来年でセンター試験が廃止!?大学入学共通テストとは何か詳しく解説

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近年より、センター試験廃止の話が受験界で話題となっております。

数年前までは、「普段の学校の成績や定期試験も考慮」「一発勝負の危険性の排除」「アクティブラーニング評定」など、様々な話やうわさが立っていましたが、「大学入学共通テスト」という名称で、その形が明らかになりました。

この記事では、再来年に施行される新タイプの入学試験についてのお話をします。

1.大学入試制度が変更されるのは珍しい話ではない

大学入試のシステムが変わるのは今回が初めてではありません。日本の大学入試の歴史をたどると、このような改革は特に珍しい話ではなく、現在に至るまで何度も行われています。

国立大学受験生に共通の一次試験を課すようになったのは1979年であり、70年代の受験生の間でも、大学入試システムが変わるということが話題となっておりました。
特に1978年度の受験生の間では、「なんとしても現役で合格する」というのが受験生の共通認識でした。来年になると共通一次試験の対策までしなければならなくなるからです。

そして、この「共通一次(大学共通第一次入学試験)」が「センター試験(大学入試センター試験)」の前身であり、私たちが知るセンター試験は1989年に大学入試共通第一次試験が、改善・改称されたものなのです。

そして今回もセンター試験が改善・改称され、「大学入学共通テスト」となるのです。大学入試はこのように、何度も改善が行われており、今後もこのように名称や出題形式の変更が繰り返されることでしょう。

また、これまでのセンター試験でも、出題傾向などに目を向けると、かなり問題形式に変化があるのが分かると思います。特に近年顕著なのがセンター英語の分量です。
2000年前後の頃までは、英文の分量は比較的少なく、やや難解な文をどれだけ正確に読めるのかを見られていました。

しかし、近年では平易な膨大な文をいかに素早く読み、情報を処理できるかが試されています。

同じ「センター試験 外国語(英語)」でも、この傾向の変化により、2000年初期の過去問と近年の過去問がまるで別の試験に感じた受験生も少なくありません。

よく考えてみると、それは当然のことであり、マラソンの選手に短距離走を走らせても結果が残せないのと同じです。そもそも「競う分野自体」が変わっているのです。

したがって、試験の傾向・形式の変更というものは、時代のニーズに合わせて毎年のように行われていますので、今回の変更に限って何か特別なことをしなくてはならないというわけではありません。

逆に、今の時期は「センター試験に特化した対策」という類のものを考えている方が危険とも言えます。

「より公平かつ客観的で、教科書をしっかりと学んでいれば確実に解ける問題」という、共通一次試験の根幹部分だけは変化をすることはありません。むしろ、「形式が変わることがあらかじめ明らかになったこと」「より客観的かつ公平な評価基準に改良されたこと」という点でプラスに捉えた方が良いでしょう。

2.どのように変更される?

上の項で大学入試は常に変化していくことを述べましたので、この項では具体的にどのような変更がなされるかについてお話をしていきます。

2-1.国語・数学に記述形式の問題を導入

大学入学共通テストで最も変化が大きい科目は、主要三科目である国語、数学、外国語です。そのうち、国語と数学は従来のマーク式に加え、数問の記述式の問題が出題されます。

試験時間は従来より10分程度伸ばされる予定ですので、記述式が導入されたからといって「時間が足りない」という心配はないでしょう。

センター国語に関しては、従来その出題形式に否定的な見解がありました。

客観性を持たせるため、誰がどう見ても正解の選択肢と誰がどう見ても間違いの選択肢を作るしかなく、本来ならば最も論理的思考力が試される国語の試験が機械的な回答を求めていたからです。

「極論は×」「書いていないから×」など、テクニック的に間違いの選択肢をつぶしていく方が確実に正解にたどり着くことができ、自力で答えを出そうとすると、変に行間を読んでしまい、「書いていないから×」の選択肢を選んでしまうのです。

また、それを逆手取って、「そう読み取れなくもないが、書いていないから×」という選択肢を作る模試も多く出てきており、「行間を読むことはタブー」という風潮さえ出てきています。もはやそれは本来の読解とは程遠いものになっていたのです。

また、数学でも似たような批判がありました。今のセンター試験では、問題が誘導式になっているので、自力で回答をする力を見ることができないのです。

「いかに教科書の模範解答を覚えたか」に焦点が当てられているので、数学のセンスは関係ありません。これは、「勉強を頑張った人なら誰でも解ける最も客観的な出題方法」とも言えますが、これで本当に数学のセンスがある人が足元をすくわれる例もあります。

独自の回答方法が教科書の回答方法とは合わず、「何を聞こうとしているのか」、その誘導の「意図」を理解できずに、全く回答ができない例です。数学のセンスがあるが故に教科書通りの回答をしてこなかった人からすると、センター数学はかなりの難問になってしまいます。

以上のような理由から、本当に思考力のある人がその分だけ点をとれるようにする目的から、国語と数学は記述式の導入に至りました。この件に関しては従来長く言われてきたことでしたので、当然の流れとも言えます。

また、地歴・公民・理科の記述式に関しても現在検討されており、今後も一次試験の内容はどんどんと変わっていくことでしょう。

2-2.英語は民間企業の試験を活用、さらに一発勝負の廃止

英語の問題の作成は、国が認定した民間企業が請け負うようになりました。そして、センター試験だけの一発勝負ではなく、3年生の4月から12月の2度までの試験結果を各大学に提供するという形になります。(23年度までは共通試験と併用)

つまり、TOEICなどの資格試験を大学入試にも活用できるということです。

これは、既に多くの大学が外部民間企業の英語資格試験を選考に活用しているという背景もあってのことでしょう。必然的に英語の有資格者が増える結果にもなりますし、「大学入試センター」の負担削減や、より専門性の高い試験で四技能(読む・書く・聞く・話す)が評価できる点で、受験生・出題者双方のメリットになります。

そして、英語の変更点における最大の特徴は「一発勝負の廃止」です。これは筆者の持論ですが、英語ほど本番で事故が起きやすい試験はありません。

なぜなら、母国語ではない分、脳のメモリを英語の読解にとられ、思考力が他の試験よりも下がってしまうからです。

パソコンでイメージすると分かりやすいと思いますが、ゲームをしながら動画を見るなどをすると、パソコンのパフォーマンスが著しく低下するのと同じです。

さらに、英語の問題は制限時間に対して回答時間が少ないので、一度事故が起きるとそこからのリカバリーが効きません。

また、一発勝負という緊張から本来の力が出せなくなるのも、英語においては最も顕著になります。

そのため、一発勝負の廃止というのは、生徒の立場からもメリットが非常に高いです。

英語力は一朝一夕でつくものではないので、いずれにせよ普段の学習の積み重ねが重要となります。

そのため、生徒に普段から英語を学習させる習慣を付けさせるうえでもかなり合理的ですし、元から英語が得意な人にも不都合はありません。今回の英語の変更点は受験生にとって非常に有利に働くことでしょう。

3.変更の狙い

記述式も導入された経緯につきましては、「問題解決能力」を見るという狙いがあるそうです。

マーク式の共通一次試験が導入されたのは、「より客観的かつ公正に評価をする」という狙いが強かったのですが、マーク式という問題の性質上、「回答テクニック」「知識の機械的な活用」「暗記重視」の色合いが強く、現実にいわゆる「試験のための勉強」を積んできた生徒の方が、効率良くセンター試験対策ができていました。

マーク式ではそのような試験になるという懸念は導入当初から存在していました。そのため、試験を作成する「大学入試センター」は、マーク式でありながら、知識を機械的ではなく、その本質を理解し、論理的に活用しないと解けない問題を出題することに力を注いでいました。

そして、センター試験導入当初は「マーク式でありながら思考力も見られる試験」として、日本が世界に誇れる有数の良問と評する人も少なくありませんでした。

しかし、やはりマーク式だと、やはり「知識偏重型」の学習の方が効率良く対策ができ、マークだけで「課題解決能力」を見るのには限界があり、今回の変更に至ったのです。何よりも「自分の言葉で自分の回答を表現する」という点は、どのようにしてもマーク式では見ることができない能力でした。

生徒は選択肢を見て、間違いを探し、消去法で答えを導くことができるのです。

実際にゼロの状態から自分でセンター国語の回答を完全に導き出せる人はそういないでしょう。

頭では分かっていても、それを「回答」としてきれいな日本語にまとめ、他の人に伝わるように表現するためには、さらにもう一段階深い理解が必要となります。しかし、それができる人とできない人が同じ点数になってしまうことが問題だったのです。

選択式では、必要最低限の知識を身に付けた人と、説明ができるまで知識を自分のものにした人との間で差がそれほどつきません。

センター試験出題者は、できるだけそうならないような問題を作ってはいますが、「自分の言葉で自分なりの回答をしなくて良い」というマーク式の欠点はどうやっても克服することができず、知識を広く浅く身に付けた人の方が得をするという事態になっているのが現状だったのです。

巷でよく言われている「テストで良い点数は取れても頭が悪い人」ということに関しては、筆者は是認しかねる立場にありますが(少なくとも学校の勉強を真面目にやっていた分、やってこなかった人より思考力はついているはずですので)、より深く勉強を行ってきた人と表面的な「テストのための勉強」をしてきた人で差がつかないというのは、「課題解決能力を見る試験」として改善すべきところでした。

しかし、マーク式は客観的であるという点では非常に優れており、逆に記述式では評価に客観性を持たせるには限界があります。

そのこともあり、再来年に実施される大学入学共通テストは、マーク式と記述式のハイブリッド型へとなったのでしょう。

4.合格を狙うのであれば今年度?

ここまで、再来年行われる共通一次試験の変更点とその狙いについてまとめてきましたが、おそらくあなたたちが受ける試験は、変更前の「センター試験」です。

今の時期から再来年のことに関して考えるべきではないですが、「今回で合格しないと厳しいの?」と不安になっている人も多いと思います。

また、浪人を見据えて志望大学を考えている人もこの問題は重要になるでしょう。それでは、これから受験学年になっていく生徒が持つべき心構えについてお話をしていこうと思います。

4-1.今年がダメでも大丈夫

あくまでも現役合格が最優先であることは間違いありません。なんとしても一発で志望大学に合格しましょう。

しかし、誤解を恐れずあえて言うのであれば、今年万一失敗してしまっても、来年厳しくなるということはありません。
なぜなら、形式が変わったとしても、普段の受験勉強はほとんど変わらないからです。

いわゆる「点を取るためのテクニック」に頼れなくなるという点で、厳しくなると考える人もいると思いますが、そもそもセンター試験が「知識量」ではなく「思考力」を聞いてくるという点では従来から変わっておりません。

そのため、普段の学習はいずれにせよ「テクニックに頼らない本物の学力」を上げなければなりません。

また、テクニックもそれなりの学力があってこそのものですので、普段からそれに頼った学習では本番でそのテクニックさえも使うことができないでしょう。

4-2.過去問が役に立たなくなる?

出題形式が変わる分、時間を測って模擬試験を独自に行うことはできなくなりますが、出題範囲や傾向、難易度などは特に変わらないと考えられます。

むしろ、ゆとり世代前後の試験の方が同じセンター試験でも出題範囲が大幅に変わったと言ってもよいでしょう。
今回の変更は「評価方法の改善」が目的ですので、センター試験の過去問演習も充分な対策となるでしょう。

5.まとめ

冒頭でも話しましたが、大学入試は時代のニーズに合わせて年々絶えず変化をしています。そのため、受験で勝つための王道は、やはり「本物の学力」を身に付けることになります。

どのような問題が出ても対応できるように、普段から本当の意味での「試験のための勉強」を心がけましょう。

そうすれば傾向が変わるごとに右往左往する受験生と大幅に差をつけることができ、傾向や形式の変化をむしろ「チャンス」として見ることができます。

著者情報

究進塾 編集局

究進塾 編集局
東京・池袋にある究進塾の編集局です。受験指導のプロが大学受験に役立つ情報をお届けしています。 大学受験対策コースはこちらからご覧いただけます。

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