高校紹介 【都立日比谷高校】
みなさん、こんにちは。
さて、今日は、都立高校をご紹介します。
学校の名前は、「都立日比谷高等学校」
名前を知っている方も多いのではないでしょうか。東京都の都立高校では最も歴史のある学校です。3年前からは、全国の公立高校のうち、東京大学への進学者数ナンバーワンを継続している、名門校です。
ホームページや、高校受験案内にも様々な情報が載っています。志望する人、興味のある人は必ず見ておいてください。今回は独自の調査をもとに、日比谷高校をおすすめする理由についてお話します。
【データ編】
①名称:東京都立日比谷高等学校
②設立:1878年(東京府第一番中學として、最も古い)
③住所・アクセス:〒100-0014東京都千代田区永田町2丁目16-1
- 「永田町駅」6番出口より徒歩8分
- 「赤坂見附駅」11番出口より徒歩8分
- 「溜池山王・国会議事堂前駅」5番出口より徒歩7分
④入試データ(過去3年分。データは随時更新します)
東京大 | 京都大 | 一橋大 | 東京工業大 | 国公立大医学部 | 早稲田大 | 慶應大 | |
2018 | 33(15) | 4(2) | 16(9) | 10(7) | 28(18) | 93(69) | 74(63) |
2017 | 33(12) | 3(5) | 6(3) | 5(1) | 23(13) | 84(47) | 92(36) |
2016 | 27(26) | 8(1) | 12(6) | 7 | - | - | - |
※単位:人 カッコ内は既卒生
都立高校の中でも、特に難関国公立大への合格者数は群を抜いています。
◆理系の進学に関しては、都立高校の中でもトップといってよい環境で学べることから、国公立理系(東京工業大学など)にも非常に強いのが特徴です。また、私立大学の理系では、現役合格率が非常に高いものの進学者がそれほど多くないことから、やはり「国公立大学」を目指す生徒が多くなっています。それはあとで触れますが、授業が記述中心、かつ丁寧な添削などを通じて徹底的に鍛えられるということ。東京都の中でも、大学受験を知り尽くした先生方が集まっていますので、予備校に行かなくてもよいぐらいの授業が展開されています。
◆国公立大学医学部への進学についても、都立高校では大きくリードしています。都立戸山高校が「チームメディカル」という取り組みをし、来年度の受験生をどれだけ増やせるか、というところに注目が集まります。しかし、日比谷高校では全科目を履修することになるので、5教科7科目に対応できる生徒が多いのです。このことから、医学部についても今後、実績は伸びていくと思われます。都立高校にもカラーが出てきており、西は文系に強く、国立はオールマイティ。医学部を都立で目指すならば、日比谷、戸山の二択になるのか、今後に注目です。
⑤主な併願校
【大学附属校】(カッコ内のコメントはあくまでも目安です)
国立:筑波大学付属駒場・東京学芸大学附属・お茶の水大学附属(日比谷よりレベル高め)
私立:慶應義塾女子・早稲田実業・早稲田大学高等学院(相応)
青山学院・国際基督教大学・明治大学・中央大学など(戦いやすい)
【附属校以外】
開成(日比谷よりレベル高め)
豊島岡女子・巣鴨・桐朋(相応)
本郷など
⑥自校作成問題
東京都では、以下の学校で「自校作成問題」が扱われます。
◎日比谷、戸山、青山、西、八王子東、立川、国立(進学指導重点校)
◎新宿、墨田川、国分寺(進学重視型単位制高校)
併設型中高一貫教育校グループ:白、両国、富士、大泉、武蔵の5校⇒グループ作成問題
東京都立高校の学力検査は5科目(英・数・国・理・社)の検査が課されます。
そのうち、英語・数学・国語 の3科目については、各学校が独自に問題を作成します。
※ここに出ていない学校は「共通問題」で検査を行います。
自校作成問題は、共通問題よりもはるかにレベルが高く、年によっては平均点が30点台になることもあります(共通問題は60点前後)。倍率も高いため、仮に模擬試験で「A」の判定(合格可能性80%以上)であっても、受検結果は不合格、ということも多々あります。
対策は、独学では困難です。究進塾では、過去問題の蓄積、ならびに「効果検証」したやり方で、成績を伸ばすことができます。気になった方は、ぜひ説明会などにお越しください。
⑦著名な日比谷高校卒業生
池田行彦(1956年) – 外相・防衛庁長官・総務庁長官、衆議院議員、元大蔵官僚 / 池田勇人の婿
豊田達郎(1946年) – トヨタ自動車社長・副会長・相談役
根岸隆 – 経済学者、東大名誉教授、文化功労者、日本学士院会員 / ノーベル賞候補にのぼった
村上陽一郎 – 科学哲学、ICU教授
大森荘蔵 – 科学哲学、放送大副学長
山本有三 – 小説家、文化勲章
谷崎潤一郎(1905年) – 小説家、文化勲章
小林秀雄(1920年) – 文芸評論家、文化勲章
江藤淳 – 作家、評論家、芸術院賞 / 湘南中学より編入
古井由吉(1956年) – 芥川賞作家 / 第一学年の九月に獨協高から転校
加藤周一 – 評論家
高見順 – 作家 / 高見恭子の父
土岐善麿 – 歌人、国文学者、紫綬褒章
【とっておき!特色紹介】
①SSH(Super Science High-school)+外部教育機関との連携 |
文部科学省(国の機関)が、先進的な理数教育を実施する高等学校を
SSH(Super Science High-school)として認定しています。
◆かんたんに言うと、国からお金が出ているので、それを使ってぜいたくに、科学的研究を行うことができるのです。年額900万円とのこと!
◆日比谷高校では、1年生・2年生のときに「文系・理系を問わず」全員がSSHの活動に参加します。「文系だから…」といって避けることはできません。
設備も他の都立高校よりも高性能なものを使っていて、生物では「豚の目玉」の解剖もするんだとか!一人ひとりにぜいたくな環境であることは間違いないですね!
【それに加えて、】
◆国内では東京大学・東京医科歯科大などと連携。
◆海外ではスタンフォード大学や富士通Open Innovation Gatewayなどとも連携し、
真の国際人になるための環境が整っています。ですから、大学入試にも非常に強いわけですね。みんな「自然科学」にしっかり親しむことができ、外国との交流も盛んなわけですから、語学も得意になる。大学入試で終わるのはもったいないぐらいの環境です!
②無料の講習が充実。授業も国立二次を視野に! |
◆土曜講習や、夏期講習などが豊富に組まれており、しかも無料。
今は都立高校のみならず、講習が用意されている学校は少なくありません。しかし、日比谷高校では、「土曜講習」のある日には部活動を早く終了させるなど、生徒への配慮があります。
(部活動の参加率も96.4%と非常に高く、短い時間で集中してやる、ということみたいですね。)
◆メインの普段の授業にも「受験に強い」特徴があります。先生が一方的に話して、それを生徒はノートに取る…。そんな授業ではありません!
◎先生と生徒との「対話」を重視しているとのこと。これでは、なんとなく授業を受けるというわけにはいきませんね。先生から問いかけられたら、対応しなければなりませんから。しかし、授業はとても楽しく、9割以上の生徒が満足しているとのこと。
そして、このことは2020年以降の大学入試に対して、日比谷高校は準備を始めているということでもあります。
「対話」形式の授業を通じて、日ごろから生徒はたくさん「考え」、「表現する」トレーニングを積みます。このことから、現状の国立大学の二次試験のみならず、2020年以降の新入試制度にもしっかり対応できる、という日比谷高校の余裕すら感じます。
そして、こうした授業は、国公立大学の入試問題(ほとんどが記述)に対応するべく、都内でもトップクラスの先生方が日夜研究しているとのことです。
そして、ただ「書くだけ」では終わらず、入試を熟知した先生方の丁寧な添削があります。記述問題は、ただ漫然と数をこなすだけでは絶対に強くなれません。ひたすら考え、直され、試行錯誤し、時には明確な答えが出ない場合もあるわけです。そういった、考え、表現するプロセスが自然と出来上がっているといえるでしょう。
ですから東京大学へ合格する現役生が33人(2018年度)もいるのですね。
③真の「教養」が身につく |
日比谷高校の特色としては、
◆高校二年生時に自由選択として、「ドイツ語・フランス語・中国語・ハングル語」など、第二外国語を学べることも有名です。
◆しかし、それ以上に、高一・二では共通の34単位で、「5教科7科目」をすべて履修することになります。このあたりが、他の都立トップ校とも少し違っているところでしょう。いずれもクオリティの高い授業で、手抜きはありません。
かなり、生徒にとっては大変な負担だと思います。しかし、これを課している最大の理由は、「知の日比谷」として、真のリーダーにとって大事なのは「教養」だからと考えているからでしょう。
思考力が必要な時代になっても、知識と、ものごとの考え方は常にブラッシュアップしていかなければいけません。考えてみてください。理系だからと言って、自国の文化・思想や世界史についてほとんど知らない人が、国際社会で信用されるでしょうか…?
それも、リーダーとなれば、人から常に評価される存在です。様々な人たちの文化的背景や、思想を理解していなければ、リーダーとして全く評価されない、などということにもなりかねませんね。
どうだったでしょうか。あえて、パンフレットを読むだけではなかなか伝わってこない情報をピックアップしてみました。「高校に何を求めるか」は受験生一人ひとりが決めることです。しかし、日比谷高校からのメッセージは、はっきりとしているように思います。
◎本当のリーダーを目指そう。
◎大学に入って終わり、なんていう人にならないように。
そんなメッセージを感じます。おそらく、とても忙しいでしょう。
しかし、その分充実した高校生活が送れそうです。