現役東工大生が教える東工大合格のための英語学習法

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理工系大学である東工大の入試において、「数学、物理、化学は出来ても英語はちょっと…」という方はいませんか。
実際、各種模試などのデータを見ると、受験生の皆さんにも、(ちなみに、在校生にも)英語が苦手だという人は多くいるものと思われます。他の科目と比べてみても、物理、化学の各1科目分と同じ配点を占めていますので、早め早めの対策が吉です。
筆者の在校生としての経験も踏まえつつ、以下で東工大英語について、たっぷり語っていきたいと思います。

 1. 東工大英語の形式・特徴

東工大英語は90分で2つの大問があり、それぞれ1つの長文を読み進めていきます。そして、その長文中に出現する問題に解答していきます。

その形式は、例年次の3つとなっています。

・本文中下線部の和訳、英訳

・本文中下線部の箇所に関する、内容説明の記述

・本文内容に関する記号選択問題

こうして見てみると、すごく真っ当な英語のリーディング、ライティングのスキルを問われる問題構成になっていることがわかるでしょう。

また、東工大英語の特徴としては「超長文」ということが挙げられます。
2010年ごろから他大学と比べても特に分量の多い長文が選ばれるようになり、それぞれの年で2つの長文を合わせた語数は、

2014年度:約2300字

2015年度:約3000字

2016年度:約2100字

という具合で推移してきています。
今のところ2015年度が長さのピークでした。直近の2016年度は前年度比で分量こそ減ったものの、難易度の変化はさほど無かった模様です。

難易度と長文の分量との間には直接的には関係性はありません。

ですが、2015年度のような長い分量で出題された場合、文の中身よりも文の長さに圧倒されてしまうケースが多くあります。
超長文に対する免疫は早いうちからつけておくのが良いと思います。

 2. 対策の流れ

このような特徴をもつ東工大英語を攻略するためには、どのような手順で進めていくのが効率的かを考えていきます。

ここで対象とするのは、高校の日常学習などである程度の基礎が出来ていて、入試対策に移る準備が出来た人とします。
高校の日常学習などのレベルの話は別な機会に譲りますが、基礎が出来上がっているか不安だという方もとりあえずここで述べる対策にチャレンジしてみることをお勧めします。

まず、本学入試で必要になるのは大きく分けて次の事柄でしょう。

・語彙力

・読解力

・英作文

このあたりが必要になってきます。

もちろん例えばある程度の文法事項も読解や和訳などの際に必要にはなってくるでしょうが、早慶などの私立で問われるようなマニアックな知識は不要といえるでしょう。

ここで挙げた力をどういった順番で養成していけばいいか、考えていきたいと思います。

2.1 語彙力

まず語彙力ですが、これは英文の読解においての基礎ともいえる項目です。

下線部和訳に含まれる単語を押さえておきたいのはもちろんですが、その他本文中で登場する多数の単語の意味がわからないと文脈がとれず、その後の問題にも悪影響を与えかねません。

早い段階から少しずつ積み上げていきましょう。

とはいえ、他教科や他の英語分野とのバランスも考えると、英単語の暗記はスピーディーにいきたいところです。
そのため、”単語だけ”を機械的に覚えていくスタイルをお薦めします。

その進め方としては、100単語があったら1日10個ずつ覚えるよりも、超がつくほど大雑把でいいのでスピーディーにパラパラと何百もの単語を、”覚える”というより、”眺めていく”に近い作業を何十、何百周と繰り返すやり方がおすすめです。

1単語につき1秒掛けるか掛けないかぐらいで次に行くぐらいの感じです。

最初はわからなかった単語がじわじわと知っている単語に変わっていくことでしょう。
その変化は鈍いですが、結果として覚える効率は上がっていきます。

以上のことを念頭に、ここでは2つお勧めの参考書をご紹介します。

◆英単語ターゲット1900 5訂版(旺文社)

受験英語の中でもかなりポピュラーな部類に入る単語帳です。
レベルは標準〜やや難といったところでしょうか。サイズ感、レイアウトやデザインなどが非常に使いやすく、まさに王道の1冊です。

◆データベース5500合格英単語・熟語(桐原書店)

前掲のターゲットよりもやや難度が上がり、やや難〜難ぐらいの単語が収録されています。
東工大英語であれば、ここまでやっておくと試験で困ることはほぼ無くなると思います。やはりレイアウトもシンプルで、CDも付属しお勧めの1冊です。

単語帳としては、以上2つが単語を覚える作業に専念出来てお勧めです。

繰り返しみることになるので、意外とデザインが大事だと思います。

また、速読英単語やDuoといったものも有名ですが、熟語、長文なども掲載されているため、単語だけ効率よく覚えるという用途に関しては少々回り道でしょう。

なお、私が受験生だった頃には、上で挙げたターゲットを5〜6割程度覚えるぐらいの感覚まで進め、その後に2冊を並行して進めるという使い方をしました。

2.2 読解力

東工大英語として要求される力の中で最も中核をなす分野です。基礎的な語彙力、文法事項を土台に読解力を上に積み上げていくイメージです。

必要なのは、
超長文を読みきれるだけの体力(→多読)、
下線部箇所の英語を正確に訳出する力(→精読)です。
ここが揃えば、内容に関する問いも含めて困ることは無くなるでしょう。

なお、多読がきちんと出来てくれば“速読”をする必要性はあまりないと思われます。解答の作業を効率良く、時間を掛けないようにする努力は必要でしょうが、“読み”はそこまで急いで読まなくても大丈夫です。

さて、以下で読解にお勧めの参考書群をご紹介していきます。

2.2.1 多読系

非常に平易な英語で書かれている初学者向けの洋書を用いて、ほとんど辞書を引くことなく、1冊数千〜数万語程度の物語を“楽しく”読み進めていくことで自然と英語の流暢さを引き上げていく手法です。

他にも特徴を挙げていくと、

・いわゆる”返り読み”はしない

・内容を覚えながら、など神経質になって読む必要はない

・わからない箇所は適当に飛ばす

・それでも嫌気がささなかったり、つまらない本は読むのを止める

など受験生の皆さんにあまり広くは知られていないであろうアプローチをもって英語力を上げていく方法です。シビアになる必要もなく、受験全体からみれば半ば気分転換のような形で気楽に取り組める勉強法です。

具体的な本としては、Oxford Bookworms ,Cambridge English Readersなどでレベル1~3のものを探してみてください。

従来の入試問題向けの問題集なんかとは異なり、とにかく読み進めるのが余裕すぎるぐらいがちょうどいいです。1ヶ月に2〜3冊読めるのが理想でしょう。
いろんなテーマが用意されているので、日本語の読書同様、自分が純粋に読みたいと思うものを是非探してみてください。

また、より詳しく知りたい方は、「SSS英語多読研究会」のHPにより詳細な多読法の解説が掲載されていますので、併せてご覧になってみてください。

参考リンク:https://www.seg.co.jp/sss/learning/

2.2.2 精読系

さて、前項で挙げた多読とは二軸の関係をなす精読についてです。

多読で身に着けたであろう下地をベースに、ここからはその基礎を、着実に受験英語における得点に結びつけるための作業になっていきます。
ここが東工大英語では、一番の要といえるので、しっかり対策していきましょう。
受験英語としては、一番オーソドックスなカテゴリーであるため、このカテゴリーの本は多くありますが、ここでは筆者お薦めの1冊を挙げたいと思います。

◆英文標準問題精講(旺文社)

かなり名の知れた古典的名著です。文構造が複雑なものも多数収録されており、この本をこなせば受験英語はおろか、この先出くわす英語でも文構造が取れないことは無くなるだろう、という1冊です。

もちろん東工大英語においても十分な対策になるでしょう。
何より、東工大英語は設問がとてもシンプルな形式であるため、精読で得点できる問いがかなり多いです。

是非、この分野に手厚い対策を施しておきましょう。

かなり難しい文章が何個も並んでいますが、落ち着いて1つずつ全文にわたって訳してみてください。
そして、一通り訳が完了するか、若しくは本当にわからないときは、解答を参照し、自分の答えを修正していきましょう。

おそらく多くの人は自分の答えが真っ赤になるまで修正が入ることと思います。(かつての私もそうでした。)

この本のいいところは、真っ赤になるまで自分の解答を直してもなお、学ぶことが多いということです。

古典的名著と言われる所以はそこにあるのでしょう。それぞれの文章は、多くの不朽の名著から選ばれているものが多く、そこには沢山の教養が詰まっています。

とにかく取り組み始めた最初はヘビーかもしれませんが、一度軌道に乗ってきたら、勉強の本当の奥深さ、面白さを思い知ることになろうと思います。
時間の許す限り何周もやってみてください。2、3周目あたりで自分の成長に気づけるはずです。

なお、あまりにハードルが高すぎる場合は下位互換に「“基礎”英文問題精講」もあるようです。こちらをこなしてから「英文標準問題精講」への接続を考えてみてもいいでしょう。

2.2.3 コーヒーブレイク

ちょっと話を脱線させますが、個人的に英語(多読、精読とも読解系の分野)とコーヒーショップは相性がいいと思っています。

英語の場合、言語の学習であるため、基本的に好きな音楽などの“ながら勉強”もうまくいかないし、かと言って塾などの自習室は静かすぎる。

そんなとき、私はスターバックスコーヒーによく駆け込んでいました。

特に午前中の時間帯はどこも空いていて、静かな空間に程よいBGMで気分転換しながら勉強できると思うので、早起きが吉です。
こういう習慣が週に1回でもあると、勉強が捗るいい契機になりますよ。

2.3 英作文:実戦編 英作文のトレーニング(Z会出版)

正直なところ、東工大英語で英作文の対策は二の次でいいんじゃないか、というのが個人的見解です。ここまでの過程で読解力がきちんと身についていて英文がしっかり読めていれば、そこそこの対策で大丈夫だと思います。

英作文は、受験生がみんな苦手としている分野なので、基本的には何か書いておけば他の受験生と差がつくことは非常に稀です。

ほとんど差はつかないに等しい。

そもそも、受験英語の段階でネイティブにもしっかり伝わるような完璧な英訳をすることは通常不可能に近いです。つまり、自分の英語力の限界を把握した上で、どのあたりに妥協点を設けるかが大事になってきます。

その練習に使えるのがこの1冊です。

与えられた日本語の文をどのように解釈、分解して英語にするか、という手法が述べられている演習書です。

解答解説に流暢な英語で書かれた「模範解答」や、それよりも質は落ちるが安直な発想で書ける「合格解答」が用意されていることで、到達点が明快になっているのがこの本のいいところです。

取り組む時期は12月以降ぐらいのイメージで大丈夫です。
英作文にあまり早くに着手するより、読解系を固めるほうが効率的だと思います。

2.4 直前期の演習

各人の進度に合わせて過去問演習に取り組んでいけばいいと思います。今日学社発行の赤本、駿台発行の青本で解説が異なるのでお好きな方を使ってください。

素材がなくなった場合は、以下のものを活用してみましょう。

・「東京工業大学への英語」…駿台の東工大模試の過去問。
和訳英訳よりも、内容一致問題の選択肢問題などの東工大的な形式への対策重視にするのが良い。

・他大学の赤本。特に超長文対策としてお勧めできるのは、以下の大学および学部が挙げられます。

・東京医科歯科大学(特にお勧め)

・東京大学

・早稲田大学国際教養学部

・慶應義塾大学(総合政策学部および環境情報学部)

・「やっておきたい英語長文1000」…超長文対策としては有名なもの。
ですが、筆者が使用したことがないため、コメントはしかねます。

3. まとめ

とにかく東工大英語は「読み切る」ことが大事です。

超長文を甘く見ていると、確実に本番で超長文に飲まれます。文意も取れず、解答どころではなくなることもあります。
東工大入試で英語を軽視される方は未だ多いですが、是非ここに挙げた参考書群で万全の対策をしてください。

お読みいただきありがとうございました。

読んでくださったあなたを、東工大でお待ちしております。

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