センター数学で得点するには「出る問題」を必ず抑えること

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センター数学を初見で解いた場合、たとえ数学が得意科目だったとしても、点数が50点以下の人も多くいます。

しかし、それは決してあなたの「勉強不足」のせいではありません。それは問題の出題形式に慣れていないだけです。

この記事ではセンター数学を1か月で7割取れる勉強法についてのお話をします。時間的に余裕がある今でこそ、センター数学である程度点が取れるようになっておきましょう。

センター数学の範囲は高1~高2の定期試験レベル

センター試験のレベルは標準レベルよりもさらに簡単な「基礎レベル」です。今までの学校の定期試験や実力試験などで6割以上と、それなりに取って来た人でしたらそれだけで7割以上取れるポテンシャルを持っています。

そして、センター数学では数ⅢCの内容を問われることはありません。

あなたが来年受けるセンター数学は、すべて高校1年と2年の範囲からなのです。理系の大学を受ける人は、高校1年と2年の基礎レベルの問題で躓いていては話になりませんね。センター数学とは、そのくらいの超基礎レベルです。

つまり、本来ならば、センター数学では現時点でも満点が取れてもおかしくない難易度なのです。

しかし、現時点でセンター数学を解いてみても満点を取ることはできません。それは一体なぜなのでしょうか?

センター試験で点数が取れない理由

現時点でセンター数学が得点できない理由は空欄が何を訊いているか分からないからです。

数学が本来得意科目である人で、センター数学で点数が低い人は、まずこれが理由と言って間違いないでしょう。数学が得意科目の人は、却って空欄の誘導が無いほうが簡単に問題を解くことができるでしょう。

例えば、二次関数の問題では、当然のようにいきなり平方完成を訊いてきます。

数Ⅰの内容がしっかりと頭に入っている人は、変な誘導がなければ普通に平方完成をさせて、グラフを書いてスラスラと回答することができるでしょう。

しかし、センター数学を初めて見たとき、空欄が何を訊いているのかが分からず、混乱してしまうのです。誘導の一番初めが分からないとなると、当然ですが、その後の問題も芋づる式で全て分からなくなってしまうのです。

例えば、以下の問題を見てください。

Y=2X+4X+1を平方完成させなさいy=2(x+2x)+1y=2{(x+1)-1}+1
y=2(x+1)2 -1

このように聞かれると、数学Ⅰの基礎がしっかりと身についている人は以上のようにすぐに解くことができるでしょう。

しかし、センター試験は次のように訊いてくるのです。

Y=2X+4X+1はY=あ(い+う)2-え
なので・・・・

問題形式が分かれば、この問題は見た瞬間平方完成について訊いているというのが分かるので、条件反射的に即答できます。しかし、センター数学を初見で解いたときは、これができません。

設問が親切ですと、

Y=2X+4X+1を平方完成させるとY=あ(い+う)2-え
なので・・・・

上のように書いてくれるのですが、これでも「平方完成」という言葉を忘れてしまっている人は混乱してしまうでしょう。
そして、センター数学では、「とりあえず最初は平方完成」といった感じに、当然のように容赦なく空欄の誘導を付けてくるので、丁寧な問題の説明を期待しない方が良いでしょう。

つまり、センター数学を解く際にポイントになるのは、「センター数学が望んでいる解法」をしっかり覚えることです。この「センター数学が望んでいる解法」がしっかり頭に入っていると、センター試験が一方的に出題してきた空欄の値をしっかり求めることができるのです。

それでは、「センター数学が望んでいる解法」とはどういうものなのでしょうか。

それは教科書の例題に載っている解法です。

センター数学で躓いた人は、赤本ではなく、まず教科書を見てみましょう。
そして、教科書に載っている解法の手順をしっかりと覚えましょう。それがセンター数学高得点の第一歩です。

センター数学は暗記科目

センター数学の誘導は教科書に基づいています。一度センター数学の解答解説と、教科書の例題を見比べてみましょう。きれいに一致していることに気付くでしょう。

数学が得意で、今まで我流でも問題が解けていた人は、まずここで躓きます。
センター数学は「基礎中の基礎」を訊いてきますので、逆に今までの勉強で教科書の解法を軽視してきた人は、足元をすくわれるのです。

もちろん、「より良い解法を」という姿勢は、数学の「勉強」においては、重要です。

しかし、センター数学は、極論をいえば「暗記科目」です。「どれほど数学のセンスがあるのか」を問うのではなく、「どれほど教科書に載っている解法を再現できるか」が重要になります。数学好きの人には、面白くない話かもしれませんが、センター数学は、「暗記科目センター数学」として勉強しなければならないのです。

ここで、「本当に教科書の例題の解法を丸暗記するだけでいいの?」と思う方も多いでしょう。その答えは「大丈夫」であり、また、「不十分」でもあります。

センター数学は基礎中の基礎を訊いているとはいえ、設問の最後はすこしひねった問題を出してきます。理系の大学受験者で、センター数学で「満点」を目指しているのであれば、最後の応用問題は、避けて通れない道です。

しかし、逆に言うと、それ以外の問題は教科書の解法を丸暗記するだけで8~9割以上は取ることができます。数学が苦手な人や、文系の大学を受ける人は8割でも充分すぎる点数です。

つまり、センター数学は、数学が得意な人も苦手な人も、しっかり教科書の解法を覚えていれば、皆平等にスタートラインは8割からなのです。数学のセンスが問われるのはそこからになります。

「数学のセンスがないから」と悲観的になる必要はありません。センター数学は「暗記科目」です。センスを磨くために闇雲に赤本や青本などを解くのではなく、日本史や公民と同じように数学の教科書を「暗記」しましょう。

センター数学の暗記法

さて、センター数学を「暗記する」方法ですが、これは、かなり労力を要します。
教科書で説明されている解法を読みながら、導き出された数式の意図を1つひとつ理解しなければならないからです。

ここばかりは、独学でできるものではないので、数式の意図が理解できない場合は、先生や友人などに訊いて、確実に1つひとつ自分の頭に落とし込んでいきましょう。

解法例を一通り読み上げるのは、相当な労力を要しますが、読み上げてしまったら、暗記は案外簡単にできます。日本史や公民と違って「読み流してしまう」ということがないからです。

教科書の解法を丸暗記したら、数字を変えてもできるように、教科書の練習問題を繰り返し解いていきましょう。おそらく、この時点であなたのセンター数学の点数は確実に上がっていることでしょう。

一見かなり遠回りのようですが、これが一番確実で、早くセンター数学を完成させる方法です。数学の教科書を見ると分かると思いますが、かなり薄いです。さらに、練習問題や図形、章末問題、練習問題の答えなどでページ数を取られていますので、覚えるべき文面はかなり絞られます。

数学だけを集中的に行うならば、数Ⅰ数A、数Ⅱ数Bを各一週間ずつで終わらせることができるでしょう。数学ⅡBが不要な人は、さらにこの半分です。数学が苦手な方は、この数倍時間がかかると思いますが、それでも少なくとも2か月以内には終わらせるようにしましょう。一通り教科書が終わると、その頃には、次の模試では7割以上をきっと取ることができるでしょう。

教科書の解法を一通り覚えたら、今度はひたすら練習問題にとりかかりましょう。夏休みまでの目安として、「またこの問題か。もう飽きてしまった」と思えるくらいまで問題集を繰り返しましょう。

「同じ問題ばかりでいいの?」と思う人もいるかもしれませんが、そもそもセンター数学は、数字が変わっただけで同じ問題しか出ません。教科書の解法をしっかりと「暗記」していれば、そのまま解ける問題ばかりです。

むしろ、様々な形式の問題を解く方が、型にはまった解法が定着せず、本番でつまらないミスをしてしまいます。

特に、センター数学はケアレスミスが他の科目よりもシビアです。たった一つのミスで最初の問題を落とすと、大問1つ丸ごと落とす結果になってしまいます。大問1つ丸ごと落とすと、それだけで最高点が75点~80点になり、これが本番だと、文系志望の生徒よりも低い点数になってしまいます。

問題演習におすすめの問題集

「教科書の解法を暗記して、ひたすら同じ問題を解き直す」という勉強法を前項で紹介しましたが、なんとなく、教科書で勉強することにモチベーションを感じない人もいるでしょう。ここでおすすめの参考書を紹介します。

教科書通りの解法、充実した問題数、薄さ、難易度などが、センター数学対策に適しています。
筆者はこの駿台文庫が出版する短期攻略シリーズで数学の点数を1か月で30点台から80点代にしました。夏休み以降は、もともと数学が得意ということもあり、安定して満点をとれるようになりました。本番でも満点でした。

受験数学の参考書は書店や通販で無数に販売されていますが、センター数学で筆者が一押しするのは駿台文庫の短期攻略シリーズです。内容がオーソドックスで、とても使いやすいです。1か月で完成は誇張表現でも、キャッチフレーズでもありません。本当にセンター数学は1か月で完成できるくらい簡単な科目なのです。

逆におすすめしない参考書は「裏ワザ」「時間短縮の技法」を謳った参考書です。
繰り返しますが、センター数学は、「教科書の例題に載っている解法をいかに暗記しているか」を問う試験です。一部の問題にしか使えないような解法などを色々試して、解法が固まらないのが1番危険です。本番で必ずミスをします。

しかし、一つ注意すべき点があります。
予備校が出す参考書は近年の出題傾向を研究しながら、抜粋的に項目を選んでいます。

たとえば、筆者が受験生のころは、数Ⅰで実数の問題がほとんど出ることがなく、筆者自身も対策をあまりしていませんでした。そして、実数の問題が出た時の模試の点数は悪かったです。日本史や世界史のように、頻出項目でない問題が1問2問出たところで、(どうしても満点にこだわるなら別ですが)そこまで痛くはありません。ほかの選択肢からの消去法で充分対応できます。

しかし、数学に限っては、頻出項目でない単元が20点以上丸々出されることもありますし、消去法も効きません。まだ時間がありますので、できれば教科書を使って、センター数学に出る可能性がある問題は、その解法をすべて暗記しましょう。

まとめ

最後にもう一度だけ言います。センター数学は「暗記科目」です。
センスによる点数の違いは8割以上からやっと出てきます。解き方を覚えれば良いだけですので、数学が苦手な人でも、努力次第でかならず8割以上取れるようにできています。

センスを磨くのではなく、とにかく解法を「暗記」しましょう。まず、とりあえずこの1か月で数学の教科書を今一度読み返してみてはどうでしょうか。

著者情報

究進塾 編集局

究進塾 編集局
東京・池袋にある究進塾の編集局です。受験指導のプロが大学受験に役立つ情報をお届けしています。 大学受験対策コースはこちらからご覧いただけます。
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