違います。実際、 ‘seize’ には「奪いとる」という意味があり、例文をみると、「拳銃を奪いとる」「権力を奪いとる」といった、強引な印象の文ばかり出てきます。

このように、例文を見ることで、単語の持つニュアンスを正確に把握できます。( ‘seize’ はニュートラルな意味での「掴みとる」ではなくて、強引で、粗っぽいニュアンス。)

また、似ている単語との区別(’grasp’ や ‘clutch’)もつけやすくなるでしょう。

理由4.携行性が上がっている

さて、ここまで辞書の魅力を伝えてきましたが、ひと昔前であれば、このように勧めることは難しかったでしょう。
というのも、辞書が重く、分厚く、とても持ち運べなかったからです。そのような時代であれば、手軽に最低限の情報を持ち運べる単語帳が勧められて当然でしょう。

しかし昨今、スマホやタブレットの普及によって、辞書アプリが充実しています。いまや、名だたる辞書はほとんどがアプリ版を刊行していますし、オンラインでアクセスできるものもあります。
こうなると、もはや辞書の方が単語帳よりも携行性に優れているというべき状況。そのメリットを合わせれば、辞書を使わない理由がありません。

ちなみにここでは、紙の辞書とデータ上の辞書を区別していません。とりあえず、同じようなメリットを享受できると思います。

理由5.大学での学びに単語帳はない

最後に、より将来を見据えたメリットを紹介します。

これはわかりやすいと思いますが、あまり単語帳に依存しすぎた学習スタイルを身につけてしまうと、大学進学以後の苦労が増すかもしれません。

というのも、大学進学以後、業務研究で英語を使う場合には、単語帳が頼りにならず、辞書をたのまざるをえない状況が必ずあるからです。

メールをさばくだけでも、相手のメッセージを読解するのに、単語帳を引くのは効率的でないうえに、当該の用例が載っているかはわかりません。その時には、辞書を引き、該当する用例を探し、解読するというプロセスを回避できないわけです。

このような先を見据えるならば、受験で忙しくなる前に、あらかじめ辞書を使いこなす練習をしておくのは、きわめて重要なことだと考えられるでしょう。

まとめ

本記事では、単語帳などの暗記ツールと比べた時に、辞書を引く重要性はどこにあるのかを解説しました。

まとめると、最も大きな違いは、辞書には膨大な語義と用例が載っているということです。

これにより、すべてを覚えることはしないまでも、単語のニュアンス核心を捉えることが可能になりますし、柔軟な思考力発想力が身に付くでしょう。
また、携行性実社会での使用という点を鑑みても、やはり辞書に軍配が上がる状況です。

もちろん、一刻を争う受験勉強のシチュエーションでは、やはり単語帳は重要なツールですし、辞書にできない多くのことが単語帳では可能です。

ですから、受験勉強用の単語帳と、基礎学習用の辞書は別のツールとして認識し、それぞれを最適な形で運用することが大事になってくるのです。

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究進塾 編集局

究進塾 編集局
東京・池袋にある究進塾の編集局です。受験指導のプロが大学受験に役立つ情報をお届けしています。 大学受験対策コースはこちらからご覧いただけます。

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