数学が嫌いな文系の人がやるべきことを紹介します

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国語や英語や歴史が得意な文系の学生で、数学が苦手な人は多くいます。
どうすれば数学嫌いを克服できるのでしょうか?という相談を受けることもしばしばです。

ここでは、中学生〜高校1, 2年生の文系が数学嫌いになってしまう原因と、その対策を三つにまとめます。

文系はなぜ数学が苦手なのか?

一概には言えませんが、文系が得意な生徒には数学が苦手な人が多いです。
それはなぜなのでしょうか。

筆者が講師をするなかで見てきた学生たちに共通するのは、数学の「ルール」がわかっていない、ということです。

数学のルールというのは、現実の世界から一歩離れて極端に抽象化され理想化された世界に入っていく、という前提です。数学の世界に入門する、ということですね。
数学の世界は、いくつかの公理と必然的な推論規則だけでなりたった、理念的な世界です。
だからそこでは、現実世界の常識やそこで培った経験則が通用しません

実は英語や国語は、才能のある子なら、ある程度までは「なんとなく」で解けてしまいます。

それは観察眼や推測能力、行間を読む力、感情を推し量る気配りなど、現実世界で培うことのできる諸能力が、そのまま文系科目でも活用できるからだと思われます。

でも数学はそうではない。数学には数学世界のルールがあるので、現実の世界を一度捨て去ることが大事なのです。

そのことがわかっていないと、どうしても文系の「のり(=乗り/法)」で解けない、という事態に直面してしまいます。

では、どうやって数学の世界に入門して、数学のルールを身につけることができるでしょうか?その原因から考えていきましょう。

ケース① 数字慣れしていない

小学校以来数学に躓き続けるひとつのケースは、そもそも「数字慣れ」していない、というものです。

たとえば私たちは普段日本語を話していますが、必ずしも一言一句考えながら喋っているわけではありません。
むしろ、言葉と言葉の関係を知っているから、自然とつながりの良い言葉が口をついて出る、という場合の方が多いでしょう。

これと同じで、数字にもつながりがあります。
九九の計算には反射的に対応できる人が多いと思います。それは、九九を何度も唱え、眺めることで、それぞれの数と数の関係について暗黙の知識が蓄積されているからです。

こうした「数字慣れ」は、計算の早さ、精確さに直結します。
高校入試くらいまでは、計算問題が一定の得点源になりますし、文章題での計算能力も重要です。
そこで、数字に強い子、計算に自信をもっている子と、そうでない子の間にはかなり大きな差が開いてしまうのです。

対策:とにかく計算慣れ!

いきなり身も蓋もないような話ですが、まずはとにかく数をこなすことです。
まずは中学の問題集を頼りに、手当たり次第に計算問題を解いてみるのがオススメです。

これは何を目指しているのかというと、数と数の関係についての体感的な知識をもつことです。

毎日、自分のペースでいいので、計算問題を解き続けましょう。
やっているうちに、暗算ができるようになったり、計算の正確性が向上したりと、確実に結果が出てくるでしょう。

ケース ② 逆算して考えることができない

数学が苦手な人のなかには、幾何学つまり図形の単元が苦手な人も多いです。
図形の単元では、「この角度を求めなさい」とか、「この部分の面積を求めなさい」といった問題がよく出ますが、特に中学〜高校初歩の数学では、補助線が重要になります。

正しいところに補助線が引けなくては、問題が解けない。
でも、補助線をどこに引いたらいいかわからない…。

こんな悩みを持っているひとも少なくないでしょう。

実は、図形が得意な子とそうでない子の最大の違いは、答えに向かっていく「逆算」の癖がついているかどうか、にあります。
たしかに、手当たり次第に補助線を引きまくっていても、正しい線に辿り着けるとはかぎりませんよね。

でも、求めるべき面積や角度に向かって、「これを求めるためには何が必要なのか」を考えれば、自ずと答えに近づくことができます。
「Aを求めるためには、BもしくはCがわかれば良い」「でも、与えらえた条件からしてBはわかりそうにない」「じゃあCを考えると…」
といったふうに、どんどん逆算を進めていくと、いつの間にか条件と答えを結ぶ糸が見えてくるでしょう。

対策:解説も逆から読んでみよう!

逆算の思考法を身につけるには、問題を解いて、答え合わせをしていてもあまり効果がありません。
当然ですが、解説は「逆から」ではなくて「条件の方から」進みます。
これをただ読んでいても、「どうやってその補助線を見つけたらいいんだ!」と悲鳴をあげてしまいます。

そのため、解説を読むときも、「この解説者はどうやってこの解法に行き着いたのか」を考えなくてはなりません。
解説も「逆から」読むのです。

こうした思考法は、図形や幾何学に限らず、文章題全般にも役立ちます。
とにかく数学においては、目的地を先に理解して、その最短ルートを読み解く習慣が大事になるということです。

ケース ③ 「当たり前」だと思い込んでいる

特に高校の数Aと言われる範囲では、「集合」や「論理」が鍵になります。中学数学でも、確率の問題をはじめ、これに類するパターンの出題が少なからずあります。

文系の人がこうした「論理」の問題を苦手としているとき、数学において問題になる細かい論理的ステップを、「自明だと思い込んでいる」場合が少なくありません。
これは証明問題などでも同様です。

日常的な世界においては、「直観」がかなり大きな役割を占めます。

たとえば、「あの男は雨の日は仕事を休む」と言われ、「今日はあの男は休みだった」と言われれば、直観的には「今日は雨だったのか」と思う人も多いはずです。

日常的な会話の文脈なら、わざわざ「雨の日は休む」と言うくらいですから、今日雨だったのでなければ発話の意味がわかりませんよね。

しかし、数学の世界にはこの「直観」はあまり歓迎されません。

なぜなら先程の例の場合でも、その男が雨以外の理由で今日仕事を休む、という可能性も考慮されるからです。
そのため、「今日は雨だったのか」という判断には反例があるので、「偽」となってしまいます。

むしろそこでは、「直観」よりも「形式」が重要です。
つまり数学では、ふつう「ありえない」と思うことでも、形式的にありうる限りはそれを考慮に入れる、ということです。

文系の才能に恵まれたひとには、この「直観」の能力が優れていることも多いため、そもそも「数学は形式的思考でできている」ということに気づかない場合もあるのです。

対策:あらゆる可能性を考えてみる

たとえば、「4は偶数であるか、または、3より大きい」という命題の真偽を問われたとします。
4は偶数だし、3より大きいのだから、直観的に「真」だと言いたくなってしまいます。

でもよく考えてみると、「または」という条件は「一方が成り立つとき、他方は成り立たない」ということを意味します。

そのため、この命題は偽であり、正しくは「4は偶数であり、かつ、3より大きい」です。
(この違いは、日常的にはあまり気にならないですが、数学的には大きな違いです。)

このようにしてみると、「よく考えてみる」というのが、平凡ながら最初の一歩ということがわかります。
「よく考える」といっても、何を考えたらいいのでしょう。
それは、「自分の答えが間違っているかもしれない」と疑ってかかることです。
言ってみれば、自分の回答を批判的に考えなおすことです。

問題を解いたらすぐ次にいってしまうのではなくて、一度立ち止まって批判する。
確かめ算をするのと同じ感覚ですね。

これを繰り返していくことで、数学的に厳密な形式に、自分の思考をアダプトしていくことができます。
できるだけ早い段階でこうした我慢強い思考を身につけることができると、数学への苦手意識も育ちにくくなることでしょう。

まとめ

数学の世界の「形式」は、日常世界の「直観」を得意とする文系のひとには、どうしてもよくわからないものになりがちです。

でも、その「形式」にも意味があり、よく考える癖をつければ、身につけることも難しくはありません。

まずは、数学世界の「言語」である数字に慣れる
次に、数学世界の「読み方」としての「逆算」に慣れる
そして、数学世界の「話し方」としての「論理的形式」に慣れる

このようにステップを踏んで、数学世界に段々と身体を慣らしていくことで、苦手意識を払拭していきましょう。

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究進塾 編集局

究進塾 編集局
東京・池袋にある究進塾の編集局です。受験指導のプロが大学受験に役立つ情報をお届けしています。 大学受験対策コースはこちらからご覧いただけます。

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