TEAPとは?〜新しい大学入試英語試験について分かりやすく解説〜

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近年盛んに議論されてきた大学入試改革。改革案の検討も終盤に来ていますが、特に英語の外部試験活用を含む新英語テスト案については、最も注目されていると言って良いでしょう。過渡期にあたる受験生の皆さんや保護者の方にとっては、進路を左右する非常に大きな問題であることは間違いありません。

今回は、大学入試の外部英語試験として活用が進んでいるTEAPについて解説いたします。

TEAP開発と運営に携われている吉田教授(上智大)や英検協会の担当者の方から直接お話を伺う機会がありましたので、そこで得た知識を元に、皆さんの疑問を解決すべく分かりやすくご説明します。

これから初めてTEAPを受験しようと考えている皆さん、ぜひご参考にしてください。なお、ここでは2016年に新たに開始されたTEAP CBTではなく、TEAPについての内容となっています。

1. TEAP(ティープ)の概要

まだ受験したことがない人向けに、TEAPがどのような試験なのか、受験するにはどうしたら良いのか、まずは概要をご案内します。

1.1 試験概要

TEAP= Test of English for Academic Purposes

大学レベルのアカデミックな英語4技能のレベルを測るために開発された試験です。特に大学入試の英語試験として考案されました。TEAPを運営する日本英語検定試験協会の公式資料では、「今までの大学入試を変える 4技能型アカデミック英語能力判定試験」と言われています。

ただし「4技能」と言っても、必ずしも4カテゴリー全てを受験するわけではなく、受験する大学の出願条件によって、下表のように3つの組み合わせ(パターン)で受験できます。

なお、リーディングとリスニングはセットになっており、必ず受験します。

4技能受験パターン リーディング&リスニング
(計約120分)
ライティング+スピーキング(計約80分)
3技能受験パターン リーディング&リスニング
(計約120分)
ライティング
(70分)
2技能受験パターン リーディング&リスニング
(計約120分)

1.2 スコアと難易度

TEAPの試験結果通知の特徴として、「スコア」と「バンド」の両方で示されることです。英検のように合否の判定はありません。

スコア 4技能それぞれ100点満点で点数が示される。ただし、単純に配点×正解数でスコアがでるのではなく、実施された試験によって全対的な正解率などを考慮し統計的な手法で計算された点数が割り当てられる。
バンド 文科省も採用している国際的英語レベルの基準「CEFR=ヨーロッパ言語共通参照枠」のバンドが示される。CEFRの6段階(A1〜C2)のバンドのうち、TEAPで測定される範囲はA2〜B2の3段階。

上表の通り、TEAPの難易度レベルはCEFRでA2〜B2の範囲です。英検で換算するとおおよそ準2級から準1級の間となります。

参考:A1=初心者レベル、C1&C2=英検1級、TOEFL満点、IELTS7.0以上の高いレベル

・A2→英検で「準2級」程度
・B1→英検で「2級」程度
・B2→英検で「準1級」程度

上記参考レベルより、TEAPの難易度についてなんとなく掴めたかと思います。つまり英検準2級以上程度の難易度の出題ですが、英検1級やIELTSまでのハイレベルな出題はありません。

1.3 受験日程と受験地(2017年時点)

・日程:年3回(2017年は7/23, 10/1, 12/3、いずれも日曜日)

・受験地:全国12都市
(札幌 / 仙台 / 埼玉 / 千葉 / 東京 / 神奈川 / 金沢 / 静岡 / 名古屋 / 大阪 / 広島 / 福岡)

※各都市ごとに1箇所〜複数箇所の受験会場があります。

1.4 受験料と申し込みについて

受験料は受験パターン(何カテゴリー受験するか)によって異なります。

4技能パターン 15,000円
3技能パターン 10,000円
2技能パターン 6,000円

申し込みは、インターネットのみ。TEAPの公式サイトより
(注:受験資格:高校2年生以上)

ご自分が受験したい大学の出願条件を良く確認し、それに合った受験パターンを申し込んでください。

2. 単元ごとの試験内容

TEAPは4技能の試験ですが、それぞれのカテゴリーの概要を以下に示します。

カテゴリー(試験時間) 概要
リーディング(70分) ・マークシート(択一選択方式)・Part1、Part2(A〜C)、Part3(A, B)に分かれ、全部で60問(100点満点)・アカデミックな語彙や用法の穴埋め問題、図表やEメール文などの読み取り、教材/資料の読み取り、長文読解など
リスニング(約50分) ・マークシート(択一選択方式)・CDの放送・Part1(A〜C)、Part2(A, B)に分かれ、全部で50問(100点満点)・短い会話及び長い会話(2名ないし3名のやり取り)

・講義やニュース報道などの聞き取り(短い英文及び長い英文)

・内容は大学等で遭遇する場面(教授や留学生との会話、講義内容等 ※図表の理解も含む)

ライティング(70分) ・手書きで英文を書く・Task AとBの2題(100点満点)・Task A = 70語程度の要約文の作成・Task B = 200語程度のアカデミックエッセイ(与えられた情報をもとに、自身の考えを論じる)

・採点は、認定を受けた採点官が行う

スピーキング(約10分) ・1対1の面接方式・試験内容は全て録音される(採点に利用)・Part1〜4でそれぞれ各1問(100点満点)・一般的な質問に受け答えることから始まり(Part 1)、逆に試験管に質問をして対話をリードする(Part2)、そして与えられたトピックに対して自分の考えをスピーチし(Part 3)、最後に試験管からの様々な質問に関して自分の考えを答える(Part 4)という流れ

・採点は、認定を受けた採点官が行う

以上がTEAPの各カテゴリーごとの概要です。

ライティングは手書きで2種類の英作文を行う点、また、スピーキングは試験官との1対1の面接でパート1〜4まで様々な場面を想定した対話やスピーチを行う点など、IELTS試験と類似しています。

なお、解答例付きの見本問題が、TEAPの公式ウェブサイトからダウンロードできます。
TEAP「問題構成・見本問題」のページhttp://www.eiken.or.jp/teap/construct/

詳しい解説及びライティングとスピーキングの評価基準なども掲載されていますので、試験対策を始める前に、ぜひこのページを確認し、今後の対策に活用してください。

3. IELTSとの比較

3.1 IELTSとの類似点・相違点について

前述の通り、TEAPはアカデミック英語4技能を測る試験であり、ライティングは手書きの英作文、スピーキングは1対1の面接です。この点はIELTSとよく類似しています。以下に、IELTSとの類似点を挙げてみました。

【TEAPとIELTSの主な類似点】

◆大学などの高等教育機関で使うアカデミック英語を想定した試験

◆リーディング、リスニング、ライティング、スピーキングの4技能の試験(ただしTEAPの場合は2技能のみ、3技能のみの組み合わせも可)

◆ライティングは手書きで、Task1と2(要約文とアカデミックエッセイ)の2種類の英作文をする

◆ライティング課題では、図や表などの情報を読み取る力も求められる

◆スピーキングは試験官との1対1の面接で、全て録音される

◆スピーキングPart1〜4から成り、一般的な受け答え、対話、スピーチなどから構成される

◆運営には「日本英語検定協会」が関わり、全国に分布する英検受験会場を活用して全国複数都市での受験が可能

一見多くの類似点がある2つの試験ですが、それでは、IELTSとTEAPの試験対策は共通しているのでしょうか。異なる点はどのような点でしょうか。

【IELTSとTEAPの最も決定的な相違点】

TEAP → 日本国内の大学で英語を使って学ぶことを想定(英語圏の大学留学までのレベルは想定していない)

IELTS → 英語圏の大学などの高等教育機関で使う英語を想定

従って、おのずと試験内容の難易度が異なります。

出題内容の難易度: TEAP  < IELTS (※下表参照)

CEFR TEAPのレベル IELTS(概算) 参考
C2(最上級) ※該当せず 8.0-9.0 TOEFL ibt満点
C1 ※該当せず 7.0-8.0 英検1級
B2 Bandとして判定 5.5-6.5 英検準1級
B1 Band として判定 4.0-5.0 英検2級
A2 Bandとして判定 4.0以下 英検準2級
A1(初心者〜) ※該当せず 英検3〜4級

出典:各テスト公式ウェブサイトより情報を抜粋して作表

以上の通り、TEAPではたとえ満点を取ってもCEFRでB2までのレベルです。それに対してIELTSはCEFRで最上級レベルのC2までを判定する試験であり、おのずと試験問題はTEAPよりも難易度の高いものになります。

従って、TEAPの勉強をIELTS対策の代用とすることは、十分な対策とは言えません

3.2 IELTSとTEAP、どちらを受験すべきか

国公立大学入試の英語外部試験活用については、TEAPもIELTSも活用される見込みです。また、現状として国公立・私立大学ともに、英検やTOEFLと並びTEAPとIELTS両方を採用している大学もあります。

TEAPとIELTSの選択の余地がある場合、どちらを受験するのがより効率良いのでしょうか。

基本的には、

日本の大学受験のみ考えている人→TEAPを受験

海外留学も視野に入れている人→IELTSを受験

をお勧めします。

TEAPは、日本の大学において英語を使って授業を受けたり課題をこなしたりする能力が想定されています。従って難易度も日本の高校生レベルに設定されており、IELTSよりも取っ付き易い試験内容です。

一方で、IELTSは海外の大学で広く入学基準として利用されているのに対し、TEAPは現状海外では全く通用しません。

日本の大学の他に海外の大学入学も視野に入れている→是非IELTS受験を
日本の大学在学中に海外留学を予定している→IELTS対策と受験が、後に留学する際に役立つ※注意:スコアの有効期限は2年で、海外大学の出願時に有効期限内である必要があります。ただ、留学準備の際にIELTS再受験となったとしても、一度対策や受験を経験しているため、一から勉強する必要がありません。

もちろん、受験する大学がTEAP、またはIELTSを受け入れているということが大前提になりますので、しっかりと受験先大学の最新情報をチェックしてください。

例えば上智大学のように英語試験はTEAPのみ採用している場合もありますので、上智大が第一志望の場合は、将来的な留学予定に関わらずTEAP受験となります。

次項で現在TEAPを採用している大学についてご案内しますので、併せてご確認ください。

4. 大学入試におけるTEAP活用について

文部科学省で議論されている大学入試改革においては、2020年より国公立大学入試で外部英語試験を活用する案がほぼ決まっています。その中でTEAPも外部試験として認められる予定です。

一方で、私立大学入試においては既にTEAPの活用が始まっています。国立大学でも、筑波大学の推薦入試(全学部)で採用されるなど、一部の大学で既に活用されています。

4.1 現在TEAPを採用している大学(2017.5.8時点の情報)

関東:31大学
※上智大学ではTEAP(またはTEAP CBT)のみの利用です。北陸・中部:13大学
関西:14大学
中国・四国:4大学
九州:7大学

活用のしかたは、各大学/学部により異なります。

◆例1:早稲田大学では、現在は文化構想学部・文学部のみの利用。4技能受験で、280点以上(各65点)が基準点

◆例2:鹿児島大学では全学部で採用。4技能受験で334点以上→センター試験の外国語を満点扱いとする

採用大学の一覧は、以下ウェブサイトにてご確認ください。
TEAP採用大学http://www.eiken.or.jp/teap/group/list.html

4.2 今後の採用拡大見込みについて

繰り返しになりますが、2020年より国公立大学入試ではTEAPを含む英語外部試験が活用される見込みです。また、国公立・私立大学の一部では既にTEAPを活用した入試が始まっています。

これまでに得た情報から、筆者はTEAPの今後について以下のように考えています。

◆2020年へ向けて、より多くの大学受験予定者や保護者・教員などがTEAPについて関心を持ち、受験や指導を検討する

◆国公立大学入試改革に伴い、私立大学でも外部試験の活用が進み、TEAP採用大学は年々増える

◆IELTSやTOEFLに比べて難易度が低いTEAPは、大学入試英語試験の代用として選ばれやすい
(IELTSやTOEFLよりも受験者数の拡大が顕著になると思われる)

TEAPはもともと日本の大学入試の英語試験の代用となるよう開発された試験であるため、他の外部試験以上に、受験生や受け入れ大学側のニーズを反映していると言えます。また、日本英語検定協会が運営していることから、これまでの「英検」のノウハウや全国の試験会場のネットワークを活かした受験機会の提供が可能です。

TEAPへの関心や受験者数は、年々伸びていくと思います。受験対策テキスト・講座なども、現在以上に増えていくことでしょう。

5. まとめ

以上、今回はTEAPについて、概要から現在の活用状況、IELTSとの比較、今後の見通しなど解説いたしました。

これから受験したいと思っている方や、TEAPという名前は聞いたことはあるが良く分からなかった方など、参考になりましたなら幸いです。なお、冒頭で触れましたが、2016年10月に始まったTEAP CBTはまた別の試験です。

2017年5月時点でのTEAP CBTの採用は、上智大学を含む都内5大学のみとなっています。まずは志望大学と学部がどの外部試験を採用しているか、良く確認して受験計画を立てましょう。

また、大学入試英語改革については、まだまだこれからの進展や変化が見逃せません。常に最新の情報を得ていくことが大切です。

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