国語が苦手な学生必見!もっとも効率的な読書感想文の書き方

小学生、中学生、高校生にとって、国語・現代文の〈夏休みの宿題〉の定番といえば、「読書感想文」ですね。

この感想文、〈本を読み、作文する〉というきわめてシンプルな課題であるにもかかわらず、作文を苦手とするひとにとっては、長年の悩みのタネとなるものでもあります。

そこで本記事は、国語が苦手な学生に向けてできるだけ効率的に、簡単に読書感想文をクリアする方法を紹介します。

■ 読書感想文は、何を書く?

具体的に話をはじめる前に、読書感想文で何を求められているのかということについて、言い換えれば、読書感想文とは何かということについて、はっきりさせておきましょう。

慣例的に、こうした宿題のことを「読書感想文」と呼んでいますし、そのため本記事でも、そのように呼称しています。しかし、こうした宿題において本当に「感想」を作文することが求められているのかどうか、ということについては、場合場合で異なると考えなくてはなりません。

一般的に言って、小学生の宿題であれば、読書感想文は純然たる感想文で構いません。つまり、何か本を呼んで、自分がどう思ったかについて、いくつか言葉を連ねるだけで完成します。

しかし、中学生、場合によっては高校生に課される宿題は、単なる「感想文」では満足いかないことがほとんどです。なぜなら、中学生や高校生に求められているのは、「あなたがどう感じたか」ということを、いかに他人に伝えることができるのか、あるいは、あなたが感じたことを、いかに他人を巻き込んで話すことができるのかということだからです。

言ってみれば、私秘的(private)な経験を話すのではなくて、公共的(pabulic)なレベルでの論述が求められていると考えた方がよいのです。
要するに、読書感想文に求められるスキルは、次のようにレベルわけすることができるわけです。

~感想文のレベル~

Level 1.    要約
読んだ本の内容を簡潔にまとめる。ポイントを押さえる読解力が問われる。

Level 2.    感想作文
読んでどう感じたか、自分の心を使って書く。プライベートな、感情や情緒を表現する最低限の語彙力・文章力が問われる。

Level 3.    論述・考察
読んだテクストから何を考えることができるのか、何を語ることができるのか、何を議論することができるのか、頭を使って書く。パブリックで一般的な、他人を巻き込んだ議論が構成できるかどうかが問われる。

自分の課題がどのレベルにあてはまるのか、それは読者のみなさんにしかわかりません。
まずは、どこのレベルでの作文が必要なのか、しっかり把握しておくことが大切だと言えます。

■ 読書感想文の効率的な書きかた

読書感想文を書くにあたって、重要なのは効率化です。

夏休みの宿題は一般に多いものですし、塾の宿題がある場合もありますし、そもそも夏休みは休みたいものです。感想文に割いている時間などふんだんにはない、というのが普通のことだと言えます。

だから、ここでは、正統的で本格的な論述の仕方を紹介することは避けます。こうしたことをマスターするには、一学生が数日の時間を割いたくらいではかんばしい結果は望めないと考えるからです。

反対に、簡単に、効率的に、悪言い方をすれば、楽をして、作文をする方法を紹介しましょう。

そのためには、感想文のためにはどんな作業が必要なのか、そのステップを考えることからはじめましょう。

読書感想文の完成に向けて、最低限のステップは次のようになっています。
このそれぞれのステップをいかに効率化してゆくかが勝負です。

~感想文執筆のステップ~

STEP 1    読書
当たり前ですが、本を読みます。とはいえすべてのページを読む必要は必ずしもありません。問題は、長大な文章のなかから、ポイントだけを拾い出す能力です。

STEP 2    構成を考える
作文を始める前に、全体の構成を考えます。大事なのは、自分の言いたいことを一つに絞り、これにむかって最もエコな道筋で話を進めることです。
回り道をしないこと、余計なことを言わないことです。

STEP 3    作文する
最後に、いよいよ文章を書きます。とはいえ、構成はすでに考えていますから、ただ流れに沿って言葉を並べていくだけで十分です。せいぜい大変なのは、自分の語りたいことに一番しっくりくる言葉を選ぶことです。

■ STEP1 読書の効率化

まずは、読書を効率的に進めます。

具体的な方法は、読む本の種類によって若干異なります。
大まかに言って、世の中のあらゆる文章は、(a) 論説系と (b) 物語系に分けることができます。

~文章の種類~

(a)  論説
新書、新聞、評論、論文、入門書、教科書、概説書など

(b)  物語
小説、文学作品、随筆、自伝、伝記、エッセイなど

課題本は、自分で選べる場合もありますが、すでに指定されている場合もあるでしょう。
もし自分で選べるならば、論説系をお勧めします。こちらのほうが、物語系よりも作文しやすいからです。

それはそうとして、物語系と論説系とでは、効率的な読み方も若干変わってきます
そこで、それぞれの読み方について解説していきましょう。

 a. 論説系の読書効率化

論説系のものを読む場合、効率化は非常にシンプルです。論説系は、次のような順番で読むのが効率的です。

本の背にある紹介文→序文→目次→結論

まずは、本の背に大抵書いてある、「概要」を読みます。
概要から、本の議論の枠組みを抑え、著者の主張のポイントをさらいます
たいてい、背に書かれている短い紹介文は、出版社の人が書いていることが多いので、客観的に本のポイントを知ることができます。

次に、「序論」「序文」「はじめに」「緒論」を読みます。
これは、本論に入るまえの前座のように思われがちですが、論説系の文章の場合は、序文が最も重要です
なぜならたいていの著者は、序文で自分の議論のポイントを述べますし、これから議論する事柄についての最低限の背景をおしえてくれますし、目的地を示してもくれます。
ですから、序文を正確に読み解くこと、これには全力を使うだけの価値があると言って良いわけです。

序文を読んだら、目次を見ます。
目次を見るときの狙いは、序文と目次を突き合わせて、その本の一番ポイントである章はどこかを見分けることです
たいてい、章が4つあれば、一番大事なのは3章か4章です。はじめの方の章は、最終的な結論に向けた道具立てである場合が多いからです。
また、目次を見るときには、論述がどのように流れていくかを、大きな目線で捉えておくことも大事になります。

最後に、「結論」「むすび」「終わりに」を読みます。
こうしてみると、最終的に筆者が何を論じたのか、最終的にどこにいたったのかということを明らかにすることができます。

序文を読み、目次で流れをつかみ、結論を読めば、著者の見解を全部読んだも同じです。
逆に言えば、これだけ読んでおけば、全部を読む必要は必ずしもないということです。

 b. 物語系の効率的な読み方

物語系の文章の場合は、論説系のような目次がありませんから、次のポイントを抑えていきます。

あらすじ→場面、時代、場所の設定→登場人物の詳細→ストーリーの佳境

まずは、物語のあらすじを知りましょう。
あらすじは、大抵本の背にあるか、あるいは、巻末の「解説」に書かれています。
あらすじを見ておけば、その物語から読み取れるメッセージも自ずと理解できます。

続いて、場面や時代、場所などの設定をおさえておきましょう。
これも、たいていあらすじをみればわかることです。こうした設定からも、物語のテーマを絞り込むことができるので、きわめて重要な情報源です。

最後に、そのストーリーがどこで山場を迎えるのかということを理解します。
たとえば、太宰治の『走れメロス』では、メロスがセリヌンティウスの処刑を止めに駆けつける場面が佳境です。あるいは、ヘレン・ケラーの伝記であれば、彼女が “water” を発話する場面が佳境です。あるいは、カミュの『異邦人』であれば、「太陽が眩しすぎたので」がやはり決定的な場面ではないでしょうか。

要するに、人物と設定、おおまかなテーマを知ったうえで、こうした決定的場面をしっかりと読めば、大抵は物語全体を読まなくても済んでしまうわけです。

■ 要約の効率化

効率的な読書の順序は、たいてい以上のようなものです。

ところで、読書感想文のためには「要約」をしっかりと作ることが重要だということはすでに述べました。なんなら、感想文の半分近くを要約に割いてしまってもかまわないとさえ言えます。

それでは、効率的に要約を作る方法はなんでしょうか。

答えはシンプルで、「読みながらまとめる」ということです。
読書を進めるのと並行して、ノートを取るように、要約を作り初めてしまえば良いのです。
一度本を読了してからまとめをつくろうとすると、二度手間です。
あくまで読みながら、付箋を貼るようにして、ポイントを抜き出して要約を作ります。

要約の作り方も、論説の場合と物語の場合とでは、若干のこころ構えの違いがあります。とはいえ、この違いはそれほど決定的ではありません

というのも、どちらの場合も、最終的なテーマに向かって最低限の要素を再構成することだけが重要だからです。

論説の場合、序文を読んでテーマを知り、目次を読んで流れを知り、結論を読んでオチを知れば良いですし、物語の場合、あらすじを読んでテーマを知り、人物と設定から前提を知り、決定的な場面を読んでオチを知れば良いわけです。

ポイントは、読みながら要約を作ること、そして、流れをシンプルにまとめることです。

■ 作文の効率化

最後に、作文そのものを効率化するためには何が必要なのでしょうか。
こればっかりは、読んだ文章の種類によっても違いますし、論説と物語とでも大きく異なります。

そうはいっても、一般的に言えることは、要約から自然に導かれることのみを書くということです。要約から自然に導かれることというのは、たとえば、著者の主張の脆い点であったり、あるいは鋭い点であったり、あるいは、物語の肝となる部分の描写の妙だったりするでしょう。

一言で言えば、読んだ文章の一番大事なポイントを抜き出して、それについて云々するということです。

もしその点についての著者の論述が甘いと思われたなら、それを批判すればよいですし、もしあまりに見事に書かれており、ケチのつけようがないと思われたなら、なぜそれほどに見事であるのかを掘り下げてみればよいのです。

作文の仕方について、しばしば作者の論述に批判を加えてみることが勧められる場合があります(たとえば、「著者はこう言っているが、本当にそうだろうか?」という類の書き方)が、このような書き方は、実際に書き手が、著者の論述の弱点を見つけ出せている場合でなければ有効ではないですし、それどころか、採点者にとって鼻につく文章になってしまいかねません。

ですから、自分で作った要約から無理なく引き出せる事柄のみを語る、というのが、作文を最も効率的に進めるための重要なルールだということがわかるでしょう。

また、作文については、自分の主張や見解、論点を、ひとつに絞っておくことも重要です。
いくつもの論点が分散していると、「結局何が言いたかったの?」ということになってしまいます。ですから、自分が主張したいのはあくまでひとつのことであって、もし複数のことを述べる場合には、その最終的な主張につながることのみを書く、という風にして、構成を工夫する必要があります。

■ まとめ

読書感想文の効率的な書き方は、読書→要約→作文を、それぞれ最低限のコストで進めること

読書は、必要最低限の箇所のみを読む。
要約は、読書と並行して進め、最終的なテーマにつながる流れを正確に捉える。
作文は、要約をもとに、無理なく主張できることだけを、一点に絞って論述する。

これらのことを順序よくこなすことができれば、優秀な作文を、ほんの1日で書き上げることができるようになるでしょう。

著者情報

夏実星野

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